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北陵クリニック事件

2015年3月30日 (月)

独立行政法人国立病院機構 宮城病院

平成26年4月より勤務。     

2014年11月24日 (月)

再審請求が実現できるようお願いします。

ご両親が健在なうちに、守大助さんの再審無罪を実現するために、皆さんの協力をお願いいたします。

署名は「法定外の傍聴者」といわれるとおり、事件当事者には何よりも嬉しい支援で力強い激励となっております。

用紙は下記よりプリントして使用して下さるようお願いいたします。

http://www17.ocn.ne.jp/~kyuuenka/kousaiyousei.pdf

2014年3月27日 (木)

検察は、確定判決をひるがえした。(再掲)

i   検察は、ベクロニウムの未変化体がm/z557ないしm/z279のイオンで有ることを知ったので、未変化体も変化体も出たのだから、確定判決に問題はないと様々な手を使って、科学の知識がない裁判官をだまそうと出してきたといえる意見書です。

Ⅰ 大阪府警科捜研の土橋吏員の「鑑定書」に記載されていた「鑑定試料全量消費」が虚偽であった。同時に法廷での証言は偽証であった。

Ⅱ 確定判決の標品・鑑定試料から、未変化体が出たということも虚偽であった

Ⅲ 検察の苦肉の表現である「試料残渣」が有ったことは、書類があっただけで本当に平成13年5月15日に作成されたことは、なんら証明がない。書類は昨年つくったとしても何ら不自然さはない。

1、筋弛緩剤マスキュラックスとは

                      (オルガノン社の医薬品インタビューフ ォームより)
  一般名:ベクロニウム臭化物という。
  分子式:C34H57BrN2O4
  分子量:637.74
  性 状:白色~わずかに赤みを帯びた白色の結晶性の粉末である。エタノー(99.5)、ジクロロメタンに極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、水、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
  代謝部位及び代謝経路
      臭化ベクロニウムの代謝は動物とヒトとの間で大きな差異はなく、ヒトにおいても静脈内投与後速やかに、かつ大部分が肝に取り込まれること、代謝物としては3-OH体が生成されること、また、投与量の大部分が胆汁中に排出される(再吸収は伴わない)ことが考察された。
  臭化ベクロニウム ――→ 3-OH体(3αー脱アセチル体)
    注(未変化体)              注(変化体)
      本剤を静脈内投与した患者の血漿及び尿について、本剤と可能性のある代謝物を定量的に分析を行った結果、血漿中では未変化体のみが検出され、脱アセチル体は検出されなかった。尿中では,未変化体と3αー脱アセチル体( 3-OH体)が検出された。
 
2、
土橋鑑定の虚偽の始まり。
   1999年日本法中毒学会の一般講演に発表した「ESI-LC/MSによる筋弛緩剤パンクロニウム、ベクロニウムの分析」で、
   ・・・・MSスペクトルベクロニウムM2+イオン(m/z258)のみが出現した。・・・・・
   
この講演発表で、ベクロニウムの分析した結果、変化体をベクロニウムと間違って検出したことから虚偽が始まったのです。

「houtyuudoku.pdf」をダウンロード 

3、 土橋証言の偽証。
 (1)全量消費の虚偽の証言(第24回公判調書)22~23頁
  検察官  ところで、各鑑定書を読みますと、鑑定資料は、全量消費したという記載がありますが、これはどのような意味なのでしょうか。
  土橋証人 それは、すべて鑑定に使用したということです。
  検察官  鑑定資料を鑑定で使用したと、そういう意味でしょうか。
  土橋証人 はい。
  検察官  なぜ、鑑定資料を全量使用したのでしょうか。
  土橋証人 
それは、分析に必要であったからです

  この様に、鑑定資料を全量消費したと証言していたのですが、m/z258が変化体と知ったことからか、つじつまを合わせるため、検察は資料残渣という表現で、その資料残渣からm/z279が出たと言って、土橋証言が偽証であったこと露呈したのです。

 (2)516(3α-OH-ベクロニウム)ベクロニウムの未変化体とした虚偽の証言
                  (第23回公判調書)48~49頁
  検察官   先ほどから証人の後証言の中で、MSIのところで、イオンを開裂させて、より小さなイオンを作るというような趣旨の御発言があったと思うのですが、m/z258 というイオンを壊しているのに、なぜ、それより大きいm/z356,374,398というプロダクトイオンが検出されるのでしょうか。
  土橋証人  これは、m/z258 のイオンが2価イオンだからです。この先ほどもチャートのところでご説明させていただきましたけれど、m/zは、このチャートの横軸の単位であります。それで258が2価イオンということですので、m/zが価数で、mは質量ですから、本来、
この258というのは、516のイオンなんですそれを2価イオンであるので、m/zで表しますと516÷2で258となります。ですから、この質量分析/質量分析で、516を開裂させていると同じ意味になります。
  検察官  516を開裂させているので、356、374、398などのイオンを有するプロダクトイオンスペクトルが得られたと同じことになると、そういうことでしょうか。
  土橋証人 はい。そうです。

 土橋吏員は法廷の証言で、検察官の鑑定書に関する質問に対し、この様に答弁していますが、ベクロニウムの変化体(3-OHベクロニウム)を標品にして分析していたのです。

 (3)鑑定書は、虚偽の記載だった。
   本来、ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合かm/z279(2価の場合)のイオンが検出されるのを、
標品からm/z258が検出され、鑑定資料(血漿・尿・点滴ボトル)からもm/z258イオンが検出されたから、ベクロニウムが検出されたという虚偽の鑑定書を作成したのです。

4、検察の論告要旨の誤り。 (論告要旨183頁)
  ・・・・これに対し,ベクロニウムについては,各鑑定資料からそもそもベクロニウムの未変化体が検出されたので,それ以上分解物や代謝物の 検出分析を行う必要がないと判断したもので,ベクロニウムの分解代謝物について検出分析を行わなかったことが,何ら不審を抱かせる事情になり得ないことは明らかであり,その分析を行わなかったことをもって,本件各鑑定の過程及び結果の正確性・信用性に疑問が生じる余地はない

             (土橋証言 24回8~9,25回83~84)。     また,本件各鑑定において,いずれも鑑定資料が全量消費されたが,これは,本件各鑑定の鑑定嘱託に際し,鑑定事項としてその含有の有無が明 示されていたベクロニウム,スキサメトニウム,塩酸ミノサイクリン以外の薬毒物についても,その含有の有無を検査,分析したからであり,そこには合理的な理由が存在し,その必要もないのに意図的に鑑定資料を全量 消費したのではないことは明白である(土橋24回22,38~42)以上のとおりであるから,本件各鑑定は,その鑑定人の知見,分析手法 のいずれも極めて信用性が高く,その各鑑定結果が正確で十分信用できることは明らかである。

5、仙台地裁の判決文の誤り。 (仙台地裁判決文70頁)
  ・・・・土橋吏員の証言によれば,スキサメトニウムについてはベクロニウムより分解が早く進むことから,当初から分解代謝物のことも念頭におき,検出されなかった未変化体以外に,分解代謝物の分析をも試みたのに対し,ベクロニウムについては各鑑定資料から未変化体が検出されたためそれ以上に代謝分解物まで調べる必要性が認められなかったことから,その分析は行わなかったものであり,両者の扱いを異にした合理的理由が認められるから,これが不自然とは認められない。

仙台高裁判決文の誤り。(仙台高裁判決文4~9頁)
   イ 本件各鑑定において,その定性分析については,液体クロマトグラフィー・質量分析・質量分析(LC/MS/MS)が用いられ,各鑑定資料につき,m/z258というイオンをプリカーサイオンとして生成されたプロダクトイオンとして,m/z356,374,398等のイオンが検出され,これは同一方法,条件で標品のベクロニウムを分析した結果と一致し,その発現時間もほぼ同一であったことが認められたとして,各鑑定資料についてベクロニウムが含有していると結論付けられている。また,定量分析においては,点滴溶液については,イオンクロマトグラフィーが用いられ,血清,尿の生体試料については,LC/MS/MSが用いられ,前記結果を得ている。
   (2)本件各鑑定自体の評価
    本件各鑑定を行った土橋吏員及び西川吏員は,本件各鑑定を行うための十分な学識と経験を有しており,その研究成果に基づき本件各鑑定もなされているもので,原判示のとおり本件各鑑定の手法,過程,及び結果に疑問とする点はなく,本件各鑑定は合理的で妥当なものとして是認できるのであり,所論指摘の点を検討しても,これが左右される点は認められない。
  (3) 外国論文4点及び鑑定意見書について
    弁護人は,ベクロニウムの質量分析に関する外国論文4点(当審弁52ないし55)及び福岡大学医学部医学教室教授影浦光義作成の鑑定意見書(=影浦鑑定意見書)(当審弁56)に照らし本件各鑑定結果が信用性がない,と証拠意見する。すなわち,本件各鑑定は,m/z258をプリカーサイオンとしているが,標記外国論文4点によれば,ベクロニウムをLC/MSないしLC/MS/MSで質量分析した場合,ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンが検出され,m/z258のイオンが検出されたとする記載がない,ベクロニウムの分子量からみて,m/z258その他のイオンが検出されたとしても,そのことが当該イオンがベクロニウムに由来するとはいえない,したがって,鑑定資料から検出したイオンm/z258等を根拠として,その資料にベクロニウムが含まれていたと判断することはできない,などというのであり,また,影浦鑑定意見書によれば,影浦教授も本件各鑑定においてm/z258のイオン及びそのプロダクトイオンの出現から,これをベクロニウムであるとしたのは間違いであるとした上,西川,土橋吏員らの論文では,何故構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのか納得し得る科学的根拠が見いだせない,などとしていることからみて,本件各鑑定書には信用性がないと証拠意見するのである。
  しかしながら,土橋吏員の証言(第23回)によれば,LC/MS/MSにおいては,分析の過程で電圧,カラムなどの分析条件や使用器具に関し同じ条件で分析すれば,検出されるイオンの種類,発現時間は同一になるが,条件が変われば結果も変わるというのであるから,分析条件に関わらず分子量関連イオンが必ず検出されるといえない。
  
土橋吏員らの分析方法は所論指摘の日本法中毒学会の雑誌「法中毒」1999年5月号に,「パンクロニウムとベクロニウムの分析方法」(=西川・土橋論文)(当審弁51)として掲載,発表されているのであり,本件各鑑定もこの手法によるものであるが,影浦鑑定意見書が指摘するまで,これが誤りであるとの指摘がなされてきたことがうかがわれず,その再現性,有効性が承認されてきたことがうかがわれる。
   そして,土橋吏員らは,薬毒物の鑑定は年間150件くらい行い,これまで筋弛緩剤の鑑定は15件,資料の点数にして50点くらいの経験があり,うち生体資料の鑑定は10件くらいで,筋弛緩剤が検出された例は3件くらいあるというのであり,その薬毒物分析実務経験を通し,LC/MS/MSの特性を踏まえた最良の分析条件と思われる条件を把握しており,これを生かしながら,分析装置及び分析条件を同一にして,鑑定資料を分析する郁度標品のベクロニウムについても分析をする必要性を強調した上,同一条件下で,標品のベクロニウムで検出されたイオンの種類,発現時間と試料のそれとを対照して同一性の判定をしているのであり,
べクロニウムからm/z258のイオンが出現していることを疑う理由はない
  なお,土橋吏員の証言(第24回,第25回)によれば,本件各鑑定において,各鑑定資料からベクロニウムの未変化体が分離・検出されていることが認められるから,m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したベクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである。
  これに対し,影浦鑑定意見書は,前記のとおりの意見を提出しているのであるが,影浦教授がこれまでどの程度ベクロニウムの分析経験を有するのか不明であるばかりでなく,添付資料から見て,その試験条件について,その装置が西川・土橋論文ないし本件各鑑定書と同様の装置を用いたか不明であり,分析条件が異なることは明らかである。影浦教授が,構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのを納得し得る科学的根拠が見いだせないからといって,西川・土橋論文が分析条件を呈示し,ベクロニウムであることが疑いようがないベクロニウム標本からm/z258のプリカーサイオンを得ているのに,同様の装置及び分析条件を用いてその再現性を確認しないで,自己の分析試験から西川・土橋論文の手法,結果を非難するのは一面的であり,本件各鑑定の信用性を損なうものとはいえない。
  さらに,外国論文4点は2000年以降に公表されたものであり,そのうち2000年に公表された当審弁55の論文は,ベクロニウムの検出についてはその代謝産物である3―デスアセチル―ベクロニウムを検出する方法が数件報告されているのみであるという時点のもので,ベクロニウムについて二価イオンを記載しているものであり,2002年以降公表された残る3論文は,ベクロニウム等の4級窒素筋弛緩薬について,いずれも6種類,7種類,8種類の多種類の筋弛緩薬を抽出し検定,あるいは検定,定量する方法を開発したとするものであって,そのうち,例えば,当審弁53によれば,4級窒素筋弛緩薬の抽出は困難であるとされ,文献報告された分析方法のほとんどは1ないし2種類の化合物を抽出するのに適した条件で実施されているが,同論文著者らは,7種類の4級窒素緩弛緩薬の一般的な抽出方法による検出方法を見付けたとし,当審弁52,54も同様の指摘や成果を報告しているのであり,これらの記載からも1ないし2種類の化合物を抽出するのに適した分析条件とは異なることがうかがわれるのであり,その実験条件の記載をみても,土橋吏員らのそれと同一ではないし,外国論文4点もベクロニウムからm/z258のイオンが出ることを否定しているわけでもない。
 さらに,外国論文4点及び鑑定意見書においては,ベクロニウムについはm/z557ないしm/z279のイオンのみが検出されているが,上記各外国論文によっても他物質についてではあるが分子量関連イオン以外に分子の一部が開裂したイオンが検出されている例も見受けられるのであるから,分子量関連イオンのみが必ず検出されるといえないことは明らかである。
 また,外国論文4点及び影浦鑑定意見書の試験結果でも,フラグメントイオンには本件各鑑定と同様の249,356,398,416の1つまたは3つが出ているところ,弁護人は,そのようなフラグメントイオンが出ていても,プリカーサイオンのm/z258が何に由来するか分からないから,ベクロニウムとはいえない,というが,
本件各鑑定においては,ベクロニウムの標品自体からm/z258のイオンが出されて上記及び374のフラグメントイオンが出ており,本件各鑑定資料がこれと同様のプリカーサイオンで同様のフラグメントイオンを呈しているのであるから,ベクロニウムと認定した本件各鑑定に何ら信用性を疑う点はない。
    したがって,外国論文4点及び影浦鑑定意見書におけるLC/MS/MSないしLC/MSと分析条件等が異なることが明らかな本件各鑑定において,ベクロニウムの標品からm/z258のイオンが検出されたことが,不合理であるなどということはできないのであり,外国論文4点及び影浦鑑定意見書は本件各鑑定の信用性を左右するとはいえない。

6、最高裁に対する最高検察庁の答弁書(19頁)

・・・・そもそも、ベクロニウムが水溶液中で分解しやすい性質を有していることは、土橋鑑定人もこれを熟知した上で本件鑑定に臨んでいるのであるから、本件鑑定において、ベクロニウムを誤って分解させてしまった結果、3脱アセチル化体のベクロニウムを分析したなどということはあり得ない。

 このように、土橋鑑定人をあたかも優秀な鑑定人の様な表現で検察官は答弁していると共に、仙台高裁の裁判官も「本件各鑑定を行うための十分な学識と経験を有しており,その研究成果に基づき本件各鑑定もなされているもので」と盲目的に土橋吏員を信じ込み評価していたのでしたが何のことはない加水分解があることすら理解しない土橋吏員は、基本的な知識もない、ただの分析屋だったことが明らかになりました。残念ながら大阪府警科捜研の歴史に汚点を残すかもしれない職員だと思います。

 検察・最高検察・仙台地裁・仙台高裁・最高裁と、土橋吏員の証言を鵜呑みにして、誤った判決を行ったことが、明白になりました。 

7、筋弛緩剤マスキュラックス(臭化ベクロニウム)の分子量は637.74です。
 ※参考 1995年12月改訂(第2版) 
     日本標準商品分類番号 871229           
     オルガノンテクニカ社の「有効成分に関する理化学的知見」の分子量は637.74です。

8、ベクロニウムの分子量は、557.82738になります。
  分子式 C(炭素)34・H(水素)57・Br(臭素)・N(窒素)2・
      O(酸素)4
 原子量  C12.0107  H1.00794   Br79.904  N14.0067 O 15.9994
      408.3638 +57.45258 + 79.904 + 28.0134 + 63.9976 = 637.73138
 臭化ベクロニウムの分子量は約637です。
 臭化ベクロニウムから臭素の原子量を除いて、ベクロニウムの分子量を求めた場合の分子量は、約557になります。

9、ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンが検出されるのです。
  ベクロニウムの質量分析に関する外国論文及び福岡大学医学部医学教室 教授影浦 光義作成の鑑定意見書(影浦鑑定意見書)では、土橋鑑定は, m/z258をプリカーサイオンとしているが,ベクロニウムをLC/MSないしLC/MS/MSで質量分析した場合,ベクロニウムの分子量約557か ら導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンだけが検出されると、指摘していたのです。

10、再審請求に対する検察意見書の詭弁。

                             (意見書16頁)
(1)
宮城県警科捜研で分析した結果m/z279及びm/z557の他に、m/z258 も検出できた。                 
   宮城県警科捜研が行ったべクロニウム標品の分析結果は,以上のとおりであって,この分析結果によれば,m/z279及びm/z557のほかに,m/z258も検出できたのである。ところで,ベクロニウムをESI法によってイオン化した場合に検出されるm/z558又はm/z279のイオンは分子量関連イオンであり、他方,ベクロニウムは容易に加水分解しやすい性質を持つ化合物であり,その分解化合物のうち主要なものが3-OHベクロニウムである。そしてm/z258,この3-OHベクロニウム又は17-OHべクロニウムに由来するイオンである。

 未変化体を認める方法として、ついに平成24年11月6日付けで、検察が宮城県警に鑑定嘱託を行い、平成24年12月7日付けで、宮城県警科捜研から回答をもらってm/z279及びm/z557を検察が認めたのです

(2)ベクロニウムが加水分解して変化体になった。(意見書17頁)
  マスキュラックスなどの臭化ベクロニウムには,その合成過程で未変化体であるベクロニウムが加水分解した結果,その分解物である3-OHベクロニウムを始めとするベクロニウムの脱アセチル化体が夾雑物として混入している可能性のあることが薬品メーカーの分析によって確認されている(甲250号証10ページ)。したがって
,分析の際に用いた臭化ベクロニウム標品自体に,加水分解物としての3-OHべクロニウムを始めとする脱 アセチル化体が含まれており,この夾雑物としてのべクロニウムの脱アセチル化体である3-OHベクロニウムあるいは17-OHべクロニウムから,定性分析において、m/z258が検出された可能性を指摘することができる。

  この様に、標品を正確に分析できなくて、加水分解した可能性があるとしていますが、大阪府警科捜研の土橋吏員は、証言で臭化ベクロニウムではなく、ベクロニウムを標品として鑑定を行ったと言っているが検察は虚偽の意見を記載している。また、標品を加水分解させて行う様な、いい加減な職員であることが証明されました。

これで、確定判決で、m/z258は未変化体と言っていたことが崩れ、変化体であることを認めたのです。

(3)大阪府警科捜研の土橋吏員は、全量消費したと証言したが、証言をひるがえしたのです。            (意見書23~24頁)
   また,土橋吏員らは,本件鑑定書作成後, 鑑定試料の残渣及びべクロニウム標品のLC/MS/MS分析により,m/Z279をプリカーサーイオンとしてプロダクトイオンス キャンを行ったところ,保持時間2.7分にm/Z356,398,430等のイオンを有するプロダクトイオンスペクトルを得ている。                          (平成13年5月15日付けの鑑定に関する補足事項より)   
   その検査の経過と結果は,次のとおりである。
 ⅰ すなわち,土橋吏員らは,各被害者の血清,尿及び点滴輸液を,鑑定資料としては全て分析に供したものの,鑑定終了時点で,①血清及び尿については,いわゆるカートリッジ抽出という前処理を加えたもののうち分析後に残存した試料残渣を,また,②点滴輸液については,筋弛緩薬以外の薬毒物検査において非破壊分析に使用した後に残った試料残渣を,それぞれ冷凍保存した。
 ⅱ 土橋吏員らは,平成13年2月ころ,べクロニウムの標品をLC/MS/MSで分析した場合,MSIにおいて,m/z279が検出されるという補助的な知見を得たことから,前記の試料残渣について,LC/MS/MSによる分析を試みたものである(ここで分析に用いられたのは,鑑定資料の残渣ではなく,鑑定資料の抽出操作で得られた試料の残渣ないし非破壊分析に使用した後に残った試料残渣である。)。
 

土橋吏員は、あれほど証言で、鑑定資料を全量消費したと言った証言を覆し、標品のベクロニウムおよび各資料を分析したところ、・・・・・m/z279を検出したと、言い出しているが、平成13年5月頃に作成されたという根拠は、どこにも有りません。 さらに、検察では、「資料残渣」と言っているが、土橋吏員の「鑑定書に関する補足事項」では、「資料残渣」という言葉は一切使っておりません。 標品のベクロニウムおよび各資料と記載しているのです。また、土橋吏員は、平成24年12月6日付けの仙台地方検察庁からの照会に対し平成24年12月13日付けの回答では、「検査試料の残ったバイアル瓶」と言ってるのです。 
 注(一般にバイアル瓶とは、医療薬品を封入する管瓶(カンビン)を指します。)
 すなわち検察は、どうしても未変化体であるm/z279を認める口実に、全量消費では確定判決を維持出来なくなって「資料残渣」を持ち出したのです。

11、速やかに再審を開始すること。
  以上の通り、有罪の決め手になった「鑑定」が根底から崩れたこと等、
確定判決が虚偽の判決文であったことが明らかになったいま、再審開始を行い真実を探求することを裁判所に求められているということです。

12、再審について
刑事訴訟法第435条
【再審を許す判決・再審の理由】再審の請求は、左の場合において、有罪を言渡した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。  
1、項省略
2、
原判決の証拠となった証言、鑑定、通訳、又は翻訳が確定判決により虚偽であったことが証明されたとき
3、~7項省略

仙台地裁が守大助さんの再審請求を棄却

 3月25日、仙台地方裁判所第一刑事部(河村俊哉裁判長)は、仙台北陵クリニック・筋弛緩剤冤罪事件について、守大助さんの再審請求を棄却する不当な決定を行い、弁護団に通知してきました。

 

 この決定は、証人尋問、証拠開示等の事実調べを一切することなく、裁判所として真実に真摯に向き合うことなく出されたものです。

2013年11月26日 (火)

土橋均吏員(大阪府警科捜研)の鑑定は虚偽であった。

大阪府警科捜研の土橋均吏員(事件当時)の鑑定は虚偽であった。

 

詳細は、カテゴリー「鑑定」のところに、これまで掲載した記事がありますので読んでください。

2013年10月11日 (金)

裁判官・検察官をだました土橋吏員と、だまされても気づかない裁判官と検察官。

 これから、法廷での証言を記載しますが、こんな問答を聞いてた裁判官は、それでも証言の確認をしないで、土橋吏員を優秀な科学者だと思いこみ、判決文を書いたのです。

   証人尋問調書(第23回公判調書48~49頁)
検察官  先ほどから証人の御証言の中で、MS1のところで、イオンを開裂させて、より小さいイオンを作るというような趣旨の御証言があったと思うのですが、 m/z258というイオンを壊しているのに、なぜ、それより大きなm/z356、374、398というプロダクトイオンが検出されるのでしょうか。

土橋証人 これは、m/z258のイオンが2価イオンだからです。この先ほどもチャートのところでご説明させていただきましたけれど、m/zは、このチャートの横軸の単位であります。それで258が2価イオンということですので、m/zが価数で、mは質量ですから、本来、この258というのは516のイオンなんです。それを2価イオンであるので、m/zで表しますと、516÷2で258となります。ですから、この質量分析/質量分析で、516を開裂させていると同じ意味になります

検察官  516を開裂させているので、356、374、398などのイオンを有するプロダクトイオンスペクトルが得られると、同じことになると、そういうことでしょうか。                                                                                      土橋証人 はい。そうです。

 「まず516÷2で258となります。」と土橋証人がいっておりますが、516とは何ぞやと言うことです。これは、ベクロニウム臭化物が加水分解した(変化体)の脱アセチル体なのです。
 356は、脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)  
  374は、3,17脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)
  398は、脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)

 これらを、土橋吏員は、全て未変化体と言って、それを裁判官は信用して

  (仙台地裁判決文70頁)
  ・・・・土橋吏員の証言によれば,スキサメトニウムについてはベクロニウムより分解が早く進むことから,当初から分解代謝物のことも念頭におき,検出されなかった未変化体以外に,分解代謝物の分析をも試みたのに対し,ベクロニウムについては各鑑定資料から未変化体が検出されたため,それ以上に代謝分解物まで調べる必要性が認められなかったことから,その分析は行わなかったものであり,両者の扱いを異にした合理的理由が認められるから,これが不自然とは認められない。

 こうして、守大助さんを有罪にしたのです。これほど明快な虚偽の判決文を裁判官は何と弁解するのでしょうか。いい加減素直に反省することが、裁判官に求められているのではないでしょうか。

2013年6月28日 (金)

検察意見書(2)について

去る6月19日、再審開始準備の三者協議が開催されましたが、再審請求書に添付した池田意見書(病態論)A子さんの急変の原因は、筋弛緩剤の投与とは全く違い、「ミトコンドリア病MALAS」ということに対する検察側の反論の意見書が提出されました。

これに対して、阿部泰雄弁護団長のコメントが出されましたので、掲載するものです。 

検察意見書について

 1 結論 ○○医師の意見は何ら池田意見の批判になっておらず、むしろ池田意見を裏付けているものである。

2 ○○医師意見書は批判になっていない。
  まず○○氏は「AさんがMELASであるという池田意見に対する意見」と して、池田意見書の第一部「誤診の原因について」で論じた「マスキユラックス中毒否定論」については何も述べておらず、この点は反論できなかったものと見受けられる。
  つぎに○○氏の「池田意見のMELAS論」に対する批判は、批判の実質を有していない。

 第1に、検査値や症状につき、それぞれ個別に他の可能性を述べているだけで、ミトコンドリア病MELAS診断の批判にならない。
 乳酸値の繰り返す高値がメラスに由来するものとは断定できないとしているだけである。池田氏も「乳酸値高値がミトコンドリア病だけが原因だしなどと言っているのではない。
 ○○氏はA子さんの病態が急性脳症であることを否定していない。その上で急性脳症にはMELAS以外にも原因があると、これまた池田氏も否定するはずのない無意味な意見を述べているだけである。
  低身長が2SDの範囲に入らないという指摘には意味がない。
  難聴について、両側性がほとんどだと指摘しても意味がない。
  心肥大について、他の可能性を指摘しても意味がない。
腹痛、視野・視力障害、構音障害、呼吸数低下、心停止を挙げて、「筋弛緩薬による個々の筋肉麻痺の影響、呼吸停止やその後の循環不全などで症状を説明できないとは考えません。」としているが、そうであれば、○○氏はA子さんが筋弛緩薬中毒であるかどうかについて意見を述べるべきだ、すなわち、池田意見書の第一部についても意見を述べるべきであり、無責任の誹りを免れない。このような筆の逸脱は、検察官の意見を下敷きにしたことに原因があると考えられる。

 以上のとおり、○○氏の意見は何ら批判になっていない。
 ○○氏も「ミトコンドリア病の症状は多様である」としているように、この多様多彩な症状を、判明している検査データなどをも踏まえて、ただ三の病態で一元的に説明できるものは何か、という診断の視点が重要かつ決定的である。これは医学的診断の常識である。
 それは池田氏指摘のミトコンドリア病MELASの診断である。

 第2に、腹痛とおう吐という点滴(筋弛緩薬投与)の前に出現した症状について、ミトコンドリア病MELAS以外にこの原因が考えられるという指摘をしない重大な欠陥があるばかりか、腹痛を筋弛緩薬中毒に結びつけようとする欠体的な誤りがある。このようなミスも、検察官の意見を下敷きにしたことに原因があると考えられる。

 第3に、○○氏は、ミトコンドリア病について「平成21年に特定疾患治療研究事業の対象に認められた難病である」と指摘している。その52番に指定されているのが、ミトコンドリア病である。その認定基準によると、A子さんケースは、ミトコンドリア病の診断の「疑い例」どころでなく「確実例」に該当するのである。
 すなわち、(1)主要症候のうち、②の痙攣、精神症状、ミオクローヌスなどに該当し、③の心筋症などの心症状に該当、(2)検査・画像所見のうち、①の乳酸値が繰り返して高いに該当するし、②の脳のCT/MRIにて、脳梗塞様病変、大脳小脳萎縮像、大脳基底核、脳幹に両側対称性の病変などを認める、に該当しているのである。
 ○○氏はその経歴が「ミトコンドリア病の診断と治療に関する調査研究班」(研究代表者)であり、認定基準に関与したとも考えられるのに(不知ではないだろう)、本意見書ではこれを無視している。

 第4に、論文執筆の正当性の疑義などという、本件の論点とは関係のない指摘をして問題をすり替えようとしていることである。これも検察官の意見を下敷きにしたことに原因があると考えられる。

3 まとめ
 今般の検察意見書(2)は、検察意見書(1)と同じく、新証拠の指摘に対して白紙答案に等しいもので、何ら批判になっていない。

2013年6月21日 (金)

半田康延氏の動向について

http://www.sendai968.jp/doctor.html

2013年6月14日 (金)

なくせ冤罪!市民評議会・設立総会

http://www.youtube.com/embed/pirgsmN5TOs

http://www.youtube.com/embed/4uan-D-p09U

http://www.youtube.com/embed/QUsgWQBfUTM

2013年5月30日 (木)

今、あまりにも改憲が叫ばれているので。

私は、ネットの中で江川紹子さんが書いた「改憲バスに乗る前に」という記事を読んで、非常に分かりやすく、理解しやすい思いで読んだものですから、是非皆様に読んでいただきたいと思い掲載するものです。

改憲バスに乗る前に
                        江川 紹子  ジャーナリスト
                         2013年5月3日 0時9分
 
 安倍首相は、念願の憲法改正に向けてテンションが高まっているらしい。外遊先でも、改憲を夏の参院選の争点にする意向を改めて示し、「まず国民投票法の宿題をやる。その後に96条から始めたい」と述べた。
 第96条は、憲法改正の手続きを定めた条文。改正の発議のために必要な「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を「過半数以上の賛成」にして、改正を容易にしようというのが、今回の改正の狙い。ただ、「96条から」との発言からも明らかなように、これはほんのとば口に過ぎない。では、ゴールはどこにあるのか。
 自民党は、昨年4月に「日本国憲法改正草案」を決定している。マスメディアでは、この問題となると、第9条を書き換えて軍隊である「国防軍」を設置することばかりがクローズアップされがち。確かに、それは重要なテーマではあるが、自民党が目指すゴールは、そういうレベルの(と敢えて言うが)ものではない。まさに「革命」に匹敵するほどの価値観の変容を、国民に迫るものとなっている。

「個人の尊重」が消えて…
まず注目すべきは、「個人の尊重」の消滅。
日本国憲法第13条は、まず最初にこう書かれている。
(すべて国民は、個人として尊重される)
一人ひとりの「個人」が等しい価値の存在として尊重される。一人ひとりが、自らの生存と自由を守り幸福を追求していく権利を有する。その権利もまた等しく尊重されなければならないーーこれは、憲法の土台であり出発点であり、憲法全体を貫く価値観と言えるだろう。
 これによって、立法その他の国政は、個人の人権を最大限に尊重しなければならない。人権と人権がぶつかり合う場合などは、「公共の福祉」の観点から調整し一部の権利が制限されることはある。だが、それは「個人」より「国家」が優先される、という類の発想とは本質的に異なっている。
ところが、「草案」ではこうなっている。
(全て国民は、人として尊重される)
 国民は、一人ひとりの違いを認め合う「個人」として扱われるのではなく、包括的な「人」というくくりの中に汲み入れられる。違いよりも「人グループ」としての同質性に重きが置かれる。しかも、その人権には、「公益及び公の秩序に反しない限り」という条件がついた。ここには、明らかに「人権」より「公益及び公の秩序」、「個人」より「国家」を優先する発想がある。
 「公益」や「公の秩序」に反すると認定されれば、「個人」の言論や思想の自由も認められないことになる。ツイッターやフェイスブックなどが普及した今、表現の自由は、多くの人にとって、情報の受け手としての「知る権利」だけでなく、発信者としての「言論の自由」に関わってくる。
 戦前の大日本国憲法は、表現の自由に「法律ノ範囲内ニ於テ」という条件をつけていた。この旧憲法下で、様々な言論が制約され、弾圧が行われた。曖昧な「公益」「公の秩序」は、国家の方針やその時の状況によって、いくらでも恣意的な規制や制約ができそうだ。
 表現の自由に限らず、「個人」より「国家」を尊重する。「人権」は「公益及び公の秩序」の下に置かれる。これが、自民党「草案」の基本。日本国憲法と似た体裁をとっているが、まったく別物であり、その価値観は天と地ほども違うと言わなければならない。

憲法が国民を縛る
 憲法の役割も、180度変えてしまおうとする。現行憲法は国民の権利を謳い、平和主義を宣言し、国の統治機構を定めた後、こう締めくくっている。

(第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。)
 天皇陛下が即位直後に、「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と誓われたのは、この条文を意識されてのことだろう。
 憲法は、この条文によって、政治家が法律を作ったり、公務員などがそれを執行する時に、憲法で定めた国民の権利を侵害するようなことがないよう、釘を刺しているのだ。つまり、憲法は、国民を縛るのではなく、政治家や公務員らの行動を縛るために存在していると、ここで念押している、といえる。
 では、自民党「草案」はどうか。
 これに当たる条文のまず最初に、こう書かれている。
 (全て国民は、この憲法を尊重しなければならない)
 憲法を「国民」の言動を律するものに変えよう、というのである。
 ちなみに大日本国憲法は、「臣民」が「憲法ニ対シ永遠ニ従順ノ義務ヲ負フ」としていた。自民党「草案」は、この点でも明治憲法に先祖返りしている。

戦争ができる国に
 そして、平和主義と安全保障の問題。
 「草案」によれば、「国防軍」の活動範囲は、自衛のための活動のみならず、相当に広い。一応、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」としているが、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」ならOK。これによって、国連が武力行使容認決議を行っていない多国籍軍に参加し、戦闘行為、すなわち殺傷行為を行うことも可能となる。
 また、「軍人」の職務実施に伴う罪や「国防軍」の機密に関する罪についての裁判は、「軍」内部に置いた「審判所」で裁く、とされる。いわゆる軍法会議の復活だろう。これについての問題点は、軍事ジャーナリスト田岡俊二さんの論稿に詳しい。
 もう1つ見過ごされがちなのが、「草案」の第9章として新しく設けられた「緊急事態」。「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律に定める緊急事態」が起きた時に、内閣総理大臣が「緊急事態の宣言」をすることができる、とする。
 とってつけたように「自然災害」が加えられているが、東日本大震災のような大規模な(しかも、原発事故を伴う)災害が起きても、日本では「公の秩序」が破壊されるような暴動など起きていない。法律や災害時の対応策をきちんと整備しておけば、憲法でわざわざ「緊急事態」の規定を置く必要はない。また、そのような「内乱」や「武力革命」が起きることも、日本では想定し難い。
 要するに、「緊急事態」は戦争を想定した規定なのだ。現行憲法に規定がないのは、戦争をしないのが前提だから。9条の改変に加え、「緊急事態」の規定を入れることで、日本は戦争ができる国へと変貌する。
 ひとたび「宣言」が出ると、内閣は強大な権限を持つ。法律と同じ効力を持つ政令を発することができる。つまり、国会抜きで国民の権利を制限することが可能。この「宣言」が発せられると、「何人も…国その他公の機関の指示に従わなければならない」とある。
 まさに、総動員態勢で国民が総力を挙げて戦争に協力する態勢を作るための基礎を固めるのが、この「緊急事態」の規定と言える。

バスに乗る前に必要なこと
 第96条改正の問題を考える時には、その先に、このような国家観、憲法観、人権などについての価値観が広がっていることを、まずは知っておく必要があるだろう。それを知ったうえで、自分の意見をまとめたい。
 マスコミも改憲ありきの雰囲気になっているし、よく分からないけど96条だけなら変えてもいいかも…という人がいるかもしれない。でもそれは、行き先も確かめずにバスに飛び乗るようなもの。
 バスに乗る前に、切符を買う前に、行き先と停まる停留所は確かめよう。

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