2009年10月 5日 (月)

菅谷さんの後ろに何人のえん罪被害者がいるのだろうか。

 今、テレビで菅谷さんに検察の検事正が謝る映像が放映されていました。これで検察が社会的に常識的な組織になったと思わせることを、国民が錯覚したなら恐ろしいという思いで見ました。

 検察は、菅谷さんの取り調べのテープを開示しましたが、全国の検察が持っている証拠資料を全て開示するなら、現在社会的に報道されているえん罪事件だけでなく、報道にも載らない泣き寝入りしているえん罪被害者の無実が明らかになると思います。

私の願いは、罪を犯した人が万人に解る証拠等で有罪になった場合は罪を償うことは当然ですが、無実の人が明確な証拠もなく告訴され、それを受けた裁判官が「推認」ということで有罪にされている現実を絶対に無くすことです。

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2009年7月29日 (水)

裁判を監視しなければ、えん罪は無限に生み出される。

昨日、またもや「えん罪」と思われる事件を知りました。

事件は、パートで働いていた人が勤務先のお金を盗んだという事件でした。

検察が裁判所に提出した事件現場を撮していた監視カメラのビデオをもって、裁判官は有罪の判決を行ったのですが、私には、盗んだという状況はどこにも見ることが出来ませんでした。(一秒間に一コマの映像です。)しかも盗んだという現金を置いたという映像が無いのです。

私の目と裁判官の目は、同じビデオを見ても違って見えるのでしょうか。

私は近眼でしたし、最近は老眼になって遠近両用の眼鏡をかけていますが、車の運転や、新聞を読むのには何も支障なく生活を送っております。そんな私の目と裁判官の目で見た時に違った状況を見るとは思いません。私は明らかに裁判官が偏見で有罪にしたとしか思えません。

小さなえん罪事件は、過去にも無数に有ったのではないかと思いました。ほとんどは、被告人が泣き寝入りで服役していたのではないかと思うと、裁判所は秘密のベールに包まれていて、気ままに罪人を作ってきたのではないかと思いました。

裁判員制度が現実になりましたが、裁判員になる前に現在の裁判を傍聴して、裁判所の現実を直視することが絶対に必要だと痛感しております。いかに裁判が私たち市民からかけ離れたことを行っているか、直接目で見ることを是非行っていただきたいと思い掲載します。

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2009年7月24日 (金)

裁判所が崩壊し始めているのでは。

昨日、ある事件の傍聴に仙台高裁に行ってきました。被告人は一貫して無実を主張しておりましたが、一審で有罪にされ控訴審で仙台高裁に来た事件でした。

第二回目の公判でしたので、これから検察、弁護側のそれぞれの主張が聞けると思い公判を見守ったのでしたが、実質的な審理は何もなく、次回結審ということでした。

三審制と言われておりますが、高裁とは名ばかりで、何もしないで一審の判決を踏襲するだけの所ではないかと思うと同時に、裁判官は検察官の同僚ではないかと思ってしまいました。

振り返れば、北陵クリニック事件で、仙台高裁はたった四回の公判で結審したことと全く同じだと思いました。

真実を探求することを放棄してしまった裁判所を見た思いだけが残った傍聴でした。

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2009年6月24日 (水)

裁判官は神ではない。

今日、足利事件の再審開始のニュースを見ていて、菅谷さんの思いを裁判所は全く無視した再審開始だと思った時、私の頭の中に、裁判官は「私は神だ人間ではないので間違った判断など行わないのだ。」と思っているから・・・・・・・・

しかし、冷静に考えたら裁判官が、自分が神だとは思っているほど馬鹿な人間ではないと思うと同時に、私の浅はかな邪推が恥ずかしく思いました。

では、何故あの様な再審開始をと考えました。

私は、頭を冷やして考えているうちに思った結論は、裁判官は以前菅谷さんに「無期懲役」という有罪の判決を下した裁判官と、裁判所の権威を守るためには、過去の事実を明らかに出来ないという思いからの判断だと思いました。

日本国憲法第76条第2項 すべての裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権をおこなひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

私は、自分の思いの法律が有るのではないかと探したら、この憲法76条が有りました。全ての裁判官にこの条文に従った裁判官になっていただきたいと思いました。

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2009年5月24日 (日)

鑑定資料全量消費の矛盾(4)

大阪府警科捜研T技官の証言を読んで、鑑定資料の全量消費は、証拠隠滅ではないかと思いました。

鑑定試料を全量消費したことは、T技官だけでなく大阪府警、宮城県警による証拠隠滅ではないだろうか。
これから、大阪府警の科学捜査研究所のT技官の法廷での証言を検証してゆきます。
まずT技官は、大阪府警の警察職員として採用され、科学捜査研究所に所属する職員であること。また、犯罪捜査規範を遵守する義務があることを理解するため、関連法規の抜粋を掲載します。

  ○大阪府警察職員定員条例抜粋
(定員)
第一条 大阪府警察職員の定員は、休職者、公益的法人等への職員の派遣等に関する条例(平成十三年大阪府条例第七十一号)第三条第一号に規定する派遣職員及びこれらに準ずる者を除き、次の表のとおりとする。
区分   定員
警察官 警視
警部
警部補及び巡査部長
巡査(警察教養施設において新任者として教育訓練中の者を含む。) 
警察官を除く警察職員(臨時に雇用される者を除く。)

○大阪府警察本部組織条例抜粋
(各部の分掌事務)
第二条第5項 刑事部の分掌事務は、次のとおりとする。
一 刑事警察(少年犯罪の捜査を除く。)に関すること。
二 犯罪鑑識に関すること。
三 犯罪統計に関すること。
四 暴力団対策に関すること。
五 薬物及び銃器に関する犯罪の取締りに関すること。
六 国際捜査共助に関すること。

○大阪府警察組織規則抜粋
(科学捜査研究所)
第57条 刑事部に、科学捜査研究所を附置する。
2 科学捜査研究所は、大阪市中央区本町一丁目に置く。
3 科学捜査研究所の分掌事務は、次のとおりとする。
(1) 犯罪捜査に関連する鑑定及び検査に関すること。
(2) 法医学の研究及び実験に関すること。
(3) 犯罪の捜査に関連する化学、物理学、光学、心理学等の研究及び実験に関すること。
(4) 鑑定及び検査に必要な技術の研究に関すること。

犯罪捜査規範抜粋  (昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号)

(この規則の目的)
第一条  この規則は、警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(捜査の組織的運営)
第十五条  捜査を行うに当つては、捜査に従事する者の団結と統制を図り、他の警察諸部門および関係警察と緊密に連絡し、警察の組織的機能を最高度に発揮するように努めなければならない。

(警察本部長)
第十六条  警察本部長(警視総監または道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、捜査の合理的な運営と公正な実施を期するため、犯罪の捜査について、全般の指揮監督に当るとともに、職員の合理的配置、その指導教養の徹底、資材施設の整備等捜査態勢の確立を図り、もつてその責に任ずるものとする。

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
 警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

(注 ※この条文から、T技官は犯罪捜査規範に従うことが明らかである。)

  第九章 鑑識

(鑑識の心構え)
第百八十三条  鑑識は、予断を排除し、先入観に影響されることなく、あくまでも客観的に事実を明確にすることを目的としなければならない。
2  鑑識を行うに当たつては、前項の目的を達するため、周密を旨とし、微細な点に至るまで看過することのないように努めるとともに、鑑識の対象となつた捜査資料が、公判審理において証明力を保持し得るように処置しておかなければならない。

(鑑識基礎資料の収集)
第百八十四条  捜査資料について迅速正確な鑑識を行うことができるようにするため、あらかじめ、自動車塗膜、農薬、医薬品その他品質、形状、商標等によつて分類することのできる物件で必要なものを収集し、鑑識基礎資料として分類保存しておくように努めなければならない。

(鑑識資料送付上の注意)
第百八十五条  鑑識のため捜査資料を送付するに当たつては、変形、変質、滅失、散逸、混合等のことがないように注意するとともに、郵送の場合には、その外装、容器等につき細心の注意を払わなければならない。特に必要があるときは、直接持参する等の方法をとらなければならない。
2  重要な鑑識資料の受渡しに当たつては、相互に、資料の名称、個数、受渡年月日及び受渡人氏名を明確にしておかなければならない。

(再鑑識のための考慮)
第百八十六条  血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たつては、なるべくその全部を用いることなく一部をもつて行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。

(鑑定の嘱託)
第百八十七条  捜査のため、死体の解剖、指掌紋又は筆跡の鑑別、電子情報処理組織及び電磁的記録の解析等専門的知識を要する鑑定を科学警察研究所その他の犯罪鑑識機関又は適当な学識経験者に嘱託するに当たつては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けなければならない。

T証人の法廷証言抜粋

問  ところで,先ほどの証人の御証言の中で,Sさんの点滴ボトルにシールが巻き付けられてあったということを御証言されましたが,証人は現在,Sさんの点滴ボトルの上部に,シールが巻き付けられるように貼られていた理由を,御存じですか。
T証人   知っております。宮城の科学捜査研究所で,臭化物,臭素の予備検査をしたと聞いております。
問  では,大阪府警科学捜査研究所のだれかが,宮城県警科学捜査研究所の方に、鑑定嘱託をする試料について,臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことがありましたか。
T証人   いや,ありません。
問  では,大阪府警科捜研が宮城県警察科学捜査研究所に対し,鑑定試料をしぼってほしいという依願をしたことがありましたか。
T証人   次から次に試料を持ち込まれそうなので,しぼってほしいと言ったことはあるかも分かりません。
問  今,証人は鑑定試料についてしぼってほしいというようなことを言ったかもしれないと,そういう趣旨の御証言をされましたが,どうしてそういった依頼をしたかもしれないと言えるのですか。
T証人  平成12年の12月のころというのは,私どもの科学捜査研究所の毒物の鑑定というのは,非常に忙しかったわけです。それで,そういう忙しい時期に宮城県の科捜研から筋弛緩薬の鑑定嘱託がきました。当初,私は鑑定嘱託,鑑定試料が1点だと思っていたのが,4点も持ってこられたので,今後,試料があるならばしぼってほしいと,そのようなことを,多分,忙しかったから,言っていると思うからです。
問  では,本件各鑑定の対象となった鑑定試料のうち,Sさんの点滴ボトルの次に,宮城県警察から受け取った鑑定試料は,何でしたか。
T証人  Mちゃんから採取されたという血清です。
問  Mちゃんから採取されたという血清については,これからは便宜上Mちゃんの血清と言ってお尋ねすることにしますが,Mちゃんの血清を大阪府警科捜研が受け取ったのは,いつでしたか。
T証人  平成13年の1月の24日でした。

疑問1,臭素含有の予備試験をやってほしいという依頼はしたことが無い。と証言しているが、仙台地裁判決文47・48頁では、大阪府警から依頼したと記載されておることは明らかに矛盾している。
疑問2、当時、毒物の鑑定は非常に忙しかった、しかも1点だと思っていたのが4点も持ってこられたという状況の中でなぜ依頼もされない、しかも特定されていない毒物の分析までおこなったのか。これも矛盾している。

問  ではさらにそのGC/MSは,それが1回だけの量としてお聞きすれば いいのか,GC/MSとして複数回やったトータル量をまとめておっしゃったのか,これはいずれですか。
T証人  GC/MSとしてトータル量です。
問  複数回GC/MSの分析としてもなさっているわけですね。
T証人  いや。GC/MSは1回です。
問  1回に注入した量,とお聞きすればいいわけですか。
T証人  いや。1回は数マイクロしか注入しません。
問  残りはどうなりますか。
T証人  残りは,ですから数マイクロありますけれど,誘導出したもの残しておいてもしょうがないから,いっも分析終わったら放りますけど。薄層はもう全量使用してます。
問  今,放ります,とおっしゃったのは,余りは捨てるという意味ですか。
T証人  そうです。
問  それを取っておいて,再鑑定のために使う試料にしよう,ということは考えないわけですか。
T証人  分解等しますので,置いておいても,正確な検査ができるとは考えられませんので,そういう考えはあまりしません。
問  そこまで手を掛けてしまったものは,保存しておく意味があまりないということですね。
T証人  はい。

疑問3、T技官は、再鑑定に試料を取っておくという考えは無く捨てると言うことを証言しているが、科捜研の職員しかも「日本鑑識科学技術学会」に所属しているが、犯罪捜査規範を無視して本当に捨てていたのか、むしろ証拠を隠滅したのではないのか。

問  昨日の御証言で,他の薬毒物の分析についても,証人としては宮城のほうで当然やっておって,ベクロニウム,スキサメトニウムについての分析の依頼が来たんだと,常識的にそうだろうと思っていたところ,薬物毒物の分析は特に宮城では行なわずに,即大阪のほうに依頼されてきたんだということが分かった,という話がありましたね。このことが分かったのは12月14日,Aちゃん,K君等の試料については12月14日の段階だったということでよろしいですか。
T証人  そうですね。そのぐらいだったと思います。
問  そうしますと,12日に受け取られて,14日にそういった,宮城では他の薬毒物の分析を特にやっていないということをお知りになるまでの間は,試料,そのベクロニウム等の筋弛緩薬の分析に使った残りはどうするつもりでしたか。
T証人  ・・・それは,残れば宮城に返すこともできますし。電話して相談することになります。
問  通常証人がなさる鑑定作業の中で,依頼された嘱託事項に答えるのに必要な量を
使って分析をした後,試料の残量が出れば,これをどうするかということをその依頼元に確認するわけですか。
T証人  いや。我々通常行なっているような署との,大阪の中では警察署との鑑定嘱託の関係ですけれど,宮城の場合はよその県でもありますので,確認したということです。
問  よその県なので確認したであろう,ということですね。
T証人  はい。
問  12月14日の段階では,まだK君とあさんの鑑定試料しか証人の手元には届いていない時期だったと思うんですけれども,その後,Sさんの関係,Kさんの関係,Aさんの関係と,さらなる嘱託がなされる際には,今証人がおっしゃっていた薬毒物の分析というのを,その部分は宮城のほうでもできるだろうからやってくれないかと,こちらはベクロニウム等の分析だけをやるからと,こういう話にはならなかったんですか。
T証人  ならなかったと思います。
問  それはなぜですか。
T証人  やはりこちらのはうがいろんな装置持ってるからではないですか。こちらのほうがきっちりした分析ができると判断したと思います。
問  そうすると,これも昨日の御証言では,鑑定嘱託事項にはうたってはいないけれども,その他の薬毒物の鑑定も大阪のほうでお願いするというようなことが宮城のYさんのほうから言われた,という話がありましたが,これは今のその時系列でいいますと,その3点目の12月20日にSさんの関係のボトルを受け取るよりも前のことですか,それとも後のことですか。
T証人  前のことです。
問  それなので,その後届いたものもすべて大阪のほうで薬毒物の鑑定をなさったと。
T証人  そうです。
問  さて,で,薬毒物の鑑定も併せてやることになったというのはよく分かったんですが,一方で,その鑑定においては,そもそも,鑑定試料がすべて量が尽きるまでできる限りの他の薬毒物の分析を行なう,という方針が最初から立てられていたんでしょうか。
T証人  我々が普通いわゆる薬毒分析をするものを十分に,分析デザインという言葉昨日使いましたですけれど,それで考えたところ,全量使ったということです。
問  分析デザインについては,細かい確認で恐縮ですが,その宮城のほうで他の薬毒物の分析やってなくて,これも大阪で併せてやらなければいかんという話になった後でそのデザインは確定するわけですわね。
T証人  はい。
問  で,そのデザインを描く段階で,これは全量使うことを前提に割り付けをしてい
   ったというふうにお聞きしていいわけですか。
T証人  ええ。全量使うのに割り付けしたんじゃなしに,こういう装置でこういうことをしようとすればなくなった,ということです。ですから,まだやりたい検査というのはたくさんあるわけです。しかし,優先順位で付けていくと,今回の分析になった,ということです。
問  それは,鑑定試料ごとにデザインを個別に検討なさってるということですね。
T証人  そうです。
問  そうしますと,今の御説明だと,結果的に全量がそれで消費されることになった,という説明になるかと思うんですが,そうなる,つまり大阪のほうで引き受けた分析をやっていくと鑑定試料は残らないことになる,というそのデザインが決まった段階で,そのこと自体は宮城の科捜研,あるいはYさん,だれでもいいですけど宮城のほうの担当者のほうに伝えておりますか。
T証人  伝えております。
問  それに対して,宮城のほうの担当者はどのような意見を述べましたか。
T証人  やむを得ないでしょう,ということです。
問  そうすると,一部残してほしいというような要望は宮城のほうからなかった,ということですね。
T証人  はい。

疑問4,全量消費は、宮城県警と話し合ったということは、協同して証拠隠滅を行ったことが明らかではないか。

問  そうしますと,これも理屈の話かもしれませんが,最終的にいろんな分析をしていくと鑑定試料が残らなくなるということは,まず証人,あるいはNさんのそのデザインを設計する段階で決まり,で,宮城のほうにも確認をして了承を得たということで最終的に決まった,とお聞きしていいですか。
T証人  はい。
問  大阪府警の科捜研の証人の上司等の了解というのは特に求めないで進んだわけですね。
T証人   そうです。
問  ちなみに,その宮城の担当者に確認をなさった際に,元々の鑑定試料を宮城県警に任意に提出なさった提出者の方が,その試料の処分についてどのような意見を述べておられたか,こういった情報は併せてお聞きになってますか。
T証人  いや。聞いていないです。
問  証人のほうから確認もなさってないですか。
T証人  していません。
問  そうすると,宮城の依頼元のほうは,12月14日ころには大阪のほうにお願いする,少なくともAちゃん,K君の試料については,残りが出ないことを知り得た,ということになりますね。
T証人  宮城の。
問  宮城の担当者の方は。
T証人  はい。そうです。
問  で,その後のSさん,Kさん,Aさんの試料についても,それぞれもう受け取る段階で,残りは出ないということをその都度宮城のほうには伝えたんでしょうか。
T証人  いや。それは覚えてないです。
問  ただ,当初に受け取ったものがそうであったので,その後も当然,残りは出ないという前提で,宮城のほうからそのことについての疑問の問い合わせ等はなかった,ということでいいですか。
T証人  はい。
問  証人が通常なさる,大阪府警からの嘱託に基づく鑑定においてなさるその消費の仕方と,今回の他府県である宮城県からの依頼とでの違いは,薬毒物の分析について行なうことが決まる前は,残れば残ったものをどうしますかと聞くつもりだった,というお話でしたが,大阪府警の中ではそういうことは特になさらないんですか。
T証人  しないですね。残れば黙って返しますし。相談なんかしないです。
問  そうすると,宮城の場合に相談するというのは,黙って返すんではないというのは,何か特別な意味はありますか。
T証人  いや。相談するというんでなしに,毒物分析をこちらでやると,それで全量消費になるということを,相談でなしに,そういうような電話でのやり取りですので。
問  結果的になされたやり取りはそうだったということですかね。
T証人  はい。ただ,宮城の捜査本部からじゃなしに科捜研について来ておりますので,科捜研のほうにそのように話をしたということです。

疑問5、大阪府警の毒物分析で残ったものは黙って返すと言っていながら、宮城県警は毒物分析をやると全量消費になるということも矛盾している。

問  直接話なさったのは科捜研の担当者ですね。
T証人  我々のところはもう,そういう真ん中に何も入らないで直,警察署とか捜査本部とかそういうところから来ますので。
問  証人のもとに届く様々な試料の中には,再度入手することが比較的容易な,いわゆる対照用の試料というものもあるかと恩うんですが,そういったものと,それから再度入手することが恐らく不可能,困難な,現場で採られた試料とで,その一部を残すべきかどうかということの判断が違うかどうか,この点はいかがでしょうか。
T証人  どういうことですか。
問  再度入手することが容易な試料であれば,ある人の血液とかですね,またもらいに行けばいい,というようなことであれば,それは全量消費してもまた手に入るかと思う.んですけども,そういった入手が可能な,容易な試料と,現場で1回限り採取された現場試料とで,試料の一部を残すべきか,それともそういうことを考えずに全部使っていいかという判断に違いはありますか。
T証人  あまりないんですけれど。再度入手できても,そのときに採った血液というのは,もうその血液だけですから。2回目のときは状態も変わってますし,それは同じ試料とは言えないと思います。
問  化学的にはね。そうすると,昨日から何度かお聞きしているんですが,証人は再鑑定の可能性への配慮は特にはなさらなかった,ということでいいんですね。
T証人  そうです。
問  犯罪捜査規範の186条というのを御存じですか。
T証人   聞いたことあります。

疑問6,「聞いたことがあります。」ではなく知っているということではないでしょうか。T技官が大阪府警に採用されたのは、分析等の科学者であることから採用されたもので、当然科学捜査研究所に勤務するようになれば、最初の教育で犯罪捜査規範を教育されることは基本的なことであることから、聞いたことがあるとは、しらじらしい証言としか言いようがないのではないか。
   現在の経歴(日本鑑識科学技術学会・日本法中毒学会・日本医用マススペクトル学会・日本薬学会環境・衛生部会等)

問  そこには,なるべくその全部を用いることなく,一部をもって行ない,残部は保存しておくなど,再鑑識のための考慮を払わなければならない,というふうにうたってあるわけなんですが,このルールとその証人の鑑定におけるスタンスとは。
検察官
   裁判長,犯罪捜査機関の効力が証人に及ぶのかどうか,その点についてまず論証しなければ,今の質問は不適当と考えます。少なくとも犯罪捜査機関の主体は警察官となっております。
裁判長
  御意見があれば。
主任弁護人
問  質問変えます。そのようなルールがあることは御存じですね。
T証人  はい。

疑問7,ここで検察官は、T証人を弁護する発言を行ったのではないでしょうか。
    検察官は、犯罪捜査規範第21条第2項を知っていて上記の発言を行ったなら、鑑定試料の全量消費を弁護しようとしか言いようがありません。

 ※ 犯罪捜査規範
   第21条 警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
   第2項 警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

問  それにもかかわらず,再鑑識のための可能性は証人の立場ではまった配慮なさらなかった,ということでよろしいんですね。
T証人  はい。やはり分析に必要だったからやっただけ,分析して,それがやはりそれだけの量がいるのでしただけで,十分な量があれば,これは返却はするべきだと思いますし。ただ十分な量がなかったということですね。例えば,Mちゃんの血清中の濃度は6.何ナノグラムだと思ったんですけれど,それでスキャンでの検出限界というのが,昨日選択反応の検出限界言いましたですけれど,大体3本ぐらい確認できるのが5ナノグラム。そのぐらいが検出限界だと我々は考えております。そうすると,その血液を半分に割って鑑定すれば,ベクロニウムは検出されないということになります。ですから,保存してあったものからも検出されない,というのは,今我々が持っているそういうLC/MS/MSというのが最も感度の良い同定法であると,それで検出されないということは,どの装置を使っても検出されないということです。ですから,たまたまこういうも甲は結果論ですけれど,1ミリリッター使ったから出てきたのであって,それが半分であれば出てこないということであります。するとMちゃんのベクロニウムは永遠に証明されないことになります。たまたま結果論ですが,そういうことになっていくわけです。ですから,やはり全量使って,生体性は全部使ってするということは非常に,私は重要なことだと思います。
問  今証人は結果論というふうにおっしゃったんですけれども,試料の一部を使って分析をした段階で目的が達せられれば,少なくともベクロニウム等の筋弛緩薬の含有の有無という鑑定嘱託事項に答える目的は達するわけですよね。
T証人  はい。
問  で,その余りを残しておいて再鑑定に提供するか,それとも証人が先ほど来おっしゃっている,他の薬毒物の鑑定を行なうか,どちらがより目的として重要か,ということになるかと恩うんですが,証人は後者を優先するというお考えなわけですね。
T証人  そうです。
問  他の薬毒物が混在していたのではないかということが後で争われると,またそれもやっかいなことになるので,やはり考えられるものを尽くして調べるんだという趣旨のご証言,昨日ありましたよね。
T証人   はい。
問  しかし,再鑑定等で後に分析できるような試料を残しておいても,その目的は達せられるんではないですか。
T証人  例えば,弁護人さんが鑑定するときに,自分の鑑定に出てこなかったものが何箇月かたってはかの人から鑑定で出てきた場合,やはりあんまり鑑定人としてやはり,大きな事件であればあるほど,社会的な風当たりとか,ミスであるとか,そういうことで突き上げられると思うんですよ。
問  今おっしゃった点は,鑑定嘱託事項に書いてあることを行なわなかったりすれば当たる批判かな,とは思うんですが,そうではなくて,鑑定嘱託事項は最低限きちっとした鑑定を行なっておれば,そういった批判自体がそれは不当なのではないですか。
T証人  いや。そういうことではないと思います。やはり科学者として,やっぱりほかのところにどうして目が行かなかったんだ,ということは必ず批判されると思います。それで,例えばベクロニウムだけやっていて,分析していても,昨日も証言しましたですけれど,なぜそうするとベクロニウム以外はしなかったんだという,こういう場で必ずそういう争いが毎回あるんです。必ず,優秀な弁護人であれば弁護人であるほど,ベクロニウム以外にはなかったのか,というような争いになってくると思います。ですから,他の薬毒物分析というのは必ず必要なんです。
問  ちょっと言葉を変えてその趣旨をお聞きしますと,そうすると,証人の鑑定の信びょう性なり,あるいは証人の鑑定人としての社会的な評価なりのためにこの薬毒物を鑑定したということですか。
T証人  そういう意味ではないです。そういう意味ではないですけど,そういうことあるということを言っていたんです。

疑問8,T証人は、全量消費の理由を「ベクロニウム以外にはなかったのか,というような争いになってくると思います。ですから,他の薬毒物分析というのは必ず必要なんです。」と証言しているが、宮城県警で依頼した鑑定の目的を無視し、T技官の個人的理由を使って全量消費を説明しているが、この様な証言を大阪府警、宮城県警が黙認したとすれば、大阪府警、宮城県警が組織的に証拠隠滅を黙認したと言うことではないでしょうか。

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2008年4月29日 (火)

判決は、真実を歪曲して日本の裁判史に汚点を残した。

 最高裁が不当な決定を行って守大助さんを有罪にしたことは、、無実の人間を有罪とした犯罪だと思いました。しかし、犯罪に「完全犯罪は無い」という思いから、仙台地裁の判決文を改めて読み返しました。

 これまでも判決文の矛盾点や疑問点を掲載してきましたが、判決文の冒頭から明らかに間違った判決だと驚きました。

 まず皆様に明らかにしておくことは、この事件は全く事件ではなく筋弛緩剤を投与した事実もなければ、殺人、殺人未遂も無かったということが真実だということです。このことは、再審のなかで詳細が明らかにされると思います。しかし、警察、検察により作られた事件を、裁判官は真実の探求を誤り有罪にしたということです。

 現在の人類が到達した科学を全く無視した判決文であることは、いずれ多くの科学者が明らかにしてくれるものと確信するものです。

 同時に真実は一つであり、非科学的な判決で、無実の人間を有罪にした過ちが、歴史に永遠に残ることも指摘しておきます。

(判決文1頁から2頁)
             主            文
     被告人を無期懲役に処する。
               理         由
(罪となるべき事実)
第1 被告人は,平成12年2月2日午後5時20分過ぎころ,仙台市泉区高森四丁目2番地の536所在の医療法人社団陵泉会北陵クリニック内において,点滴中のM(当時1歳)に対し,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,呼吸抑制を引き起こす筋弛緩剤マスキュラックスを混入した溶液を,三方活栓から同人の左足に刺したサーフロー針を介して体内に注入し,間もなく同人を呼吸困難ないし呼吸停止の状態に陥らせたが,同クリニック医師,救急救命士及び転送先病院の医師らが救命措置を行ったため,殺害するに至らなかった。

第2 被告人は,同年10月31日午後6時30分ころから同日午後7時ころまでの間,前記北陵クリニック内において,A子(当時11歳)に対し,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,同人に注入する点滴溶液に,呼吸抑制を引き起こす筋弛緩剤マスキュラックスを混入した上,同人の左手に刺したサーフロー針から同溶液を体内に注入し,間もなく同人を呼吸困難ないし呼吸停止の状態に陥らせたが,同クリニック医師,救急救命士及び転送先病院の医師らが救命措置を行ったため,同人に全治不明の低酸素性脳症の傷害を負わせたものの,殺害するに至らなかった。

第3 被告人は,同年11月13日午後9時ころから同日午後9時40分ころまでの間,前記北陵クリニック内において,K(当時4歳)に対し,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,呼吸抑制を引き起こす筋弛緩剤マスキュラックスをあらかじめ混入した点滴溶液を,その情を知らない同クリニック看護婦Sをして,上記Kの左手に刺したサーフロ―針から体内に注入させ,間もなく同人を呼吸困難ないし呼吸停止の状態に陥らせたが,同クリニック医師らが救命措置を行ったため,殺害するに至らなかった。

第4 被告人は,同年11月24日午前9時15分ころから同日午前10時ころまでの間,前記北陸クリニック内において,S子(当時89歳)に対し,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,呼吸抑制を引き起こす筋弛緩剤マスキュラックスをあらかじめ混入した点滴溶液を,同人の右足に刺したサーフロー針から体内に注入し,よって,同日午前10時30分ころ,同所において,同人を呼吸不全に陥らせ,窒息させて殺害した。

第5 被告人は,同日午後4時10分ころから同日午後4時50分ころまでの間,前記北陵クリニック内において,A(当時45歳)に対し,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,呼吸抑制を引き起こす筋弛緩剤マスキュラックスをあらかじめ混入した点滴溶液を,その情を知らない同クリニック看護婦Sをして,上記Aの左腕に刺した翼状針から体内に注入させ,間もなく同人を呼吸困難の状態に陥らせたが,同人が同クリニック看護婦らに助けを求め,同看護婦らが救命措置を行ったため,殺害するに至らなかった。

 判決文では、いずれもマスキュラックスを混入あるいは点滴溶液に混入したとして罪となる理由を冒頭述べていますが、全く見当違いというよりマスキュラックスを知らないで、H元東北大医学部教授の証言を鵜呑みにして罪にしたのです。
 マスキュラックスは、判決文に有るような点滴液に混入した場合、薬効が出ないということは、日本オルガノン株式会社のマスキュラックスについての説明資料から明かであると思います。

1、マスキュラックスは、2~4mg/mLの溶解液を直接一気に静脈に注射して使用するものです。従って0.02~0.04mg/mLと濃度が100分の1になったものを点滴の速度で静脈に入れても効果が出ません。これは、私の薬理についての私見です。(オルガノン社では、濃度を薄め点滴で投与する等ということは考えてもいないので、実験等は行っていないと考えます。)


2、効果発現時間及び持続時間は、初回量0.08mg/kgでの発現時間は2~3分、 持続時間(単収縮が対照の25%まで回復する時間)は約30分前後であるとしていることから点滴液で濃度が薄められた場合、効果が発現しないばかりか代謝して行くことから持続も不可能です。

この様に明らかに事実を歪曲した判決であると思います。

マスキュラックスの販売もとである日本オルガノン株式会社の資料より抜萃

(用法及び用量)
 通常、成人には初回量臭化ベクロニウムとして0.08~0.1mg/kgを静脈内投与し、術中必要に応じて0.02~0.04mg/kgを追加投与する。
 なお、年齢、症状により適宜増減する。

注射液の調整法
1. マスキュラックス靜注用4mg(4mg/管)
  静脈内投与に際しては、1管を添付溶解液(日局注射用蒸留水1mL/管)に用時溶解して用いる。(溶解後の臭化ベクロニウム含有量:4mg/mL
2. マスキュラックス靜注用10mg(10mg/バイアル)
    静脈内投与に際しては、1バイアルを日局注射用蒸留水5mLに用時溶解して用る。(溶解後の臭化ベクロニウム含有量:2mg/mL

(薬理動態)
1.血中濃度
 手術患者4例に臭化ベクロニウム0.08mg/kg、3例にパンクロニウム臭化物0.08mg/kgを各々静脈内に一回投与し両剤を比較したところ、分布半減期(t1/2α)は各々1.2分、2.4分と差はみられなかったが、排泄半減期(t1/2β)は各々11分、76分と臭化ベクロニウムが有意に短く、パンクロニウム臭化物に比して短時間で代謝又は排泄されて血中から消失することが示された。
2.代謝、排泄
 手術患者5例に臭化ベクロニウム0.15mg/kgを静脈内投与した場合、投与後24時間までの尿中排泄率は投与量の約30%であり、その約10%は3α―脱アセチル体であった。
 また、手術患者6例に同量を静脈内投与した場合、投与後24時間までに肝胆系を介して主に未変化体(排泄量の約5%が3α一脱アセチル体)として排泄され、投与量の約40~50%が胆汁中へ排泄された。(参考:外国人―オルガノン社研究所)

(参考:動物)
 ラットの全身オートラジオグラフィーの実験から、静脈内投与後、主として肝臓、腎臓、気管等に分布し、中枢神経系、脂肪 組織にはほとんど移行しないことが認められている。

(臨床成績)
 本剤の臨床試験は、麻酔時の筋弛緩並びに気管内挿管時の筋弛緩を目的として、国内21施設で各科領域手術患者1192例を対象に実施された。その結果、各種麻酔条件下での種々の手術患者において、いずれも満足すべき筋弛緩効果と高い安全性が認められた。臨床試験の概略は以下のとおりである。
1. 初回投与量
 本薬の初回投与量は0.08~0.1mg/kgが大部分であった。
2. 効果発現時間及び持続時間
 麻酔法、投与量等により異なるが、初回量0.08mg/kgでの発現時間は2~3分、持続時間(単収縮が対照の25%まで回復する時間)は約30分前後であった。
3. 追加投与量忍び持続時間
 0.02 ~0.04mg/kgが大部分であり、その持続時間は約20分前後であった。
4. 回復時間
 拮抗剤投与後の回復時間(単収縮が対照の25%から75%まで回復する時間)は約5分であった。
5. 蓄積性
 本剤の反復投与による蓄積作用はほとんと認められなかった。

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2008年3月14日 (金)

太陽は条件が変われば西から昇る

去る2月25日最高裁は、守大助さんの上告を棄却し無期懲役を決定しました。

私は、弁護団が上告趣意書で大阪府警の鑑定書がベクロニュウムを検出していないことを明確に指摘しているにもかかわらず無視していることに対し,いきどうりでいっぱいです。

仙台高裁の判決文6頁から

 しかしながら,土橋吏員の証言(第23回)によれば,LC/MS/MSにおいては,分析の過程で電圧,カラムなどの分析条件や使用器具に関し同じ条件で分析すれば,検出されるイオンの種類,発現時間は同一になるが,条件が変われば結果も変わるというのであるから,分析条件に関わらず分子量関連イオンが必ず検出されるといえない。
 土橋吏員らの分析方法は所論指摘の日本法中毒学会の雑誌「法中毒」1999年5月号に,「パンクロニウムとベクロニウムの分析方法」(=西川・土橋論文)(当審弁51)として掲載,発表されているのであり,本件各鑑定もこの手法によるものであるが,影浦鑑定意見書が指摘するまで,これが誤りであるとの指摘がなされてきたことがうかがわれず,その再現性,有効性が承認されてきたことがうかがわれる。
 そして,土橋吏員らは,薬毒物の鑑定は年間150件くらい行い,これまで筋弛緩剤の鑑定は15件,資料の点数にして50点くらいの経験があり,うち生体資料の鑑定は10件くらいで,筋弛緩剤が検出された例は3件くらいあるというのであり,その薬毒物分析の実務経験を通し,LC/MS/MSの特性を踏まえた最良の分析条件と思われる条件を把握しており,これを生かしながら,分析装置及び分析条件を同一にして,鑑定資料を分析する郁度標品のベクロニウムについても分析をする必要性を強調した上,同一条件下で,標品のベクロニウムで検出されたイオンの種類,発現時間と試料のそれとを対照して同一性の判定をしているのであり,べクロニウムからm/z258のイオンが出現していることを疑う理由はない。              
 なお,土橋吏員の証言(第24回,第25回)によれば,本件各鑑定において,各鑑定資料からベクロニウムの未変化体が分離・検出されていることが認められるから,m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したベクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである。
 これに対し,影浦鑑定意見書は,前記のとおりの意見を提出しているのであるが,影浦教授がこれまでどの程度ベクロニウムの分析経験を有するのか不明であるばかりでなく,添付資料から見て,その試験条件について,その装置が西川・土橋論文ないし本件各鑑定書と同様の装置を用いたか不明であり,分析条件が異なることは明らかである。影浦教授が,構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのを納得し得る科学的根拠が見いだせないからといって,西川・土橋論文が分析条件を呈示し,ベクロニウムであることが疑いようがないベクロニウム標本からm/z258のプリカーサイオンを得ているのに,同様の装置及び分析条件を用いてその再現性を確認しないで,自己の分析試験から西川・土橋論文の手法,結果を非難するのは一面的であり,本件各鑑定の信用性を損なうものとはいえない。

この様に、土橋証言を鵜呑みにして分析条件が違えば違う指数値が出るなどと科学を全く理解しない判決をしているのです。

私は、この裁判官の判決文は、「太陽は東から昇るが、条件が変われば西からも昇る」というような判決。

これを最高裁が何のためらいもなく、踏襲したことと思い震えが止まりませんでした。全く科学を無視した非科学的な知識を持った裁判官が人間を裁いている現実に、呆然とするとともに怒りと、絶対に許すことが出来ないと思いました。

 

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2008年2月28日 (木)

筋弛緩剤(マスキュラックス)の分子量(1)

筋弛緩剤マスキュラックス(臭化ベクロニウム)の分子量は

分子式  (炭素)34 (水素)57 Br(臭素) (窒素)2 (酸素)4

原子量  12.0107   1.00794   Br79.904  14.0067 15.9994

分子量  C34+ H57+ Br+ N2+O4

      408.3638 +  57.45258 +  79.904 +  28.0134  +   63.9976 = 637.73138

臭化ベクロニウムの分子量は637.73138です。  原子量は、原子量表(1999)を使用しました。

ベクロニウムの分子量は、557.82738 になります。

※参考  2007年8月改訂(第11版)  日本標準商品分類番号 871229    日本オルガノン株式会社の「有効成分に関する理化学的知見」の分子量は637.73です。

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2008年2月27日 (水)

最高裁は、重大な事実を検証していない。

 最高裁判所は、重大な事実誤認を発見する努力を行わなかったことをみずから認めた決定であることがあきらかになったと思いました。

最高裁判所の決定は、次の通りでした。

主文

本件上告を棄却する。当審における未決勾留日数中400日を本刑に算入する。

理由

 弁護人○○○○ほかの上告趣意は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。なお、所論は○○○らの行った鑑定には多々疑問があると主張するが、所論にかんがみ記録を精査しても、被告人が筋弛緩剤マスキュラックスを点滴ルートで投与することにより本件各犯行を行ったとした原判断につき、判決に影響を及ぼすべき法令違反又は重大な事実誤認を発見することはできず、同法411条を適用すべきものとは認められない。よって、同法414条、386条1項3号、刑法21条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

 私は、本日この決定を読んで、これで無実の人間を無期懲役に出来るとは恐ろしく思いました。

 今後、一つ一つ真実で、この理由をくつがえしてゆきたいと思いますが、とりあえず次の点について私見を記載します。 

・・・・・所論にかんがみ記録を精査しても、被告人が筋弛緩剤マスキュラックスを点滴ルートで投与することにより本件各犯行を行ったとした原判断につき、判決に影響を及ぼすべき法令違反又は重大な事実誤認を発見することはできず・・・

 マスキュラックスを点滴で投与して急変や殺人を行えることが可能であるかということです。

 マスキュラックスは現在医療現場では、効果的かつ医療目的に合った薬として使用されておりますが、どの様に患者に投与しているか検証していないのではないか、また点滴で患者に投与した場合(医療現場でこんな投与を行った事例は無いはずです。)、果たして人を殺すことが可能なのか、検証していないことが明らかになったと思われます。したがって記録を精査しただけでは重大な事実誤認を発見できなかったことは、当然なことだといわざるをえないと思います。

最高裁は、記録を精査することではなく、真実(この事件の場合は、医学と科学)を探求することが重要な課題ということを怠ったと言わざるをえません。

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2008年2月 6日 (水)

裁判員制度が来年始まるが?

 私は、この事件の「論告要旨」、「判決文」をスキャナで読み取りデータ化してきましたが、いずれもA4版で400ページをを超えるものです。これを読み理解するために、数十時間を要しましたが、それでも見落としたことが多々有りました。裁判員制度では、市民の裁判員が検察官の求刑を求める検察官の論告を、数日で判断を求められます。裁判員には、過酷な判断をせざるを得ないと思います。この北陵クリニック事件では、膨大な報道で被告人が犯罪者だと思わせる報道がなされました。この様なことが、裁判員の心証に影響したなら冷静な意志の表明は出来るか不安でありません。裁判員制度は、何を求めているか、私には理解が出来なくなっているのが現況です。

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2008年1月23日 (水)

検察官の論告の矛盾は冒頭から。

論告要旨(3頁から5頁)

   1 I医師及びH教授が北陵クリニックにおける容体急変患者の発生に不審を抱いた経過等及びその後の対応
   当時北陸クリニックの副院長兼小児科医師であったI医師は,平成12年10月31日,北陵クリニックで自ら処方した薬剤をA子に点滴投与中,同児が容体を急変させて呼吸停止状態に陥ったため,同クリニックでの対処が困難であると判断し,同児を仙台市立病院に救急転送させるに至った。
 I医師は,同児が容体を急変させた原因を検討したが,医学的に原因を解明できなかった。そこで,I医師は,同年11月7日,救急転送先の仙台市立病院の小児科Yに電話し,A子の症状及び想定し得る容体急変原因を尋ねたところ,同医師から,同児の症状について,重篤で意識が戻らない状態で,意識が戻ったとしても重大な後遺症が残る旨を伝えられるとともに同児の容体急変原因は,仙台市立病院における諸検査等によっても,その原因疾患が発見されず,容体を急変させ呼吸停止状態に陥った原因を解明できない旨の説明を受けた。そのため,I医師は,同児が北陵クリニックで診療を受けている間に何らかの毒物を投与された可能性があるとの不安を抱き,さらに北陵クリニックでは同児が容体急変する以前にも多くの患者が同様の容体急変を起こしており,特に平成12年1月以降,容体急変患者が増加していることに気付き,それらの患者にも何らかの毒物が投与されたとの疑念を抱いた。
 そこで,I医師は,同日,北陵クリニックで保管中の診療録のうち,診療中に死亡した患者10名及びその時点で把握していた死亡には至らなかったものの容体を急変させた患者4名の各診療録を自宅に持ち帰り,以後,それら患者が死亡,あるいは容体を急変させた状況やその際に当該患者の看護に関与した職員などを検討し,その結果を書面に記載するようになった。
  I医師は,その検討過程で,北陵クリニックで診療中に死亡,あるいは容体を急変させた患者は,1名の死亡患者を除き,いずれも,点滴投与中又は点滴投与直後,あるいは点滴投与のための血管確保中のいずれかで容体を急変させ,それらの患者の容体急変と点滴処置との間に関係があるとうかがえる状況である上,それらの患者の容体急変原因は医学的に説明困難で,大半の患者の容体急変時の症状に突然の呼吸停止あるいは顔面チアノーゼの発現という共通点があり,A子の容体急変以前に死亡,あるいは容体急変した患者の看護に被告人だけが共通して関与していたことが判明し,しかも,A子の容体急変も点滴投与中で,その処置を行ったのは,当日の当直勤務であった被告人であることから,A子,あるいはそれ以前に北陵クリニックで診療中に容体を急変させた患者に関し,その容体急変の原因は被告人が患者に毒物を投与したことによるものとの疑念を抱き,夫で,当時北陵クリニックの非常勤医師でもあった東北大学未来科学技術共同研究センターH教授に,被告人が患者に何らかの毒物を授与した疑いがある旨打ち明け,その対応等を警察に相談する提案をした。                                        ところが,H教授は,当時被告人を看護職員として信頼していたことに加え,被告人が患者に何らかの毒物を投与した明白な証拠がないことから,警察への相談は時期尚早と考え,反対したが,他方,I医師の疑念を放置することもできず,法医学の専門家に相談することにし,同月9日,東京に赴いた際前東北大学医学部法医学教室教授でかねて知り合いのK医師が院長であった東京都監察医務院を訪れ,同医師に,I医師が作成した書面を見せ,I医師の疑念を説明し,善後策を相談したところ,同医師から,患者の容体急変が人為的なものである証拠がないとの指摘を受けた上,今後容体急変患者が発生した場合,その患者の血液等の生体資料及びその患者に投与された点滴溶液のボトルを保管し,被告人の行動に十分注意するよう助言を得た。
 そこで,半田教授は,I医師にそれを伝え,被告人が患者に何らかの毒物を投与した明白な証拠がない時点で警察に相談に行くことは時期尚早である旨告げて,すぐにでも警察に相談することを希望していた同医師を翻意させた。
  その後も,I医師は,容体急変患者の診療象を精査し,その原因等の再調査結果をまとめた書面を改訂し,それら患者の容体急変原因を医学的に説明できるか検討した。しかし,I医師は,その原因解明が難しいまま,被告人への疑念も打ち消せず,被告人をこのまま北陵クリニックで稼働させれば,今後も患者の容体急変が発生するとの不安を募らせていたところ,同月13日,同日FES(Functional Electrical Stimulation,機能的電気刺激)手術を受け,その術後の経過も良好であったKちゃんが点滴投与中に容体を急変させ呼吸停止に陥った。
  そこで,I医師及びH教授は,K医師の助言に従い,容体を急変した際にKちゃんに投与されていた薬剤在中の点滴ボトル及びその救命措置中に採取した同児の血清を保管した。そして,I医師は,Kちゃんが点液中に容体を急変させ,A子同様に呼吸停止の状態に陥ったことから,被告人に対する疑念を一層深め,翌14日,仙台市立病院のY医師に連絡し,A子の容体急変について面会して相談したい旨を申し出たところ,そのころ仙台市立病院でも,Y医師らが北陵クリニックからの転送患者の容体急変原因に不審を抱き,北陵クリニックの医師から事情説明を受けようと考えていたことから,同月30日,I医師が仙台市立病院に行きY医師と面談することになった。

この論告を整理すると
平成12年10月31日  A子ちゃん急変した。
平成12年11月  7日   市立病院へA子ちゃん急変の原因について                                          電話照会した。
平成12年11月  7日  I医師急変患者死亡した患者の診療録を書面                                                        に記載したした。
                  容体急変した患者に被告人だけが共通して関                                 与していたことが判明し,・・・その容体急変の                            原因は被告人が患者に毒物を投与                                                           したことによりものと疑念を抱き
     日時不明           夫の半田教授に被告人が何らかの毒物を投与                                             した疑いがある旨打ち明けた。
平成12年11月 9日 半田教授が、東京都監察医務院の勾坂医師                                                に相談した。
                  今後容体急変患者が発生した場合,その患者                               の血液等の生体資料及びその患者に投与さ                                 れた点滴溶液のボトルを保管し,被告人                                  の行動に十分注意するよう助言を得た。
     日時不明             I医師被告人への疑念も打ち消せず,今後も                                                 患者の容体急変が発生するとの不安を募ら                                            せていたところ
平成12年11月13日 Kくん容体急変。
平成12年11月14日 市立病院へY医師にA子ちゃんのことで面会                                   を申し入れた。
平成12年11月30日 市立病院でY医師とI医師面会。

この間に起こったとされる検察の述べる事件

平成12年11月13日 Kちゃん被告人が混入した点滴溶液を看護婦の                               Sさんをして左手に刺したサーフロー針から体                                   内へ注入させ呼吸困難の状態に陥らせた。
平成12年11月24日 Sさん被告人により筋弛緩剤の混入した点滴                                      溶液を右足に刺したサーフロー針から体内に                          注入し、急変死亡させた。                                         
平成12年11月24日 Aさんに被告人が混入した点滴溶液を看護婦                             のMさんをして左腕に刺した  翼状針から体内へ                          注入させ呼吸困難の状態に陥らせた。

論告要旨(96頁)
  その後,Kちゃんは,同日(13日)午後1時10分ころ,電極埋込手術を受けるため,手術室に入室し,同日午後1時15分ころから同日午後4時5分ころまでの間,執刀医H教授,助手S医師及びO医師,麻酔医S医師,直接介助被告人 ,間接介助S主任,S看護婦というスタッフによってKちゃんに対する電極埋込手術が行われた。・・・・
 
(1) 11月7日に被告人が毒物を投与したという重大なことを疑念にもったなら、なぜ    その後13日にKちゃんの手術の直接介助をさせたり点滴を行わせたのか。しかもその後も通常通り勤務に従事させていたのはなぜなのか。
(2) 更に、13日Kくんの容体急変があったにも関わらず、毒物を投与した疑いをもちながら、11月24日被告人に点滴溶液を準備させていたことは明らかに矛盾するのではないのか。                                                 

追加 これは、守 大助さんから来た手紙で連絡があったもので、看護記録に記載してあることから、追加するものです。

11月14日 午前6時49分 I医師来院、午前7時I医師Kくんを診察後、守 大助さんに点滴を指示する。(看護記録あり)                                         11月15日から16日まで、守 大助さん当直勤務、夜間に注射、点滴をさせている。16日の点滴、注射指示を守 大助さんに出している。(医師指示・看護記録あり)                                  

  この様に、11月7日に毒物を投与したと疑い始めた被告人を、手術の直接介助をさせたり、13日急変したKくんに対し、14日に点滴をさせたり、15日から16日まで当直勤務をさせ注射・点滴を指示することは、あり得ないのではないか。                   しかも、12月4日に退職させられるまで、通常の勤務をしていたし、夜間の当直勤務もしていたのです。

 検察官は、毒物を投与したと疑った被告人を、通常の勤務に従事させていた医療現場の矛盾を、全く理解していなかったことを露呈していると言わざるを得ません。

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2007年10月15日 (月)

鑑定資料の全量消費の矛盾(3)

   鑑定資料の分析に要する時間については、分析に要する作業、分析作業の準備から分析・分析後の機器・機材の洗浄等一連の作業があるため、更に今回のように、他の毒物等の検出のための分析を考慮すると、1回に要する時間を特定することは不可能だということが分かりました。
 従って、大阪府警T技官の証言では1ミリリットルの資料から、50回の定性分析に必要な注入量がとれるとしていることから、鑑定資料の量がどの程度の分析が可能か計算してみると、約5200回の分析を行ったことになります。

平成12年12月12日大阪府警に搬入
    Kくんの鑑定資料   
        血清   約2ミリリットル             100回
        点滴溶液  約50ミリリットル       2500回
    A子ちゃんの鑑定資料
                血清      約6ミリリットル              300回
                尿        約8ミリリットル               400回
平成12年12月20日大阪府警に搬入
    Sさんの鑑定資料
         点滴溶液  約30ミリリットル    1200回
上記の鑑定報告書 (平成13年1月19日)

平成13年1月24日
   Mちゃんの鑑定資料大阪府警に搬入
                 血清  約1ミリリットル              50回
上記の鑑定報告書 (平成13年2月23日)

平成13年2月12日大阪府警に搬入
   Aさんの鑑定資料
                 点滴溶液    約7ミリリットル        350回
                 点滴溶液    約3ミリリット          150回
                 点滴溶液    約3ミリリットル        150回
上記の鑑定報告書 (平成13年3月23日)
                                                   合計  5200回

平成12年12月13日から平成13年3月22日までの間、年末年始土日を差し引くと69日が就労日数として、
      5200回÷69日=75.36回(1日の分析回数)

つまり、大阪府警科捜研の技官は、約70日間大阪府警科捜研の仕事を行わずに、1日約75回以上の分析を行えば、鑑定資料を全量消費したことになります。

しかし、鑑定資料の全量の矛盾(1)で記載しましたが、

判決文47・48頁の「・・・・ところで、大阪府警科捜研は、当時多忙であったところを、・・・」が事実とすれば、5200回にも及ぶ分析がなされていなかったことが明白ではないかと思います。

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2007年8月21日 (火)

鑑定資料の全量消費の矛盾(2)

大阪府警科捜研で、鑑定資料を全部分析に使用したと言っておりますが、分析にようする時間は、かなり長時間の分析を行ったことになります。

現在、1回分析に要する時間を検証しておりますが、どうしても検体を受領してから鑑定書を提出するまでの時間では、全量を分析したということは、あり得ない時間になります。このことを、明らかにするため、現在検証中です。

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2007年5月12日 (土)

ここまで掲載していて思うこと。

限られた自分の時間を使って、これまでブログの内容を掲載してきましたが、私の手元にある論告要旨、判決文には、まだまだ疑問点などの部分に付箋が付けてあります。私は、裁判とは人間を裁くのだから一点の過ちも有ってはならないと思っております。被告人の人生を法によって変えることから、当然だと思います。                         私は、事件当時、新聞やテレビの報道から、守大助さんは恐ろしことをした犯人だと思っておりましたが、論告要旨、判決文を読んで、こんなことで犯人にされたかと思うと、当時の報道が何を根拠に行われたのか疑問を感じます。                                      無実の人は、無罪であることは当然なことですので、ささやかな力ですが、これからも、この裁判における矛盾点や疑問点等を皆様に知って頂きたいと努力しようと思います。

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2007年5月 6日 (日)

鑑定資料の全量消費の矛盾(1)

判決文74頁                                            (3)鑑定資料が全量消費されたことについて                           弁護人は、本件各鑑定により各鑑定資料がいずれも全量消費されたことをとらえ、そもそも、真実、前記(1)イ(エ)のような鑑定嘱託書で嘱託されていない他の薬毒物の検査が実施されたか自体疑わしいし、仮に実際に他の薬毒物の検査が行われた事実があったとしても、それは、再鑑定による追試を妨げる目的で、殊更に鑑定資料を全量消費したものであるから、いずれにしても、各鑑定書の証拠能力及び信用性は否定されるべきであると主張する。                                               しかし、T吏員の証言によれば、本件各鑑定のような事件性を有する事例においては、単に目的成分が検出されたというだけでは、被害結果が他の薬毒物により引き起こされた可能性も否定できず、後々他の薬毒物が検出されて因果関係が問題とされた事例も多々あるため、薬毒物による事件の鑑定において、薬毒物の含有の有無全般の分析を行わないことは致命的な欠点になり得るとの認識を有し、日ごろから大阪府警察から鑑定嘱託に基づく鑑定においては、目的成分を限定しない「薬毒物含有の有無」との嘱託事項で鑑定を行っており、大阪府警科捜研の他の技術吏員にもそのような指導をしていたところ、本件各鑑定の嘱託書では鑑定事項が限定されていたため、宮城県警科捜研のY吏員に問い合わせた結果、他の薬毒物の鑑定が未了であることが判明したため、鑑定事項を「薬毒物含有の有無」とすることを提案したが、その後Y吏員から、宮城県警側で相談した結果として、鑑定事項はそのままにしておいて、他の薬毒物分析も行ってほしいとの依頼を受けたことから、他の薬毒物分析を行うことになったことが認められるのであり、その経緯には、一応の合理性が認められ、首肯し得るのであり、特段不自然な点は認められない・・・・・

この様に、いとも簡単に鑑定事項に他の薬毒物を追加しているが、次の論告要旨との整合性が全く無いことを、裁判官はどの様に理解しているのでしょうか。

論告要旨152頁                                           ところで、大阪府警科捜研のT技術吏員は,A子の血清等の鑑定嘱託を受け、これらの鑑定資料を受領したが、鑑定資料が同時に4点も持ち込まれたため、宮城県警科捜研にたいし、その後の鑑定嘱託に当たっては、ベクロニウム等鑑定対象薬物が含有されている可能性のあるものを選別した上で鑑定嘱託をしてほしい旨を要請し、これを受けて、宮城県警科捜研では、Sさんに投与された点滴溶液の残溶液に臭化ベクロニウムが混入されていれば、同溶液中から臭素が検出されることになるから、同溶液について、臭素含有の有無の予備試験を行った上、臭素の含有が認められた場合に同溶液を大阪府警科捜研に鑑定嘱託することとした・・・・・・

T技術吏員は、同時に4点の鑑定資料を持ち込まれたことから、ベクロニウム等の鑑定対象薬物の含有されている可能性のあるものを選別して鑑定嘱託してほしいと要請したことは、明らかに鑑定嘱託の限定するよう要請していながら、裁判では目的を限定しないで鑑定を行った等と証言しているが、どちらが真実なのでしょうか。?

すなおに考えるなら、論告要旨のとおり、大阪府警科捜研の仕事をしている中で、他県から鑑定嘱託があったので、鑑定嘱託の目的をなるべく効率的に行うために鑑定資料をあらかじめ限定して持ってきてほしいと要請したのが当然であったのではないでしょうか。

警察には、犯罪の捜査に当たって、次のような決まりがあります。                                 犯罪捜査規範(昭和32年7月11日国家公安委員会規則第2号)             (再鑑識のための考慮)                                      第186条 血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たっては、なるべくその全部を用いることなく一部をもって行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。

このように、規則も守らないで再鑑定を不可能にした全量消費を行ったのは、本当に不自然ではないのだろうか。証拠隠滅と同様なことではないかと思います。

追加(2007・5・20)                                         判決文47・48頁                                            ・・・ところで、大阪府警科捜研は、当時多忙であったところを、前記のとおり12月12日に一度にO事件及びT事件の各資料が持ち込まれたことから、宮城県警科捜研に対し、今後鑑定資料を持ち込む場合には、臭化ベロニウムの含有する可能性が高いものを選別してからにしてほしい旨依頼し、これを受けた宮城県警科捜研において、上記点滴ボトル内の溶液につき臭素含有の予備試験を実施することとした。・・・・

裁判官は、当時多忙であった状況と、全量消費したことの矛盾を、どの様に理解しているのでしょうか。

こんな矛盾した判決で、有罪にして良いのでしょうか。                                

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2007年4月28日 (土)

薬事法を知らない?検察官・裁判官

論告要旨256頁                                          ・・・加えて、被告人が平成12年12月4日夜多数のマスキュラックスの空アンプルが入っていた針箱を北陵クリニックから密かに持ち出そうとしたこと、被告人が不必要にマスキュラックスを発注していたことなどの各事実を総合すれば、被告人がMちゃん事件の犯人であることは、優に認められ、毫も疑念の余地がない。

論告要旨278頁                                          ・・・加えて、被告人が不要不急なマスキュラックスの発注を依頼し、そのマスキュラックスを管理していたこと、北陵クリニックを退職することが決まるや、マスキュラックスの使用済み空アンプル19本も入った針箱を院外に持ち出そうとしたことなどの事実を総合すれば、被告人がA子ちゃん事件の犯人であることが十分に認められ毫も疑念の余地がない。

論告要旨313頁                                          ・・・北陵クリニックを退職した日の夜に被告人が多数のマスキュラックスの空アンプルの空アンプルが入った針箱を北陵クリニックから持ち出そうとしたこと、北陵クリニックの在職中被告人が注文ノートに発注依頼を記入する方法で不要不急な多数のマスキュラックスを発注していたことなどの事情、さらに、被告人がKちゃん事件において、明らかな虚偽の供述に終始しているなどを総合すれば、Kちゃん事件の犯人が被告人であることに毫も疑念を入れる余地がない。

論告要旨347頁                                           被告人が平成12年12月4日夜いったん帰宅しながら北陵クリニックに戻り、多数のマスキュラックス空アンプルが入った針箱を持ち出そうとしたこと、被告人は北陵クリニック在職中不要不急なマスキュラックスの発注を行い、納品させたマスキュラックスを実質的に管理していたこと、北陵クリニックでは正規の医療行為として使用されず使途不明となっているマスキュラックスが存在すること、さらに、被告人が被告人質問で虚偽の供述に終始していることなどを総合するならば、S子事件の犯人が被告人であることは、毫も疑念の余地がない。

論告要旨364頁                                           ・・・被告人が平成12年12月4日夜いったん帰宅しながら北陵クリニックに戻り、多数のマスキュラックス空アンプルが入った針箱を持ち出そうとしたこと、被告人は北陵クリニック在職中不要不急なマスキュラックスの発注を行い、納品されたマスキュラックスを実質的に管理していたこと、北陵クリニックでは、正規の医療行為に使用されず使途不明となっているマスキュラックスが存在すること、さらに、被告人が公判廷において虚偽の供述に終始していることなどを総合するならば、Oさん事件の犯人が被告人であることについて何ら疑念の余地がない。

この様に、検察官は「針箱を持ちだそうとしたこと」と「不要不急なマスキュラックスを発注したこと」を理由に5つの事件の犯人であることを論告しており、

判決文27・28頁                                      北陵クリニックでは、平成9年7月ころまでは、常駐の薬剤師が薬剤の管理を行っていたが、その後は、薬剤師を置かなくなったことから、薬剤を正規に管理する者がいなくなり、看護婦が、薬剤の在庫状況を適宜確認し、不足している薬剤があった場合には、前記薬品庫備え付けの「注射薬注文ノート」「注文ノート」又は「発注ノート」と呼ばれていたノートに、その薬剤の名称及び必要数量等を記載し、事務職員等がその記載に基づき薬剤販売業者に発注してその納入を受けていた。

この様に、裁判官は、マスキュラックスが毒薬であることを理解していなかったためか、この様な判決文になっているのです。

「針箱の持ち出し」については、12月4日退職を言われてから、北陵クリニックに戻った被告人が、手術室等をワックス掛けを行う等清掃した時に、廃棄すべきものを忘れていたので、廃棄しようとしたもので、詳細は別に掲載します。

ここでは、検察が言う被告人が「不要不急のマスキュラックスを発注したこと」が、邪推であること。

さらに、裁判官が薬事法を学び発注を検証しなかったことが、次のとおり明らかであります。

1、 商取引上発注とは、購入する側が、販売業者に対し、購入する品目、数量等を伝え、発注者が納入を促す行為であります。つまり、被告人は発注したのではなく、注文もしくは発注ノートに記載だけで、販売業者に対し何ら意思表示は行っていません。

従って、発注したのは被告人ではなく、注文・発注ノートを見た事務職員等がその記載に基づき、購入の必要性を判断して薬剤販売業者に連絡して納品されていたのです。

2、マスキュラックスは毒薬です

薬事法より(譲渡手続)                                       第46条 薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者(第3項及び第4項において「薬局開設者等」という。)は、毒薬又は劇薬については、譲受人から、その品名、数量、使用目的、譲渡人の氏名、住所及び職業が記載され、厚生労働省令で定めるところにより作成された文書の交付を受けなければ、これを販売し、又は授与してはならない。

この様に、判決文にあるようなことでは、マスキュラックスの購入はできません。

薬事法にある文書の作成がなされ、販売業者に交付することによって購入ができるのです。従って、裁判官は、誰の名前で譲渡するための文書が作成されていたかを、明らかにすることが当然必要なことですが、全く明らかにしておりません。

          

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2007年4月16日 (月)

ここから、医療廃棄物区分の間違いが始まった。

論告要旨20頁                                               そこで、T警部は、12月5日午前零時30分ころ北陵クリニックに呼んだS婦長に確認し、針箱、通常手術室前室に置かれていることはなく、使用済注射針を捨てる医療廃棄物容器であり、通常針箱に空の薬剤アンプルを捨てない旨の説明を受け、被告人が罪証隠滅の目的で当夜針箱を持ち出そうとしたとの疑いを深め、・・・・

深夜のS婦長の一言が、医療廃棄物の分別区分の誤った推認の始まりであったのです。

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副院長であるI医師は、筋弛緩剤を知らなかったのか?

平成12年11月30日、I医師が仙台市立病院に行って市立病院の医師との面談の状況から

判決文217頁                                           ・・・当初、筋弛緩剤のことを直接に尋ねるつもりはなかったものの、I医師に対して、筋弛緩剤を北陵クリニックにおいて使用しているかどうか尋ねた。これに対して。I医師が一瞬ピンと来ず、「えっ筋弛緩剤と言いますと。」と聞き返したため、N医師が「例えばサクシンとかミオブロックとか。」と商品名を挙げて説明したところ、I医師は「サクシンならあります。手術のときに使っています。」と応えた。そこで、N医師は、I医師に対して、何者かが治療以外の目的で筋弛緩剤を患者に投与したため患者の容体が急変した疑いがあることを説明した。・・・・

この会話でI医師は、矛盾しております。

I医師は、筋弛緩剤と言われて、筋弛緩剤を知らないのか、聞き返していること。

ところが「サクシンならあります手術のときに使っています。」と答えていること。

I医師は、手術の時に使われているとは知っていながら、サクシンがどの様な薬理作用があり、どの様な目的で使用されているか理解していないことを露呈しているのですが、次の論告要旨から筋弛緩剤を知らなかったとは、あり得ないはずです。

(なお、N医師の「何者かが治療以外の目的で筋弛緩剤を患者に投与したため患者の容体が急変した疑いがあることを説明した。・・・・」ことは、別に検証して記載したいと思います。)

論告要旨217頁                                           ・・・しかも、平成11年5月17日以降マスキュラックスを使用した手術7件中6件(使用数量合計6アンプル)は、FES手術への助成金を請求するため「ひと研究費明細」と題する書類が作成され、そこには手術で使用した薬剤の種類、数量等が記載されているが・・・

この様に、北陵クリニックでFES手術が行われ、助成金を得て研究が行われていて、「ひと研究費明細」の書類が作成されていたことから、マスキュラックス(筋弛緩剤)を記載した書類を作成していたのです。したがって、副院長のI医師が、筋弛緩剤を知らなかったということは矛盾しています。

参考文献 副院長のI医師が「ALS基金」に提出した研究奨励金研究成果報告

        「ALS.pdf」をダウンロード

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2007年4月11日 (水)

検察官の推認(感染性廃棄物の認識)は、邪推だった。

論告要旨218頁                                             さらに、そもそも針箱は、使用済みの針やメスの刃等を捨てるための容器であって、看護婦が、業務の中で、正規に使用した薬剤の空アンプルを針箱に入れることは、通常あり得ない。すなわち、医療提供施設、あるいは医療従事者にとっ医療廃棄物の分別は当然のことであり北陵クリニックでも、針を捨てるための針箱以外に、空アンプル及び空ボトルを捨てるための容器、ガーゼなど血液の付着したものを捨てるための容器及びその他一般のゴミを捨てるための容器が各所に設置され、分別が義務づけられていた。したがって、針箱にマスキュラックスの使用済み空アンプルが投棄されていたこと自体、正規使用以外に使用されたことを強く推認させる。

「裁判官の医療廃棄物の区分を知らなかった・・・・・」に記載した医療廃棄物の正しい分別区分を知らなかったため、検察官は感染性医療廃棄物の処理について、北陵クリニックの職員の供述を鵜呑みにして、間違った推認をした。                                                                 

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裁判官は、医療廃棄物の区分を知らなかったため、間違った判決をした。

判決文34頁                                             北陵クリニックでは、医療行為に伴って生じる廃棄物を、感染症廃棄物(ガーゼ、酒精綿、包帯などの血液等が付着した廃棄物)、感染症扱い廃棄物(使用済み注射針、縫合針、メスの刃など)、非感染症廃棄物(薬剤のからアンプル使用済み点滴ボトルなど)、一般廃棄物(薬剤の空き箱などもえるごみ)に分別することとし、職員は、廃棄物が生じるとその分別に従い、それぞれ専用のゴミ箱等に投棄していた。

と記載しているが、非感染症廃棄物として、薬剤のからアンプル使用済み点滴ボトルを混在している場合、廃棄物処理業者は、回収しないことを理解していないのである。

感染性廃棄物の適正処理について(平成4年8月13日厚生省生活衛生局水道環境部衛第234号)の通知の別紙「廃棄物処理法に基づく感染症廃棄物処理マニュアル」によれば

感染性廃棄物①液状又は泥状のもの(血液等)                               感染性廃棄物②固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等)                 感染性廃棄物③鋭利なもの(使用済み注射針、メス、試験管、ガラスくず(空アンプル))                                                                                   非感染性廃棄物(医療行為等に伴って生ずる廃棄物のうち感染性廃棄物以外の廃棄物プラスチック(点滴ボトル)                                                                                  一般廃棄物(紙くず、厨芥等)

感染性廃棄物を収納した運搬容器には、感染性廃棄物である旨及び取り扱う際に注意すべき事項を表示するものとする。として更にバイオハザードマークを推奨しており、その種類は

(1)液状又は泥状のもの(血液等)赤色                            (2)固形状のもの(血液が付着したガーゼ等)橙色                      (3)鋭利なもの(注射針等)黄色

したがって、鋭利なもの(注射針等の中には、メス、試験管、シャーレ、ガラスくず等)つまり針箱の中に空アンプルが入っていることは、医療廃棄物の処理区分は正しいのです。

判決文228頁                                            また、既に認定したとおり、北陵クリニックにおいては医療廃棄物の分別区分が厳格に行われていたのであるから、これらの事情に照らすと、そもそも手術で使用したマスキュラックスの空アンプルが針箱に廃棄されていたとは容易に想定し難く、したがって、針箱内に手術で使用したあるいは手術のために準備した筋弛緩剤のアンプルのみが入っていたという弁護人の主張はその前提において不合理である。

判決文259頁                                             しかし、まず、既に認定したように、医療廃棄物の分別が厳格に行われていた北陵クリニックにおいて、本来空アンプルを捨てることが予定されていない針箱に筋弛緩剤の空アンプルを廃棄していたとの被告人の供述は極めて不合理である。

この様に、裁判官は、北陵クリニックの職員が医療廃棄物について間違った供述をしていることを鵜呑みにして、検証を怠ったため、弁護人の主張や、被告人の供述を不合理として間違った判決を行っているのです。

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2007年3月25日 (日)

北陵クリニックの廃止理由は裁判所による競売でありました。

北陵クリニックが医療機関を廃止するまでの足取りを、管轄する仙台市泉保健所に提出した書類から検証しました。                                    1、平成13年3月12日付けの休止届け理由                           「元準看護士による刑事事件発生のため診療継続が困難となったため休止する。」      休止期間 平成13年3月10日から平成13年5月31日まで                                                    

2、平成13年5月28日付けの休止届け理由                          「筋弛緩剤による刑事事件発生後診療継続が困難となり平成13年5月31日まで休止届けを出していたが、再開目的として活動を行うためさらに2ヶ月休止する」             休止期間 平成13年6月1日から平成13年7月31日まで

3、平成13年7月30日付けの休止届け理由                          「現在診療再開を目的として具体的活動を展開中であり、診療科目を含む診療形態の策定 資金調達、人員の確保等々の調整のためさらに5ヶ月休止する」           休止期間 平成13年8月1日から平成13年12月31日まで

4、平成13年12月26日付けの休止届け理由                          「筋弛緩剤による刑事事件発生後診療継続が困難となり、平成13年12月31日まで休止届を出していたが、診療所の再開に向け、関係者と協議、調整中のため、3ヶ月休止するもの」                                               休止期間 平成14年1月1日から平成14年3月31日まで

5、平成14年4月1日付けの廃止届理由 「現在、裁判所による競売手続きが進行しており、再開の見込みもたたないため平成14年3月31日をもって本診療所を廃止する。」

この様に、事件後再開に向けて努力してきたが、裁判所の競売手続きが進行していたことは、平成11年仙台市から差押えを受けるほど経営が悪化してから、差押えが解除されたとはいえ、その後も経営は一向に改善されていなかったことが、明らかであります。

検察は、論告要旨で次のように述べておりますが、

論告要旨201頁                                          ・・・さらに、H教授及びI医師の証言によれば、確かに、北陵クリニックの経営状態は、平成12年当時、必ずしも良好ではなかったものの、当時メインバンクであった足利銀行、同銀行から紹介された財務コンサルタント会社、あるいは東北医療福祉会の協力を得て経営改善案が策定され、泌尿器科等一部標榜科目の診療中止とそれに伴う非常勤医師の削減等の経費削減策等を実施したことにより、同年10月ないし11月ころには、単月黒字にまで経営改善され、、さらに、通所リハビリテーションの実施や、院長を高給のN医師から別の若い医師に変更するなど経営方針が固まりつつあった。

論告要旨202頁                                         ・・・・。平成11年10月に仙台市の差押えを受けた点も、同年12月には差押えが、解除されているから、平成12年11月当時の経営状態を示す証拠にはならないし、・・・・

このように検察は、北陵クリニックの経営が悪化していたことが、改善された様に論告しているが、事件前から経営が悪化し、事件後も再開の努力を行ったが競売に付されたことは、明らかに経営は一貫して悪化していたことを理解していないと言わざるをえません。

※ 経営が悪化していたことが、様々な問題を引き起こしたことの背景については、別に掲載します。

 

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2007年2月21日 (水)

大阪府警の鑑定書の疑問2

前回の記載から、しばらく更新しないでおりましたが、当時大阪府警の文書規程が改定になったため、改訂後の文書規程の内容を取り寄せるため時間がかかっております。

また、昨年12月15日、最高裁判所に提出した上告趣意書では、当時、鑑定が行われていたか?という事実も調べることが必要になっています。

もうしばらく、鑑定書の作成経過、鑑定の事実を精査するため、時間が必要になっております。

大変申し訳ありませんが、もうしばらく時間を戴きたいと思います。

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2006年10月 1日 (日)

大阪府警の鑑定書の疑問

鑑定書が宮城県警に報告されているが、本当に鑑定後作成されたものか検証中です。

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2006年9月17日 (日)

M子ちゃん(1才1ヶ月)のからだの、十数ヶ所に針を刺す医療の実態。

論告要旨237頁
・・・・母親にM子ちゃんの身体を押さえさせながら検査用の採血を試み、何度か失敗しながらM子ちゃんの血液を採取した。
 N看護婦は、採血に引き続き、M子ちゃんに点滴のためのサーフロー針の刺入を試みたが、泣いて暴れるM子ちゃんに約20分ほどかけて左右の手に合計4ないし5回サーフロー針を刺したものの、うまく刺入できず、結局、自力でM子ちゃんの血管を確保することを断念し、M子ちゃんから採取した血液などを持っていったん同病室から退出し、外来診療の介助をしていたS主任にM子ちゃんの血管確保を頼んだ。
 そこで、S主任が同病室に赴いたが、M子ちゃんの血管が元々細かった上、N看護婦が針を刺した痕が内出血していたため、作業に手間取り、蒸しタオルで血管の拡張を図ったり、K総婦長の援助を得た末、約30分ほどかかってようやく、M子ちゃんの左足首の静脈にサーフロー針を刺入し、同日午後4時20分ころ、グルコース及びビスコンを調合済みのソリタT1の溶液の点滴投与を開始した。

判決文84頁
 S1病室に入室したM子ちゃんに対し、Y看護婦が体温測定し、N看護婦が採血を行うなどした後、同日午後3時30分ころから、前記処方②の点滴を処置するため、N看護婦が、M子ちゃんの血管にサーフロー針を刺入しようと、何回かM子ちゃんの両手に突き刺したが、血管に刺入することができなかった。そこで、N看護婦はS主任に応援を求め、S主任がK総婦長の援助も得て何回かM子ちゃんの左足首の静脈にサーフロー針の刺入を試みた結果、同日午後4時20分ころ、血管を確保することができたので。・・・・・

この様に、論告要旨、判決文でM子ちゃんの採血、点滴までの様子が明らかにされております。約50分の間に
(1)採血のため何度か失敗しながら針を刺し
(2)その後約20分にわたって左右の手に合計4ないし5回サーフロー針を刺し
(3)更に、針を刺した痕が内出血していたため、蒸しタオルで血管の拡張を図ったり、約30分ほどかかって、何回かM子ちゃんの左足首の静脈にサーフロー針を刺し

 これが、M子ちゃん(1才1ヶ月)に対する北陵クリニックの医療の実態です。

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M子ちゃんの入院は、病状から勧めたのではなかった。

論告要旨32頁
 I医師は、M子ちゃんにそれまでと同様咽頭にやや発赤が認められたのに加え、母親が看病に疲れた様子だったのでM子ちゃんの入院を勧め、母親もこれに応じたので、M子ちゃんの入院が決まった。

判決文103頁
・・・I医師も、M子ちゃんは喘息様気管支炎及び脱水症の症状が認められたものの、喘息様気管支炎は、呼吸困難がほとんどないか、あっても極めて軽いものであり、これにより呼吸停止を起こすことはないと考えられ、また、脱水症についても、M子ちゃんに見られたのは軽度なもので、それから呼吸停止になることは考えられないし、極度の脱水症がっても呼吸停止するすることはない旨証言しており、同証言についても、小児科医としての専門的知見と自らM子ちゃんを診察した経験に基づきなされたもので、疑いを差し挟むべき事情は認められない。・・・・

 つまり喘息様気管支炎は、呼吸困難がほとんどないか、あっても極めて軽いものであり、脱水症についても軽度なものであるなら、入院までさせる必要があったのでしょうか。
 医療機関は、患者の病状から入院を勧めることがあるべきで、母親が疲れているから入院を勧める等ということは、医療なのでしょうか。

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12月4日、警察は「犯人守大助」「凶器筋弛緩剤」で行動していた。

論告要旨25頁
・・・・同警部らは、依然として被告人が北陵クリニックの患者に筋弛緩剤を投与したとの確信を持つことができず、むしろ同年12月4日に被告人がH教授による突然の退職勧告を何の不満も言わずに受け入れたことから、被告人が退職するに当たって、薬品を持ち出すなどのトラブルを起こすおそれがあると懸念し、それを防ぐために被告人の動静を監視することとした。

つまり、この時点では、筋弛緩剤を投与したことの確信を持つことができずと、言ってながら、

判決文230頁
・・・・そして、平成12年12月3日H教授,I医師、S婦長及びS主任により行われた在庫調査の結果、この時点でマスキュラックスが9アンプル存在していることが判明した(その内訳は、ロット番号が「2956869Y」のもの8アンプル、「24973794」のもの1アンプルであった。尚、同月4日、鑑定に使用するために、マスキュラックス1アンプル(ロット番号「24973794」のもの)が領置されたため、同月9日に実地見分の際には、マスキュラックスの在庫は8アンプルであった。)。

 この様に、既に12月4日には、鑑定に使用するためマスキュラックスを警察は領置していたのです。
 つまり、鑑定に使用するとということは、明らかに「犯人・守大助」「凶器・筋弛緩剤(マスキュラックス)」で捜査をしていたことが、明らかではないでしょうか。
 

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2006年9月16日 (土)

裁判官はここでも歪曲した。 

判決文では、薬剤管理の状況を次のように言っております。

判決文P27
・・・・・・・・北陵クリニックでは、平成9年7月ころまでは、常駐の薬剤師が薬剤の管理を行っていたが、その後は、薬剤師を置かなかった事から、薬剤を正規に管理する者がいなくなり・・・・・・・・・

判決文P29
・・・・・・・・・なお、薬剤師がいなくなってからは、事務長が薬剤の管理を行うようになり、各年度末に実地棚卸しを行って、毎年3月31日時点でのマスキュラックスを含む各薬剤の在庫確認をしていた。

ところが、平成13年1月17日、国、県、仙台市による立ち入り検査を行った結果は次の通りです。
平成13年4月23日付け、厚生労働省医薬局長通知「毒薬等の適正な保管管理の徹底について」に添付された参考資料によれば。

(2)管理体制について
  事件前の毒薬等の管理責任者は院長であるとのことであったが、院長は非常勤であったため、内部での管理分担等について取決めておらず、少なくとも実質的な管理は不十分であったと考えられる。また事件前は毒薬等の定期的な在庫数量等の管理も行われていなかった。なお、事件後は、常勤の院長が毒薬等の管理にあたっているとのことであった。

平成13年4月23日付け、厚生労働省医薬局長通知「毒薬等の適正な保管管理の徹底について」全文は
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0423-1.html 

 この様に、判決文と、行政機関が行った立入検査の結果が、明らかに矛盾しております。
 真実が二つ有る等ということが許されないと思います。しかし、これが事実です。

 判決が下される前、逮捕直後に行った立入検査の結果が真実だと思います。
 この事実を知らないで、公判が進行して判決を行ったことは、明らかに裁判官は間違った認識で、判決を下したということになります。

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2006年9月 1日 (金)

副院長のI医師も気道確保が出来ませんでした。

判決文P118
・・・・・・これを聞いたI医師は、被告人から渡された咽頭鏡を使ってA子ちゃんの口の中をのぞいてみたものの、気道確保の手技を的確に行う自信が無く、また適切に行うことができない場合にはA子ちゃんの状態を更に悪化させる可能性があると判断したため,A子ちゃんに対して気道確保の処置を試みることなく、A子ちゃんに対してバックアンドマスクによる人工呼吸が再開された。・・・・・・・

 入院設備を持っている医療機関であれば、入院中に患者の容体が急変することはあり得ることで、当然急変時の患者に対応できる医療技術を持った医師は必要不可欠でありますが、「気道確保の手技を的確に行う自信が無い」医師が副院長を務めていました。

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2006年8月31日 (木)

執刀医のH教授は、気管内挿管が出来ませんでした。

論告要旨P96
 ・・・・・その後、Kくんは、同日午後1時10分ころ、電極埋込手術を受けるため、手術室に入室し、同日午後1時15分ころから同日午後4時5分ころまでの間、執刀医H教授、助手S医師及びO医師、麻酔S医師、直接介助被告人、間接介助S主任及びS看護婦という手術スタッフによって、Kくんに対する電極埋込手術が行われた。

論告要旨P100
・・・・・H教授が、同日午後10時5分ないし10分ころ同病室に到着し、2度にわたってKくんに気管内挿管を試みたが、いずれも気道を確保することができなかった。

 手術した患者が急変することはあり得ることであり、呼吸困難な場合に気管内挿管は、必要な救命措置であることであるが、それができなかったということは、執刀医としてあり得ないことではないでしょうか。

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機能的電気刺激(FES)の、人体を使った研究開発が目的でありました。

判決文P23
・・・・北陵クリニックは、患者の手足の麻痺等の運動機能障害を改善するための機能的電気刺激による治療法であるFESを研究していた東北大学医学部H教授が中心となって、同治療法の研究開発を行うための母体となる医療機関として、宮城県知事の認可を受け設立された医療法人社団陵泉会が、平成3年10月に開設した医療機関であり、平成10年には同所でのFES治療に関する研究が科学技術庁が主催する地域結集型共同研究事業に認定され、FES治療を提供するほか、小児科、内科等を診療科目として医療を提供していたが、平成13年3月休止状態となり閉鎖された。・・・・・

 この様に、治療法が確立されたのではなく、人体を使って治療法の研究開発をおこなう医療機関であったのです。

 つまり、平成3年10月開業した北陵クリニックの事実上のオーナーは、FES治療で名をはせたH東北大医学部教授でした。
 北陵クリニックはFES研究における東北大学のサテライト研究室として位置づけられ、東北大学工学部・医学部の最先端技術をつかった治療・研究を行うため設立されました。
 北陵クリニックは、当時科学技術庁が進めていた「地域結集型研究事業」の認定を受け、国、県や関係機関も含めて巨額の資金が投入された巨大研究プロジェクト「宮城県地域結集型研究事業」としてすすめられました。
 この研究事業が成果を上げれば新産業が創設されるとして、ベット数19の小さな北陵クリニックに、地元電力会社、宮城県と仙台市の医師会、地元銀行、地元新聞社などの地元の名だたる名士が病院の経営母体である医療法人の理事に名を連ねておりました。
 ところが、この期待されたFES治療は、筋肉に電極を埋め込むため、患者の衛生管理が困難で、抜去を希望する患者が出たり、もともと保険適用もなく、一人200万円もの高額な医療費が掛かるため患者数も減少し、病院は累積赤字が13億円にもなっていました。

 その後、経営改善のために他の病院や高齢者施設から高齢者を受け入れるようになりました。
 平成11年には、仙台市から差押えを受けるほど経営が悪化しており、平成13年3月この事件が発生したため休止届けを出した後、再開に向けて努力をしてきましたが、平成14年4月1日付けをもって廃止届けを提出しました。

廃止理由は、
 現在、裁判所による競売手続きが進行しており、再開の見込みも立たないため平成14年3月31日をもって本診療所を廃止する。

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北陵クリニック事件関連リンク

国民救援会宮城県本部
            http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/

テレビ朝日 「ザ・スクープ」
  動画配信バックナンバーで、北陵クリニック事件を取り上げております
            http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/

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2006年8月30日 (水)

12月1日深夜無かったマスキュラックスが3日深夜発見されたのは何故なのか

論告要旨P8
・・・一方,I医師は、・・・・・同月1日夜、北陵クリニックの筋弛緩剤の在庫調査を行った。
・・・翌2日未明にかけて、薬品庫内及び手術室を無作為に探した結果、マスキュラックスについて、その溶解液20アンプルを手術室で発見したものの、マスキュラックスそのものを発見できず、また、サクシンについては、手術室の保冷庫に40ミリグラムのもの2アンプル、20ミリグラムのもの3アンプルが保管されているのしか発見できなかったため、初めて正規の手術による使用量を上回る大量の筋弛緩剤が所在不明となっていることに気付いた。I医師は、筋弛緩剤の一応の在庫調査を終え、発見したサクシンをそのまま放置するのは危険と考えて自宅に持ち帰り、冷蔵庫に保管した。

論告要旨P10~11
・・・・H教授は、被告人の退職に際し、他の看護職員に混乱を生じさせないよう、看護職員のS婦長及びS主任に事情を説明しようと考え、同日夜、帰宅した両名を北陵クリニックに呼び出し、両名に対し、北陵クリニックで発生している患者の容体急変原因は筋弛緩剤を投与された疑いがあり、患者に同剤を投与しているのが被告人である疑いがある旨説明し、被告人を退職させるつもりであると告げた。しかし両名は、H教授の説明をすぐには信じられなかったので、筋弛緩剤の在庫数を確認することにした。
 そこで、S婦長及びS主任が、薬品庫に行くと、既にI医師が同所で薬品の在庫数の確認等をしており、両名も加わり、保管中の筋弛緩剤を探した結果薬品庫内の棚に置かれた手術ボックス内にマスキュラックス9アンプル及びマスキュラックス溶解液11アンプルを発見した。その後、S主任及びS婦長は、手術室で、マスキュラックス溶解液20アンプルを発見し、S主任が、その溶解液を持って薬品庫に戻った。・・・

12月1日深夜に無かったマスキュラックスが、3日深夜に9アンプルが出てきたのは、何故なのか。答えは、次のような行動から推測されるのではないか。

論告要旨P12
・・・・H教授の発案で、マスキュラックスの在庫数量を確認したことを記録するため、メモの写しに4名が署名したうえ、押印ないし指印した

 深夜に、署名押印ないし指印までして確認する必要があったことは、1日に無かったものが3日に有ったことを、後日証明するために必要だから行ったと考えることが自然ではないかと思われます。

 なぜここまでして、この様なことを発案したか皆さんに是非考えて頂きたいと思います。
 なお、この様子については、別にまた掲載します。

 そして、翌日12月4日に守大助さんは、H教授から解雇を言い渡されたのです。

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2006年8月27日 (日)

このブログを見る皆様へ

 本日、これまで私が裁判資料を読んで矛盾点のいくつかを掲載しましたが、ほんの一部です。これから更に掲載してゆきますが、なにせ忙しいので、コメントを寄せてくれた皆様に即日回答は出来ないと思います。その点は了解してください。
 なお、私はまだブログの作成方法が充分理解していないので、ブログについて勉強中ですので、編集がうまくゆかないため、印刷しようとしたら、うまく行きません。
 これから勉強して、印刷も出来るようしたいと努力中であることを申し添えます。

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I医師は「手が震えてうまくゆかないと感じ」採血が出来なかった。

判決文P45

・・・・・H教授は、上記の通り、I医師とすれ違いざまにボトルを受け取る際、I医師に「ブルート」と告げて、Kちゃんの血液をも採取、保管するよう指示した。I医師は、これを受けて、Kちゃんの血液を採取、保管しようとした。1回目の少量の採血は、既にI医師が行っていたが、アイスタットでの検査に全量消費していたので、改めて、2回目の採血をしようとしたが、手が震えてうまくいかないと感じ、同室していてKちゃんの救命処置に当たっていたS医師に採血を依頼した。I医師は、保存のことも考え、多めに採取するよう依頼し、これに従い、S医師は、同日午後11時15分ころ、Kちゃんから七、八ミリリットルくらいの血液を採血した。・・・・・・・

この様に、1回目は採血出来たが、2回目は、手が震えて採血をうまくゆかないと感じることは、あり得るのか。それは、次の様なことから読み取ることが出来るのではないか。

判決文P52・53

・・・・もっとも、I医師が、実際はあらかじめ他の血清と資料のすり替えを図る意図で、これを隠ぺいする手段として、いかにも血液保存を図るような外観を作出したとでも考えるのであれば別であるが、仮にそうであるとすれば、むしろ、I医師において、捜査段階から当初から保存を考え多めの採血を依頼した旨強調するはずであって、かえって、その検面調書(弁69,70)にあるように、後になって血清入りスポイトを見つけて初めて保存を思いついたなどという供述をするとは解しがたい。・・・・・

この判決文では、裁判官は自分の主観を交えてI医師を弁護するような文章ではないかと思われます。

 採血は静脈から微量の血液を採血するするもので、医師が手が震えて採血出来ないほどの理由とは、何だったのでしょうか。
 判決文にあるように、他の血清と資料のすり替えを図る意図をもっていたから、手が震えて採血が出来ないと感じたのではないでしょうか。                                                           

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医療廃棄物の分別区分を知らない検察官と裁判官

検察の論告要旨P218
・・・・更に、そもそも、針箱は、使用済みの針やメスの刃等を捨てるための容器であって、看護婦が、業務の中で、正規に使用した薬剤等の空アンプルを針箱に入れることは、通常ありえない。すなわち、医療提供施設、あるいは医療従事者にとって、医療廃棄物の分別は当然のことであり、北陵クリニックでも、針を捨てるための針箱以外に、空アンプル及び空ボトルを捨てるための容器、ガーゼなど血液の付着したものを捨てるための容器及びその他一般のゴミを捨てるための容器が各所に設置され、分別が義務づけられていた。したがって、針箱にマスキュラックスの使用済み空アンプルが投棄されていたこと自体、正規使用以外に使用されたことを強く推認させる。・・・・・・

判決文P34
・・・・北陵クリニックでは、医療行為に伴って生じる廃棄物を、感染症廃棄物(ガーゼ,酒精綿、包帯などの血液等が付着した廃棄物)、感染症扱い廃棄物(使用済み注射針、縫合針、メスの刃など)、非感染症廃棄物薬剤の空アンプル、使用済み点滴ボトルなど)、一般廃棄物(薬剤の空き箱などの燃えるごみ)に分別することとし、職員は、廃棄物が生じるとその分別に従い、それぞれ専用のごみ箱等に投棄していた。・・・・・・

判決文P228
・・・・また、既に認定したとおり、北陵クリニックにおいては医療廃棄物の分別が厳格に行われていたのであるから、これらの事情に照らすと、そもそも手術で使用されたマスキュラックスの空アンプルが針箱に廃棄されていたとは容易に想定しがたく、・・・・・・・

判決文P259
・・・・・しかし、まず、既に認定したように医療廃棄物の分別が厳格にい行われていた北陵クリニックにおいて、本来空アンプルを捨てることが予定されていない針箱に筋弛緩剤の空アンプルを廃棄していたとの被告人の供述は極めて不合理である。・・・・

この様に、針箱に空アンプルが入っていたことを、検察官も裁判官も北陵クリニックの職員の証言を鵜呑みにして、正しい医療廃棄物の分別区分を知らないで間違った知識で、判決をしているのです

感染性廃棄物の適正処理について(平成4年8月13日厚生省生活衛生局水道環境部衛第234号)の通知の別紙「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニアル」によれば

4.5表示

 感染性廃棄物を収納した運搬容器には、感染性廃棄物である旨及び取り扱う際の注意すべき事項を表示するものとする。(省令第1条の7)

この解説の中で、バイオナザードマークを推奨しており、その種類は

 (1)液状又は泥状のもの(血液等)赤色

 (2)固形状のもの(血液が付着したガーゼ等)橙色

 (3)鋭利なもの(注射針等)黄色

 したがって、鋭利なもの(注射針等に中にはメス、試験管、シャーレガラスくず等)つまり針箱の中に空アンプルが入っていることは、医療廃棄物の処理区分上正しいのです。

 むしろ、判決文P34にあるような薬剤の空アンプルと使用済み点滴ボトルを同一容器に入れた場合は、産業廃棄物処理業者は、分別しなければ受理しません。

 

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警察官は深夜は証拠を領置しない。???

検察の論告要旨P20より
・・・・・・・・そこで、T警部は、翌5日午前零時30分ころ北陵クリニックに呼んだS婦長に確認し、針箱、通常手術室前室に置かれたいることはなく、使用済注射針を捨てる医療廃棄物容器であり、通常針箱に空の薬剤アンプルを捨てない旨の説明を受け、被告人が証拠隠滅の目的で当夜針箱を持ち出そうとしたとの疑いを深め、それまでI医師から相談を受けていた患者の容体急変を捜査すべきと判断し筋弛緩剤等の空アンプルが入れられた針箱は重要な証拠となるので、これを証拠化しようと考えたが、既に深夜であったことから、その証拠化手続きは翌日行うこととし、H教授およびI医師にその2つの針箱の保管を依頼して県警本部に戻った。・・・・・・

このように、重要な証拠となるものを、深夜だという理由で当事者に保管を依頼して帰る等ということは、警察官として全くあり得ない不可解な行動といわざるをえません。しかも針箱の在中物も確認していないのです。在中物の確認は翌日行っていることも信じがたいことです。

論告要旨P20
・・・・・・・・・そして、O警部補は、同月5日、その2つの針箱の任意提出を受け領置し、県警本部でその在中物を確認した結果Mサイズの針箱には、電極、探査針、縫合針、注射針ケース等の針類等、Sサイズの針箱には、針類等のほかに、マスキュラックスの空アンプル19本、サクシンの空アンプル8本、ドルミカムの空アンプル4本等薬剤のアンプルが多数在中しているの確認した。・・・・・・・・・

全国の警察官に聞きたいくらいです。「貴方は、重要な証拠は、深夜は領置しませんか。?しかも内容物も確認しないで保管を頼みますか。?」と、こんな警察官は、どこにもいるはずがないと思います。しかし、この事件では、あり得ない警察官がいたのです。

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2006年8月26日 (土)

この事件は、えん罪であります。

 ブログを作成しましたが、記事を書くのが、忙しくて怠けておりました。昨年4月、たまたま、守大助さんのお母さんとお会いしました。お母さんから「息子は無実です」と言われた時、事件そのものを忘れておりましたが、一審の判決文、検察の論告要旨を読んで、視野の狭い常識や、法律の勉強不足から様々な矛盾点や疑問点を露呈して裁判を行い、信じられない判決で、無期懲役にされたとは驚きました。

 その後、二審の裁判の傍聴を行いましたが、たった5回の公判で結審、これには驚きました。何もしないで結審したとしか言いようも有りません。
 これから私が無罪を確信した根拠となった、検察の「論告要旨」や仙台地裁の「判決文」、更に情報公開等で手に入れた資料等から、この事件の矛盾点や疑問点、そして、北陵クリニックの医療の実態等の内容を掲載してゆきますが、膨大な内容なので、時間が必要ですが、徐々に掲載してゆきます

なお、国民救援会宮城県本部のホームページを見ていただくと、事件の概要と、守大助さんの無罪を勝ち取るための取り組みが理解できると思います。

http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/

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2006年7月 2日 (日)

仙台・北陵クリニック事件について

本日、開設しましたので、記事はこれから入力して行きます。

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