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鑑定

2014年3月27日 (木)

検察は、確定判決をひるがえした。(再掲)

i   検察は、ベクロニウムの未変化体がm/z557ないしm/z279のイオンで有ることを知ったので、未変化体も変化体も出たのだから、確定判決に問題はないと様々な手を使って、科学の知識がない裁判官をだまそうと出してきたといえる意見書です。

Ⅰ 大阪府警科捜研の土橋吏員の「鑑定書」に記載されていた「鑑定試料全量消費」が虚偽であった。同時に法廷での証言は偽証であった。

Ⅱ 確定判決の標品・鑑定試料から、未変化体が出たということも虚偽であった

Ⅲ 検察の苦肉の表現である「試料残渣」が有ったことは、書類があっただけで本当に平成13年5月15日に作成されたことは、なんら証明がない。書類は昨年つくったとしても何ら不自然さはない。

 

1、筋弛緩剤マスキュラックスとは

                      (オルガノン社の医薬品インタビューフ ォームより)
  一般名:ベクロニウム臭化物という。
  分子式:C34H57BrN2O4
  分子量:637.74
  性 状:白色~わずかに赤みを帯びた白色の結晶性の粉末である。エタノー(99.5)、ジクロロメタンに極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、水、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
  代謝部位及び代謝経路
      臭化ベクロニウムの代謝は動物とヒトとの間で大きな差異はなく、ヒトにおいても静脈内投与後速やかに、かつ大部分が肝に取り込まれること、代謝物としては3-OH体が生成されること、また、投与量の大部分が胆汁中に排出される(再吸収は伴わない)ことが考察された。
  臭化ベクロニウム ――→ 3-OH体(3αー脱アセチル体)
    注(未変化体)              注(変化体)
    本剤を静脈内投与した患者の血漿及び尿について、本剤と可能性のある代謝物を定量的に分析を行った結果、血漿中では未変化体のみが検出され、脱アセチル体は検出されなかった。尿中では,未変化体と3αー脱アセチル体( 3-OH体)が検出された。
 
2、土橋鑑定の虚偽の始まり。
   1999年日本法中毒学会の一般講演に発表した「ESI-LC/MSによる筋弛緩剤パンクロニウム、ベクロニウムの分析」で、
   ・・・・MSスペクトルベクロニウムM2+イオン(m/z258)のみが出現した。・・・・・
   この講演発表で、ベクロニウムの分析した結果、変化体をベクロニウムと間違って検出したことから虚偽が始まったのです。

 

「houtyuudoku.pdf」をダウンロード 

 

3、 土橋証言の偽証。
 (1)全量消費の虚偽の証言(第24回公判調書)22~23頁
  検察官  ところで、各鑑定書を読みますと、鑑定資料は、全量消費したという記載がありますが、これはどのような意味なのでしょうか。
  土橋証人 それは、すべて鑑定に使用したということです。
  検察官  鑑定資料を鑑定で使用したと、そういう意味でしょうか。
  土橋証人 はい。
  検察官  なぜ、鑑定資料を全量使用したのでしょうか。
  土橋証人 それは、分析に必要であったからです。

 

 この様に、鑑定資料を全量消費したと証言していたのですが、m/z258が変化体と知ったことからか、つじつまを合わせるため、検察は資料残渣という表現で、その資料残渣からm/z279が出たと言って、土橋証言が偽証であったこと露呈したのです。

 

(2)516(3α-OH-ベクロニウム)ベクロニウムの未変化体とした虚偽の証言
                  (第23回公判調書)48~49頁
  検察官   先ほどから証人の後証言の中で、MSIのところで、イオンを開裂させて、より小さなイオンを作るというような趣旨の御発言があったと思うのですが、m/z258 というイオンを壊しているのに、なぜ、それより大きいm/z356,374,398というプロダクトイオンが検出されるのでしょうか。
  土橋証人  これは、m/z258 のイオンが2価イオンだからです。この先ほどもチャートのところでご説明させていただきましたけれど、m/zは、このチャートの横軸の単位であります。それで258が2価イオンということですので、m/zが価数で、mは質量ですから、本来、この258というのは、516のイオンなんですそれを2価イオンであるので、m/zで表しますと516÷2で258となります。ですから、この質量分析/質量分析で、516を開裂させていると同じ意味になります。
  検察官  516を開裂させているので、356、374、398などのイオンを有するプロダクトイオンスペクトルが得られたと同じことになると、そういうことでしょうか。
  土橋証人 はい。そうです。

 土橋吏員は法廷の証言で、検察官の鑑定書に関する質問に対し、この様に答弁していますが、ベクロニウムの変化体(3-OHベクロニウム)を標品にして分析していたのです。

 (3)鑑定書は、虚偽の記載だった。
   本来、ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合かm/z279(2価の場合)のイオンが検出されるのを、標品からm/z258が検出され、鑑定資料(血漿・尿・点滴ボトル)からもm/z258イオンが検出されたから、ベクロニウムが検出されたという虚偽の鑑定書を作成したのです。

4、検察の論告要旨の誤り。 (論告要旨183頁)
  ・・・・これに対し,ベクロニウムについては,各鑑定資料からそもそもベクロニウムの未変化体が検出されたので,それ以上分解物や代謝物の 検出分析を行う必要がないと判断したもので,ベクロニウムの分解代謝物について検出分析を行わなかったことが,何ら不審を抱かせる事情になり得ないことは明らかであり,その分析を行わなかったことをもって,本件各鑑定の過程及び結果の正確性・信用性に疑問が生じる余地はない

 

             (土橋証言 24回8~9,25回83~84)。      また,本件各鑑定において,いずれも鑑定資料が全量消費されたが,これは,本件各鑑定の鑑定嘱託に際し,鑑定事項としてその含有の有無が明 示されていたベクロニウム,スキサメトニウム,塩酸ミノサイクリン以外の薬毒物についても,その含有の有無を検査,分析したからであり,そこには合理的な理由が存在し,その必要もないのに意図的に鑑定資料を全量 消費したのではないことは明白である(土橋24回22,38~42)以上のとおりであるから,本件各鑑定は,その鑑定人の知見,分析手法 のいずれも極めて信用性が高く,その各鑑定結果が正確で十分信用できることは明らかである。

 

5、仙台地裁の判決文の誤り。 (仙台地裁判決文70頁)
  ・・・・土橋吏員の証言によれば,スキサメトニウムについてはベクロニウムより分解が早く進むことから,当初から分解代謝物のことも念頭におき,検出されなかった未変化体以外に,分解代謝物の分析をも試みたのに対し,ベクロニウムについては各鑑定資料から未変化体が検出されたためそれ以上に代謝分解物まで調べる必要性が認められなかったことから,その分析は行わなかったものであり,両者の扱いを異にした合理的理由が認められるから,これが不自然とは認められない。

 

仙台高裁判決文の誤り。(仙台高裁判決文4~9頁)
   イ 本件各鑑定において,その定性分析については,液体クロマトグラフィー・質量分析・質量分析(LC/MS/MS)が用いられ,各鑑定資料につき,m/z258というイオンをプリカーサイオンとして生成されたプロダクトイオンとして,m/z356,374,398等のイオンが検出され,これは同一方法,条件で標品のベクロニウムを分析した結果と一致し,その発現時間もほぼ同一であったことが認められたとして,各鑑定資料についてベクロニウムが含有していると結論付けられている。また,定量分析においては,点滴溶液については,イオンクロマトグラフィーが用いられ,血清,尿の生体試料については,LC/MS/MSが用いられ,前記結果を得ている。


(2)本件各鑑定自体の評価
 本件各鑑定を行った土橋吏員及び西川吏員は,本件各鑑定を行うための十分な学識と経験を有しており,その研究成果に基づき本件各鑑定もなされているもので,原判示のとおり本件各鑑定の手法,過程,及び結果に疑問とする点はなく,本件各鑑定は合理的で妥当なものとして是認できるのであり,所論指摘の点を検討しても,これが左右される点は認められない。
(3) 外国論文4点及び鑑定意見書について
  弁護人は,ベクロニウムの質量分析に関する外国論文4点(当審弁52ないし55)及び福岡大学医学部医学教室教授影浦光義作成の鑑定意見書(=影浦鑑定意見書)(当審弁56)に照らし本件各鑑定結果が信用性がない,と証拠意見する。すなわち,本件各鑑定は,m/z258をプリカーサイオンとしているが,標記外国論文4点によれば,ベクロニウムをLC/MSないしLC/MS/MSで質量分析した場合,ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンが検出され,m/z258のイオンが検出されたとする記載がない,ベクロニウムの分子量からみて,m/z258その他のイオンが検出されたとしても,そのことが当該イオンがベクロニウムに由来するとはいえない,したがって,鑑定資料から検出したイオンm/z258等を根拠として,その資料にベクロニウムが含まれていたと判断することはできない,などというのであり,また,影浦鑑定意見書によれば,影浦教授も本件各鑑定においてm/z258のイオン及びそのプロダクトイオンの出現から,これをベクロニウムであるとしたのは間違いであるとした上,西川,土橋吏員らの論文では,何故構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのか納得し得る科学的根拠が見いだせない,などとしていることからみて,本件各鑑定書には信用性がないと証拠意見するのである。
 しかしながら,土橋吏員の証言(第23回)によれば,LC/MS/MSにおいては,分析の過程で電圧,カラムなどの分析条件や使用器具に関し同じ条件で分析すれば,検出されるイオンの種類,発現時間は同一になるが,条件が変われば結果も変わるというのであるから,分析条件に関わらず分子量関連イオンが必ず検出されるといえない。
  土橋吏員らの分析方法は所論指摘の日本法中毒学会の雑誌「法中毒」1999年5月号に,「パンクロニウムとベクロニウムの分析方法」(=西川・土橋論文)(当審弁51)として掲載,発表されているのであり,本件各鑑定もこの手法によるものであるが,影浦鑑定意見書が指摘するまで,これが誤りであるとの指摘がなされてきたことがうかがわれず,その再現性,有効性が承認されてきたことがうかがわれる。
 そして,土橋吏員らは,薬毒物の鑑定は年間150件くらい行い,これまで筋弛緩剤の鑑定は15件,資料の点数にして50点くらいの経験があり,うち生体資料の鑑定は10件くらいで,筋弛緩剤が検出された例は3件くらいあるというのであり,その薬毒物分析実務経験を通し,LC/MS/MSの特性を踏まえた最良の分析条件と思われる条件を把握しており,これを生かしながら,分析装置及び分析条件を同一にして,鑑定資料を分析する郁度標品のベクロニウムについても分析をする必要性を強調した上,同一条件下で,標品のベクロニウムで検出されたイオンの種類,発現時間と試料のそれとを対照して同一性の判定をしているのであり,べクロニウムからm/z258のイオンが出現していることを疑う理由はない


  なお,土橋吏員の証言(第24回,第25回)によれば,

 本件各鑑定において,各鑑定資料からベクロニウムの未変化体が分離・検出されていることが認められるから,m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したベクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである。
  これに対し,影浦鑑定意見書は,前記のとおりの意見を提出しているのであるが,影浦教授がこれまでどの程度ベクロニウムの分析経験を有するのか不明であるばかりでなく,添付資料から見て,その試験条件について,その装置が西川・土橋論文ないし本件各鑑定書と同様の装置を用いたか不明であり,分析条件が異なることは明らかである。影浦教授が,構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのを納得し得る科学的根拠が見いだせないからといって,西川・土橋論文が分析条件を呈示し,ベクロニウムであることが疑いようがないベクロニウム標本からm/z258のプリカーサイオンを得ているのに,同様の装置及び分析条件を用いてその再現性を確認しないで,自己の分析試験から西川・土橋論文の手法,結果を非難するのは一面的であり,本件各鑑定の信用性を損なうものとはいえない。
  さらに,外国論文4点は2000年以降に公表されたものであり,そのうち2000年に公表された当審弁55の論文は,ベクロニウムの検出についてはその代謝産物である3―デスアセチル―ベクロニウムを検出する方法が数件報告されているのみであるという時点のもので,ベクロニウムについて二価イオンを記載しているものであり,2002年以降公表された残る3論文は,ベクロニウム等の4級窒素筋弛緩薬について,いずれも6種類,7種類,8種類の多種類の筋弛緩薬を抽出し検定,あるいは検定,定量する方法を開発したとするものであって,そのうち,例えば,当審弁53によれば,4級窒素筋弛緩薬の抽出は困難であるとされ,文献報告された分析方法のほとんどは1ないし2種類の化合物を抽出するのに適した条件で実施されているが,同論文著者らは,7種類の4級窒素緩弛緩薬の一般的な抽出方法による検出方法を見付けたとし,当審弁52,54も同様の指摘や成果を報告しているのであり,これらの記載からも1ないし2種類の化合物を抽出するのに適した分析条件とは異なることがうかがわれるのであり,その実験条件の記載をみても,土橋吏員らのそれと同一ではないし,外国論文4点もベクロニウムからm/z258のイオンが出ることを否定しているわけでもない。
 さらに,外国論文4点及び鑑定意見書においては,ベクロニウムについはm/z557ないしm/z279のイオンのみが検出されているが,上記各外国論文によっても他物質についてではあるが分子量関連イオン以外に分子の一部が開裂したイオンが検出されている例も見受けられるのであるから,分子量関連イオンのみが必ず検出されるといえないことは明らかである。
 また,外国論文4点及び影浦鑑定意見書の試験結果でも,フラグメントイオンには本件各鑑定と同様の249,356,398,416の1つまたは3つが出ているところ,弁護人は,そのようなフラグメントイオンが出ていても,プリカーサイオンのm/z258が何に由来するか分からないから,ベクロニウムとはいえない,というが,本件各鑑定においては,ベクロニウムの標品自体からm/z258のイオンが出されて上記及び374のフラグメントイオンが出ており,本件各鑑定資料がこれと同様のプリカーサイオンで同様のフラグメントイオンを呈しているのであるから,ベクロニウムと認定した本件各鑑定に何ら信用性を疑う点はない。
    したがって,外国論文4点及び影浦鑑定意見書におけるLC/MS/MSないしLC/MSと分析条件等が異なることが明らかな本件各鑑定において,ベクロニウムの標品からm/z258のイオンが検出されたことが,不合理であるなどということはできないのであり,外国論文4点及び影浦鑑定意見書は本件各鑑定の信用性を左右するとはいえない。

6、最高裁に対する最高検察庁の答弁書(19頁)                                   ・・・・そもそも、ベクロニウムが水溶液中で分解しやすい性質を有していることは、土橋鑑定人もこれを熟知した  上で本件鑑定に臨んでいるのであるから、本件鑑定において、ベクロニウムを誤って分解させてしまった結果、3脱アセチル化体のベクロニウムを分析したなどということはあり得ない。

 

 このように、土橋鑑定人をあたかも優秀な鑑定人の様な表現で検察官は答弁していると共に、仙台高裁の裁判官も「本件各鑑定を行うための十分な学識と経験を有しており,その研究成果に基づき本件各鑑定もなされているもので」と盲目的に土橋吏員を信じ込み評価していたのでしたが何のことはない加水分解があることすら理解しない土橋吏員は、基本的な知識もない、ただの分析屋だったことが明らかになりました。残念ながら大阪府警科捜研の歴史に汚点を残すかもしれない職員だと思います。

 検察・最高検察・仙台地裁・仙台高裁・最高裁と、土橋吏員の証言を鵜呑みにして、誤った判決を行ったことが、明白になりました。 

7、筋弛緩剤マスキュラックス(臭化ベクロニウム)の分子量は637.74です。
 ※参考 1995年12月改訂(第2版) 
  日本標準商品分類番号 871229           
  オルガノンテクニカ社の「有効成分に関する理化学的知見」の分子量は637.74です。

8、ベクロニウムの分子量は、557.82738になります。
  分子式 C(炭素)34・H(水素)57・Br(臭素)・N(窒素)2・
      O(酸素)4
 原子量  C12.0107  H1.00794   Br79.904  N14.0067 

                 O 15.9994
 408.3638 +57.45258 + 79.904 + 28.0134 + 63.9976 = 637.73138
 臭化ベクロニウムの分子量は約637です。
 臭化ベクロニウムから臭素の原子量を除いて、ベクロニウムの分子量を求めた場合の分子量は、約557になります。

9、ベクロニウムの分子量約557から導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンが検出されるのです。
 ベクロニウムの質量分析に関する外国論文及び福岡大学医学部医学教室 教授影浦 光義作成の鑑定意見書(影浦鑑定意見書)では、土橋鑑定は, m/z258をプリカーサイオンとしているが,ベクロニウムをLC/MSないしLC/MS/MSで質量分析した場合,ベクロニウムの分子量約557か ら導かれるm/z557(1価の場合)かm/z279(2価の場合)のイオンだけが検出されると、指摘していたのです。

10、再審請求に対する検察意見書の詭弁。

                           (意見書16頁)
(1)宮城県警科捜研で分析した結果m/z279及びm/z557の他に、m/z258 も検出できた。                 
 宮城県警科捜研が行ったべクロニウム標品の分析結果は,以上のとおりであって,この分析結果によれば,m/z279及びm/z557のほかに,m/z258も検出できたのである。ところで,ベクロニウムをESI法によってイオン化した場合に検出されるm/z558又はm/z279のイオンは分子量関連イオンであり、他方,ベクロニウムは容易に加水分解しやすい性質を持つ化合物であり,その分解化合物のうち主要なものが3-OHベクロニウムである。そしてm/z258,この3-OHベクロニウム又は17-OHべクロニウムに由来するイオンである。

 未変化体を認める方法として、ついに平成24年11月6日付けで、検察が宮城県警に鑑定嘱託を行い、平成24年12月7日付けで、宮城県警科捜研から回答をもらってm/z279及びm/z557を検察が認めたのです

(2)ベクロニウムが加水分解して変化体になった。(意見書17頁)
  マスキュラックスなどの臭化ベクロニウムには,その合成過程で未変化体であるベクロニウムが加水分解した結果,その分解物である3-OHベクロニウムを始めとするベクロニウムの脱アセチル化体が夾雑物として混入している可能性のあることが薬品メーカーの分析によって確認されている(甲250号証10ページ)。したがって,分析の際に用いた臭化ベクロニウム標品自体に,加水分解物としての3-OHべクロニウムを始めとする脱 アセチル化体が含まれており,この夾雑物としてのべクロニウムの脱アセチル化体である3-OHベクロニウムあるいは17-OHべクロニウムから,定性分析において、m/z258が検出された可能性を指摘することができる。

  この様に、標品を正確に分析できなくて、加水分解した可能性があるとしていますが、大阪府警科捜研の土橋吏員は、証言で臭化ベクロニウムではなく、ベクロニウムを標品として鑑定を行ったと言っているが検察は虚偽の意見を記載している。また、標品を加水分解させて行う様な、いい加減な職員であることが証明されました。

これで、確定判決で、m/z258は未変化体と言っていたことが崩れ、変化体であることを認めたのです。

(3)大阪府警科捜研の土橋吏員は、全量消費したと証言したが、証言をひるがえしたのです。            (意見書23~24頁)
 また,土橋吏員らは,本件鑑定書作成後, 鑑定試料の残渣及びべクロニウム標品のLC/MS/MS分析により,m/Z279をプリカーサーイオンとしてプロダクトイオンス キャンを行ったところ,保持時間2.7分にm/Z356,398,430等のイオンを有するプロダクトイオンスペクトルを得ている。                      (平成13年5月15日付けの鑑定に関する補足事項より)   

その検査の経過と結果は,次のとおりである。
 ⅰ すなわち,土橋吏員らは,各被害者の血清,尿及び点滴輸液を,鑑定資料としては全て分析に供したものの,鑑定終了時点で,①血清及び尿については,いわゆるカートリッジ抽出という前処理を加えたもののうち分析後に残存した試料残渣を,また,②点滴輸液については,筋弛緩薬以外の薬毒物検査において非破壊分析に使用した後に残った試料残渣を,それぞれ冷凍保存した。
 ⅱ 土橋吏員らは,平成13年2月ころ,べクロニウムの標品をLC/MS/MSで分析した場合,MSIにおいて,m/z279が検出されるという補助的な知見を得たことから,前記の試料残渣について,LC/MS/MSによる分析を試みたものである(ここで分析に用いられたのは,鑑定資料の残渣ではなく,鑑定資料の抽出操作で得られた試料の残渣ないし非破壊分析に使用した後に残った試料残渣である。)。
 

 土橋吏員は、あれほど証言で、鑑定資料を全量消費したと言った証言を覆し、標品のベクロニウムおよび各資料を分析したところ、・・・・・m/z279を検出したと、言い出しているが、平成13年5月頃に作成されたという根拠は、どこにも有りません。 さらに、検察では、「資料残渣」と言っているが、土橋吏員の「鑑定書に関する補足事項」では、「資料残渣」という言葉は一切使っておりません。 標品のベクロニウムおよび各資料と記載しているのです。また、土橋吏員は、平成24年12月6日付けの仙台地方検察庁からの照会に対し平成24年12月13日付けの回答では、「検査試料の残ったバイアル瓶」と言ってるのです。 
 注(一般にバイアル瓶とは、医療薬品を封入する管瓶(カンビン)を指します。)
 すなわち検察は、どうしても未変化体であるm/z279を認める口実に、全量消費では確定判決を維持出来なくなって「資料残渣」を持ち出したのです。

11、速やかに再審を開始すること。
  以上の通り、有罪の決め手になった「鑑定」が根底から崩れたこと等、確定判決が虚偽の判決文であったことが明らかになったいま、再審開始を行い真実を探求することを裁判所に求められているということです。

12、再審について
刑事訴訟法第435条
【再審を許す判決・再審の理由】再審の請求は、左の場合において、有罪を言渡した確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。  
1、項省略
2、原判決の証拠となった証言、鑑定、通訳、又は翻訳が確定判決により虚偽であったことが証明されたとき
3、~7項省略

2013年11月26日 (火)

土橋均吏員(大阪府警科捜研)の鑑定は虚偽であった。

大阪府警科捜研の土橋均吏員(事件当時)の鑑定は虚偽であった。

 

 

 

詳細は、カテゴリー「鑑定」のところに、これまで掲載した記事がありますので読んでください。

 

 

2013年10月11日 (金)

裁判官・検察官をだました土橋吏員と、だまされても気づかない裁判官と検察官。

 これから、法廷での証言を記載しますが、こんな問答を聞いてた裁判官は、それでも証言の確認をしないで、土橋吏員を優秀な科学者だと思いこみ、判決文を書いたのです。

 

   証人尋問調書(第23回公判調書48~49頁)
検察官  先ほどから証人の御証言の中で、MS1のところで、イオンを開裂させて、より小さいイオンを作るというような趣旨の御証言があったと思うのですが、 m/z258というイオンを壊しているのに、なぜ、それより大きなm/z356、374、398というプロダクトイオンが検出されるのでしょうか。

 

土橋証人 これは、m/z258のイオンが2価イオンだからです。この先ほどもチャートのところでご説明させていただきましたけれど、m/zは、このチャートの横軸の単位であります。それで258が2価イオンということですので、m/zが価数で、mは質量ですから、本来、この258というのは516のイオンなんです。それを2価イオンであるので、m/zで表しますと、516÷2で258となります。ですから、この質量分析/質量分析で、516を開裂させていると同じ意味になります

 

検察官  516を開裂させているので、356、374、398などのイオンを有するプロダクトイオンスペクトルが得られると、同じことになると、そういうことでしょうか。                                                                                      土橋証人 はい。そうです。

 

 

 

※ 「まず516÷2で258となります。」と土橋証人がいっておりますが、516とは何ぞやと言うことです。これは、ベクロニウム臭化物が加水分解した(変化体)の脱アセチル体なのです。
 356は、脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)  
  374は、3,17脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)
  398は、脱アセチル体のフラグメントイオンです。(変化体)

 

 

 

 これらを、土橋吏員は、全て未変化体と言って、それを裁判官は信用して

 

  (仙台地裁判決文70頁)
  ・・・・土橋吏員の証言によれば,スキサメトニウムについてはベクロニウムより分解が早く進むことから,当初から分解代謝物のことも念頭におき,検出されなかった未変化体以外に,分解代謝物の分析をも試みたのに対し,ベクロニウムについては各鑑定資料から未変化体が検出されたため,それ以上に代謝分解物まで調べる必要性が認められなかったことから,その分析は行わなかったものであり,両者の扱いを異にした合理的理由が認められるから,これが不自然とは認められない。

 

 こうして、守大助さんを有罪にしたのです。これほど明快な虚偽の判決文を裁判官は何と弁解するのでしょうか。いい加減素直に反省することが、裁判官に求められているのではないでしょうか。

 

 

2013年4月 5日 (金)

検察官は法廷で、全量消費に荷担した。

・・・・・・・・・・・・
問  再度入手することが容易な試料であれば,ある人の血液とかですね,またもらいに行けばいい,というようなことであれば,それは全量消費してもまた手に入るかと思う.んですけども,そういった入手が可能な,容易な試料と,現場で1回限り採取された現場試料とで,試料の一部を残すべきか,それともそういうことを考えずに全部使っていいかという判断に違いはありますか。
土橋証人 あまりないんですけれど。再度入手できても,そのときに採った血液というのは,もうその血液だけですから。2回目のときは状態も変わってますし,それは同じ試料とは言えないと思います。


問  化学的にはね。そうすると,昨日から何度かお聞きしているんですが,証人は再鑑定の可能性への配慮は特にはなさらなかった,ということでいいんですね。
土橋証人  そうです。
問  犯罪捜査規範の186条というのを御存じですか。
土橋証人   聞いたことあります。


問  そこには,なるべくその全部を用いることなく,一部をもって行ない,残部は保存しておくなど,再鑑識のための考慮を払わなければならない,というふうにうたってあるわけなんですが,このルールとその証人の鑑定におけるスタンスとは。
検察官
   裁判長,犯罪捜査機関の効力が証人に及ぶのかどうか,その点についてまず論証しなければ,今の質問は不適当と考えます。少なくとも犯罪捜査機関の主体は警察官となっております。
裁判長
  御意見があれば。  ・・・・・・・・

 

 

 

 この様に、検察官は、「犯罪捜査規範」を知っていて、発言したとすれば、証拠の全量消に荷担した発言を行っていたのです。検察官として知らなかったとすれば、まさに税金泥棒と言われる様な公務員です。
  また、土橋鑑定人は、大阪府警科捜研の技術吏員として採用されているのですから、犯罪捜査規範を教育受けていたことは間違いないのです。従って、「聞いたことがあります」とは鑑定人の資格が全く無い、ただの分析職人ということが明らかだと考えられます。

 

  参考
犯罪捜査規範
(昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号)

 

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
2  警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

 

(再鑑識のための考慮)
第百八十六条  血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たつては、なるべくその全部を用いることなく一部をもつて行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。

2013年2月17日 (日)

土橋均吏員(現大阪医大准教授)の虚偽の原点。

 土橋吏員が、ベクロニウム標品のベクロニウムのエレクトロスプレーイオン化におけるベースピークであるm/z258をプリカーサイオンとした誤りの原点である「法中毒」の講演要旨を掲載します。

 

「houtyuudoku.pdf」をダウンロード 

 

なお、以前も掲載しました、臭化ベクロニウム・ベクロニウム・3αーOHベクロニウム・3α,17βーOHベクロニウムについて、再度掲載します。

 

「vecuronium_bromide_1.pdf」をダウンロード 

 

 

2013年2月10日 (日)

裁判官をだませても、国民はだまされない。(鑑定書はねつ造された。)

 5件の鑑定書のうち3件に、「標品の臭化ベクロニウムのイオンクロマトグラム」を添付しているが、土橋吏員は、マスキュラックス(臭化ベクロニウム)ではなく、標品はベクロニウムを使用したと証言しています。さらに、メーカーから頂いたものには、含有率とかと言っておりますが、当然分子式や分子量が記載された書類が添付されていたものと推認できます。
 したがって、鑑定書は、ねつ造したものではないかと思います。

 

臭化ベクロニウムは分子式で Br C34H57N2O4    分子量637.744  です。

 

ベクロニウムは、分子式で  C34H57N2O4    分子量557.84  であり臭素は入っていないのです。

 

                              (第26回公判調書39~40頁)
主任弁護人 ・・・・そこでお尋ねしますが,この標品っていうのは,大阪府警で用いられられてる標品というのは,具体的にはどういうふうにして入手され,どういう品質のものなんですか。
土橋証人  メーカーから頂いたもので・・・
そのときの含有率とかですね,そういうものが書いてあるものです
主任弁護人 市販されているものとは異なるものである,というふうに聞いてよろしいですか。
土橋証人  ベクロニウムは市販されておりません。
主任弁護人 ですから,いわゆる市販されているものとは,まったく別のものであるとらうふうに聞いてよいわけですね。
土橋証人  市販されているっていうのは。
主任弁護人 マスキュラックスとか,あのサクシンとか。
土橋証人  それはもう製剤です。で,我々が持っているベクロニウムっていうのは,マスキュラックスも持ってますけれど,
今回の標品というのはベクロニウムそのものです。
主任弁護人 なるほどね。それはメーカーといいますと,いわゆるオルガノン社っていいますか。
土橋証人  そうです。
主任弁護人 あそこから入手してるわけ。
土橋証人  はい
主任弁護人 状態はどういうものなんですか,粉末なんですか,液体。
土橋証人  
白色の粉末です。

 

 この様な証言をしていたのですが「、含有率とかですね、そういうものが書いてあるものです。」ということは、当然分子量や分子式加水分解しやすいものであること等が記載した書面がついていたことは,当時のオルガノン社の医薬品インタビューフォームを見れば明らかです。

 

現在の医薬品インタビューフォーム

 

「2011MUSCULAX.pdf」をダウンロード 

 

 従って、標品として正確に定性分析、質量分析を行えば、未変化体m/z279が出てくるのです。

 

 本当に鑑定をおこなったなら、変化体m/z258が出たときに気づくはずです。それを未変化体だと言い切って、鑑定資料(血清・尿・点滴ボトル)からもm/z258の未変化体が検出されたといったことは、標品の鑑定は行わず、1999年に日本法中毒学会で一般講演をした、「ESI-LS-/MSによる筋弛緩薬パンクロニウム、ベクロニウムの分析」を自ら盲信し、今回の鑑定を講演要旨に合わせたことから、標品からも未変化体m/z258が出ました。鑑定資料からも未変化体m/z258が出ました。とねつ造しなければならなかったのだと推認されます。

 

 つまり、自分が学会で発表した講演を否定する勇気が無かったため、鑑定書をねつ造したと推認できます。

 

 さらに、一番最初に作成した鑑定書は平成13年1月19日付けです。すでにこの時には、守大助さんは、犯行は行っていないと、警察・検察に対し明確に意見を言っていたのです。それを知っていて、鑑定資料を全量消費したと鑑定書に記載したことは、明らかに再鑑定を不可能にしたのです。

 

 彼は、科学者ではなく、大阪府警科捜研に採用されたただの技術職員であったことが、今回の検察の意見書で明らかになったのです。

 

 確定判決で、裁判官は、土橋証言を根拠に未変化体が出たと言うことが覆ったいま、速やかに再審を開始することが、とるべき道だと確信をもっていえます。

 

 しかし、検察は未変化体であろうが変化体であろうが、出たのだから再審の必要はないと言ってくることは明白です。

 

 裁判官は、検察の主張に迎合することは目に見えます。その前に「変化体」と「未変化体」が、構造式・示性式・分子式・分子量が全く違うということを、裁判官という職責を全うするため化学を学んで、真実の探求に努力することを切に願うものです。

 

 これからは、過去の検察のでたらめさを明らかにすると共に、重要なことは確定判決が虚偽の判決であることを明らかにしてゆき、確定判決を下した裁判官が、自ら医療法・薬事法・産業廃棄物処理法等を調べようとしないで、法律違反を見逃し誤った判決文を書いたことを明らかにして行きます。

 

 

2013年1月 2日 (水)

土橋鑑定は証拠・証明能力もないことが明らかになりました(概略)

土橋鑑定について内容を検討した結果 土橋鑑定は証拠能力も証明能力もないことが明らかであると思いその概略を理解していただくため掲載するものです。

 

1 鑑定とは
 今回の鑑定は、血清、点滴ボトル、尿(以後資料という。)から筋弛緩剤の成分であるベクロニュウムが検出されるかどうかを、調べるものであります。

 

2 鑑定の方法は
  液体クロマトグラフィーという分析装置と、質量分析装置を使って、
  ○ 資料の中に、ベクロニュウムの成分が含まれているか(定性分析)。
   ○ 資料の中に、ベクロニウムがの成分か含まれている量(定量分析)
    ○ 資料から検出されたイオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離検出(質量分析)して、分子量関連イオンを検出する

 

    ○ 標品(北陵クリニックから持っていったと称されるマスキュラックス1本)を資料と同様に分析して、同様のデータが出たかを分析したのでした。

 

3 鑑定の結果
  鑑定書の記載から読みとれる鑑定手順は下記の通りであります。

 

 ① 標品は蒸留水で1mg/mlの濃度に溶解し、鑑定資料は前処理を施した上でLC/MS/MSの分析装置で分析を行いました。

 

 ②  標品のベクロニウムを質量分析したところMS1でm/z258のイオンがベースピークとして検出されたとしております。

 

 ③ 標品の分析終了後、m/z356についてその強度を示すマスクロマトグラムを表示したところ、保持時間約5、4分にピークを確認できた。また、m/z258をプリカーサーイオンとする全イオンの強度(電気量)を加算した全強度の時間変化(保持時間)を示すトータルイオンクロマトグラムを表示したところ、同じく、約5、4分保持時間の位置にピークを確認できたとしております。

 

 ④ MS1で検出されたベースピークであるm/z258をプリカーサーイオンとしてMS2でこれを開裂させた際のマススペクトルが図2下段である。プロダクトイオンとしてm/z258、356、374等が検出されたとしております。

 

 ⑤ 鑑定資料も同様の方法でLC/MS/MSによる分析を行った結果、同様の結果を得ることができた。よって、鑑定資料にはベクロニウムの含有が認められたとしたのでした。

 

4 弁護団の主張
 ① 土橋鑑定は、定性分析をLC(液体クロマトグラフィー)段階においても、MS(質量分析)段階でも一切行っていないのです。

 

 ② 土橋鑑定には、m/z258のプロダクトイオンのマススペクトルは表示しているが、肝心の標品と鑑定資料を質量分析した1段目の質量分析のマススペクトルの表示がないのです。
  
 ③ 土橋鑑定で観測されたイオンの値m/z258とそのフラグメントイオンだけとされているのです。
      しかも、標品及び鑑定資料からm/z258のイオンが検出した事実を示すマススペクトルは鑑定書に示されていないのです。

 

  ④ 土橋鑑定は、ベクロニウムの質量分析を行った場合にm/z258のイオンが検出されることを前提に行われているのです。
      これは、西川と土橋が「ESIーLC/MSによる筋弛弛緩薬パンクロニウム、ベクロニウムの分析」と題した講演要旨「日本法中学会第18回年会講演集」を前提としているのです。

 

5 鑑定の経過と結果のまとめ
(1)土橋鑑定には必要なデータ表示がなく再現性がないのです。
   土橋鑑定において示されているデータが極めて限られており、同分析を再現することが可能かとの疑問は第1審段階から指摘されていました。
   実験ノート等の提出もなく、どのような手順で分析を行ったのかを明らかにする客観的証拠は全く提出されていないからであります。
   土橋鑑定の内容がその再現性、客観性を担保するために不十分であることは、実験ノート等の不存在だけに止まらない。ベクロニウムの定性、定量に必要な基本的なデータさえ提示されていないのであります。
   定性のためのデータであるクロマトグラム、マススペクトルの提示は全くないのです。
   定量のためのデータ表示が全くないのです。
   本件のような精密な定量分析において検量線等のデータ表示がないことは、これを再現できないことを意味するのです。
   再現性のない結果だけが表示されている鑑定を公正であると評価することはできないことは、当然なことです。
(2)土橋鑑定が分析した化合物はベクロニウムではないのです。
   土橋鑑定に対する疑問は必要なデータを示してないと言う点だけに止まらない。結論そのものが誤っているからであります。
   ベクロニウムの質量が約557であることは公知の事実であります。
    これを質量分析したばあい、検出されるイオンはm/z557あるいはm/z279である。これは、2審・弁52ないし56により明らかであります。
    原審は、分析条件により検出されるイオンは異なるとしているが、この考え方は、質量分析とは相容れないものであります。
   ESI-LC/MS/MSにより化合物を分析した場合に、分析条件により変化するのは、LC(液体クロマトグラフ)の保持時間、そして、検出されるイオンの強度だけであります。
   検出されるイオンの値、すなわちマススペクトルに変化はないのです。
   前述の通り、弁護人が提出した論文ではESI-LC/MS/MSによりベクロニウムを分析した場合に検出されるイオンは、m/z557あるいはm/z279であり、フラグメントイオンとしてもm/z258のイオンは検出されていないのです。
   ESI法によるベクロニウムの質量分析においてフラグメントイオンである、m/z258のイオンがベースピークとして検出されるとする報告もないのです。

 

   よって、m/z258のイオンが、ベクロニウムの分子量関連イオンが開裂したものでないことは明らかである。m/z258のイオンは、質量約258あるいは516のベクロニウムとは別の化合物の分子量関連イオンなのであるのです。

 

 土橋鑑定が検出した定性・定量した質量258あるいは516の物質はベクロニウムではない。これを、ベクロニウムとして分析対象とした土橋鑑定のあやまりは明らかであります。

 

 

2012年9月11日 (火)

太陽は条件が変われば西から昇る(仙台高裁判決文より)

私は、仙台高裁に提出した弁護団の控訴趣意書を読み返して、大阪府警科捜研の土橋鑑定書がベクロニュウムを検出していないことを明確に指摘しているにもかかわらず、仙台高裁は無視していることに対し、仙台高裁の公判当時は、いきどうりでいっぱいでしたが。現時点では、仙台高裁が誤った判決を行って、えん罪を作った歴史に残る証拠として貴重な判決文であると思っております。

 

仙台高裁の判決文6頁から

 

 しかしながら,土橋吏員の証言(第23回)によれば,LC/MS/MSにおいては,分析の過程で電圧,カラムなどの分析条件や使用器具に関し同じ条件で分析すれば,検出されるイオンの種類,発現時間は同一になるが,条件が変われば結果も変わるというのであるから,分析条件に関わらず分子量関連イオンが必ず検出されるといえない。
 土橋吏員らの分析方法は所論指摘の日本法中毒学会の雑誌「法中毒」1999年5月号に,「パンクロニウムとベクロニウムの分析方法」(=西川・土橋論文)(当審弁51)として掲載,発表されているのであり,本件各鑑定もこの手法によるものであるが,影浦鑑定意見書が指摘するまで,これが誤りであるとの指摘がなされてきたことがうかがわれず,その再現性,有効性が承認されてきたことがうかがわれる。
 そして,土橋吏員らは,薬毒物の鑑定は年間150件くらい行い,これまで筋弛緩剤の鑑定は15件,資料の点数にして50点くらいの経験があり,うち生体資料の鑑定は10件くらいで,筋弛緩剤が検出された例は3件くらいあるというのであり,その薬毒物分析の実務経験を通し,LC/MS/MSの特性を踏まえた最良の分析条件と思われる条件を把握しており,これを生かしながら,分析装置及び分析条件を同一にして,鑑定資料を分析する郁度標品のベクロニウムについても分析をする必要性を強調した上,同一条件下で,標品のベクロニウムで検出されたイオンの種類,発現時間と試料のそれとを対照して同一性の判定をしているのであり,べクロニウムからm/z258のイオンが出現していることを疑う理由はない。              
 
なお,土橋吏員の証言(第24回,第25回)によれば,本件各鑑定において,各鑑定資料からベクロニウムの未変化体が分離・検出されていることが認められるから,m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したベクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである。
 これに対し,影浦鑑定意見書は,前記のとおりの意見を提出しているのであるが,影浦教授がこれまでどの程度ベクロニウムの分析経験を有するのか不明であるばかりでなく,添付資料から見て,その試験条件について,その装置が西川・土橋論文ないし本件各鑑定書と同様の装置を用いたか不明であり,分析条件が異なることは明らかである。影浦教授が,構造の類似したベクロニウムとパンクロニウムが異なった機序でイオン化するのを納得し得る科学的根拠が見いだせないからといって,西川・土橋論文が分析条件を呈示し,ベクロニウムであることが疑いようがないベクロニウム標本からm/z258のプリカーサイオンを得ているのに,同様の装置及び分析条件を用いてその再現性を確認しないで,自己の分析試験から西川・土橋論文の手法,結果を非難するのは一面的であり,本件各鑑定の信用性を損なうものとはいえない。

 

この様に、土橋証言を鵜呑みにして分析条件が違えば違う指数値が出るなどと科学を全く理解しない判決をしているのです。

 

私は、この裁判官の判決文は、「太陽は東から昇るが、条件が変われば西からも昇る」というような判決だと思っております。

 

これを最高裁が何のためらいもなく、踏襲したことと思い震えが止まりませんでした。全く科学を無視した非科学的な知識を持った裁判官が人間を裁いている現実に、呆然とするとともに怒りと、絶対に許すことが出来ないと思いました。

 

追加 (2013年3月30日記載)

 

確定判決では、標品と鑑定試料(血清、尿、点滴ボトル)からベクロニウムの未変化体が検出されたとしていたが、昨年12月20日の検察の意見書では、変化体だったと覆したのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年8月29日 (水)

大阪府警科捜研の土橋吏員は証拠隠滅と偽証では。

大阪府警科捜研土橋吏員は、法廷において偽証を行ったのではないでしょうか。
同時に、証拠隠滅を行ったのではないでしょうか。

 

論告要旨P152
 ところで,大阪府警科捜研の土橋技術吏員は,A子の血清等の鑑定嘱託を受け,これらの鑑定資料を受領したが,鑑定資料が同時に4点も持ち込まれたため,宮城県警科捜研に対し,その後の鑑定嘱託に当たっては,ベクロニウム等鑑定対象薬物が含有されている可能性があるものを選別した上で鑑定嘱託をしてほしい旨を要請し,これを受けて,宮城県警科捜研では,Sに投与された点滴溶液の残溶液に臭化ベクロニウムが混入されていれば,同溶液中から臭素が検出されることになるから,同溶液について,臭素含有の有無の予備試験を行った上,臭素の含有が認められた場合に同溶液を大阪府警科捜研に鑑定嘱託することとした

 

これが検察の論告要旨です。

 

仙台地裁判決文P47~48
・・・・・・ところで,大阪府警科捜研は,当時多忙であったところを,前記のとおり12月12日に―度に大島事件及び高橋事件の各資料が持ち込まれたことから,宮城県警科捜研に対し,今後鑑定資料を持ち込む場合には,臭化ベロニウムの含有する可能性が高いものを選別してからにしてほしい旨依頼し,これを受けた宮城県警科捜研において,上記点滴ボトル内の溶液につき臭素含有の有無の予備試験を実施することとした。・・・・・・・

 

これが判決文です。

 

法廷での大阪府警科捜研土橋吏員の証言

 

問 では,大阪府警科学捜査研究所のだれかが,宮城県警科学捜査研究所の方に,鑑定嘱託をする試料について,臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことがありましたか。
土橋証人  いや,ありません。

 

問  では,大阪府警科捜研が宮城県警察科学捜査研究所に対し,鑑定試料をしぼってほしいという依願をしたことがありましたか。
土橋証人 次から次に試料を持ち込まれそうなので,しぼってほしいと言ったことはあるかも分かりません。

 

問  今,証人は鑑定試料についてしぼってほしいというようなことを言ったかもしれないと,そういう趣旨の御証言をされましたが,どうしてそういった依頼をしたかもしれないと言えるのですか。
土橋証人  平成12年の12月のころというのは,私どもの科学捜査研究所の毒物の鑑定というのは,非常に忙しかったわけです。それで,そういう忙しい時期に宮城県の科捜研から筋弛緩薬の鑑定嘱託がきました。当初,私は鑑定嘱託,鑑定試料が1点だと思っていたのが,4点も持ってこられたので,今後,試料があるならばしぼってほしいと,そのようなことを,多分,忙しかったから,言っていると思うからです。

 

このように土橋証人は、臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことを「いやありません。」と否定したことは、偽証ではないでしょうか。検察の論告要旨、判決文では、大阪府警科捜研から依頼したと明らかにしているのです。

 

宮城県警本部長から鑑定嘱託された鑑定事項は、「各資料にベクロニウム若しくはスキサメトニウムが含有されているか、含有されている場合には、その濃度。」 「ベクロニウム若しくはスキサメトニウムが含有の有無。、含有されている場合には、その量。」 です。
ところが、宮城県警に提出した鑑定書で、資料処置では、「資料は全量消費した。各資料の容器は本書と共に返却する。」

 

つまり当時忙しかったと証言しておりながら、鑑定依頼された事項でない毒物等の分析も行ったと言って全量消費したのです。

 

毒物等の分析資料は何も法廷に提出されていないのです。

 

すなおに考えるなら多忙だったために、毒物等の分析をしなかったのが真実ではないでしょうか。科学者なら、自分の行った研究・実験等の記録を残しておき、絶えず研究過程・成果の評価を以後の研究に生かすため些細なことでもデータや分析の過程を残しておくのが科学者として当然なことであるからです。

 

(なお、土橋吏員は、現在の科学で明らかにされている物質の原子量、分子量は、世界中で同じだということを理解していないと思います。この点については、このブログの「ベクロニウムの分子量・・・・・・・」を読んでいただければ詳細が解ります。)

 

次の「犯罪捜査規範」第186条を無視した明らかに証拠隠滅としか言いようが有りません。

 

犯罪捜査規範抜粋  (昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号)

 

(この規則の目的)
第一条  この規則は、警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的とする。

 

(捜査の組織的運営)
第十五条  捜査を行うに当つては、捜査に従事する者の団結と統制を図り、他の警察諸部門および関係警察と緊密に連絡し、警察の組織的機能を最高度に発揮するように努めなければならない。

 

(警察本部長)
第十六条  警察本部長(警視総監または道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、捜査の合理的な運営と公正な実施を期するため、犯罪の捜査について、全般の指揮監督に当るとともに、職員の合理的配置、その指導教養の徹底、資材施設の整備等捜査態勢の確立を図り、もつてその責に任ずるものとする。

 

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
2 警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

 

  第九章 鑑識

 

(鑑識の心構え)
第百八十三条  鑑識は、予断を排除し、先入観に影響されることなく、あくまでも客観的に事実を明確にすることを目的としなければならない。
2  鑑識を行うに当たつては、前項の目的を達するため、周密を旨とし、微細な点に至るまで看過することのないように努めるとともに、鑑識の対象となつた捜査資料が、公判審理において証明力を保持し得るように処置しておかなければならない。

 

(鑑識基礎資料の収集)
第百八十四条  捜査資料について迅速正確な鑑識を行うことができるようにするため、あらかじめ、自動車塗膜、農薬、医薬品その他品質、形状、商標等によつて分類することのできる物件で必要なものを収集し、鑑識基礎資料として分類保存しておくように努めなければならない。

 

(鑑識資料送付上の注意)
第百八十五条  鑑識のため捜査資料を送付するに当たっては、変形、変質、滅失、散逸、混合等のことがないように注意するとともに、郵送の場合には、その外装、容器等につき細心の注意を払わなければならない。特に必要があるときは、直接持参する等の方法をとらなければならない。
2  重要な鑑識資料の受渡しに当たつては、相互に、資料の名称、個数、受渡年月日及び受渡人氏名を明確にしておかなければならない。

 

(再鑑識のための考慮)
第百八十六条  血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たつては、なるべくその全部を用いることなく一部をもつて行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。