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鑑定

2012年12月21日 (金)

証拠隠滅と偽証を行ったのでは 鑑定資料全量消費の矛盾(4)

土橋吏員は、仙台地裁の法廷で、偽証を行ったことが、明らかになったと推認されることから以前掲載したものを再度掲載するものです。詳細については、後日明らかにいたします。

大阪府警科捜研土橋技官の証言を読んで、鑑定資料の全量消費は、証拠隠滅ではないかと思いました。同時に大阪府警科捜研の質の悪さにあきれかえりました。

鑑定試料を全量消費したことは、土橋技官だけでなく大阪府警、宮城県警による証拠隠滅ではないだろうか。
これから、大阪府警の科学捜査研究所の土橋技官の法廷での証言を検証してゆきます。
まず土橋技官は、大阪府警の警察職員として採用され、科学捜査研究所に所属する職員であること。また、犯罪捜査規範を遵守する義務があることを理解するため、関連法規の抜粋を掲載します。

  ○大阪府警察職員定員条例抜粋
(定員)
第一条 大阪府警察職員の定員は、休職者、公益的法人等への職員の派遣等に関する条例(平成十三年大阪府条例第七十一号)第三条第一号に規定する派遣職員及びこれらに準ずる者を除き、次の表のとおりとする。
区分   定員
警察官 警視
警部
警部補及び巡査部長
巡査(警察教養施設において新任者として教育訓練中の者を含む。) 

警察官を除く警察職員(臨時に雇用される者を除く。)

○大阪府警察本部組織条例抜粋
(各部の分掌事務)
第二条第5項 刑事部の分掌事務は、次のとおりとする。
一 刑事警察(少年犯罪の捜査を除く。)に関すること。
二 
犯罪鑑識に関すること。
三 犯罪統計に関すること。
四 暴力団対策に関すること。
五 薬物及び銃器に関する犯罪の取締りに関すること。
六 国際捜査共助に関すること。

○大阪府警察組織規則抜粋
(科学捜査研究所)
第57条 刑事部に、科学捜査研究所を附置する。
2 科学捜査研究所は、大阪市中央区本町一丁目に置く。
3 
科学捜査研究所の分掌事務は、次のとおりとする。
(1) 
犯罪捜査に関連する鑑定及び検査に関すること。
(2) 法医学の研究及び実験に関すること。
(3) 犯罪の捜査に関連する化学、物理学、光学、心理学等の研究及び実験に関すること。
 鑑定及び検査に必要な技術の研究に関すること。

犯罪捜査規範抜粋  (昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号)

(この規則の目的)
第一条  この規則は、警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(捜査の組織的運営)
第十五条  捜査を行うに当つては、捜査に従事する者の団結と統制を図り、他の警察諸部門および関係警察と緊密に連絡し、警察の組織的機能を最高度に発揮するように努めなければならない。

(警察本部長)
第十六条  警察本部長(警視総監または道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、捜査の合理的な運営と公正な実施を期するため、犯罪の捜査について、全般の指揮監督に当るとともに、職員の合理的配置、その指導教養の徹底、資材施設の整備等捜査態勢の確立を図り、もつてその責に任ずるものとする。

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
 警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

※これらの条文から、土橋技官は犯罪捜査規範に従うことは当然であります。

  第九章 鑑識

(鑑識の心構え)
第百八十三条  鑑識は、予断を排除し、先入観に影響されることなく、あくまでも客観的に事実を明確にすることを目的としなければならない。
2  鑑識を行うに当たつては、前項の目的を達するため、周密を旨とし、微細な点に至るまで看過することのないように努めるとともに、鑑識の対象となつた捜査資料が、公判審理において証明力を保持し得るように処置しておかなければならない。

(鑑識基礎資料の収集)
第百八十四条  捜査資料について迅速正確な鑑識を行うことができるようにするため、あらかじめ、自動車塗膜、農薬、医薬品その他品質、形状、商標等によつて分類することのできる物件で必要なものを収集し、鑑識基礎資料として分類保存しておくように努めなければならない。

(鑑識資料送付上の注意)
第百八十五条  鑑識のため捜査資料を送付するに当たつては、変形、変質、滅失、散逸、混合等のことがないように注意するとともに、郵送の場合には、その外装、容器等につき細心の注意を払わなければならない。特に必要があるときは、直接持参する等の方法をとらなければならない。
2  重要な鑑識資料の受渡しに当たつては、相互に、資料の名称、個数、受渡年月日及び受渡人氏名を明確にしておかなければならない。

(再鑑識のための考慮)
第百八十六条  血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たつては、なるべくその全部を用いることなく一部をもつて行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。
 

(鑑定の嘱託)
第百八十七条  捜査のため、死体の解剖、指掌紋又は筆跡の鑑別、電子情報処理組織及び電磁的記録の解析等専門的知識を要する鑑定を科学警察研究所その他の犯罪鑑識機関又は適当な学識経験者に嘱託するに当たつては、警察本部長又は警察署長の指揮を受けなければならない。

土橋証人の法廷証言抜粋

問  ところで,先ほどの証人の御証言の中で,Sさんの点滴ボトルにシールが巻き付けられてあったということを御証言されましたが,証人は現在,Sさんの点滴ボトルの上部に,シールが巻き付けられるように貼られていた理由を,御存じですか。
土橋証人   知っております。宮城の科学捜査研究所で,臭化物,臭素の予備検査をしたと聞いております。

問  では,大阪府警科学捜査研究所のだれかが,宮城県警科学捜査研究所の方に、鑑定嘱託をする試料について,臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことがありましたか。
土橋証人   いや,ありません。

問  では,大阪府警科捜研が宮城県警察科学捜査研究所に対し,鑑定試料をしぼってほしいという依願をしたことがありましたか。
土橋証人   次から次に試料を持ち込まれそうなので,しぼってほしいと言ったことはあるかも分かりません。

問  今,証人は鑑定試料についてしぼってほしいというようなことを言ったかもしれないと,そういう趣旨の御証言をされましたが,どうしてそういった依頼をしたかもしれないと言えるのですか。
土橋証人  
平成12年の12月のころというのは,私どもの科学捜査研究所の毒物の鑑定というのは,非常に忙しかったわけです。それで,そういう忙しい時期に宮城県の科捜研から筋弛緩薬の鑑定嘱託がきました。当初,私は鑑定嘱託,鑑定試料が1点だと思っていたのが,4点も持ってこられたので,今後,試料があるならばしぼってほしいと,そのようなことを,多分,忙しかったから,言っていると思うからです。

問  では,本件各鑑定の対象となった鑑定試料のうち,Sさんの点滴ボトルの次に,宮城県警察から受け取った鑑定試料は,何でしたか。
土橋証人  Mちゃんから採取されたという血清です。

問  Mちゃんから採取されたという血清については,これからは便宜上Mちゃんの血清と言ってお尋ねすることにしますが,Mちゃんの血清を大阪府警科捜研が受け取ったのは,いつでしたか。
土橋証人  平成13年の1月の24日でした。

疑問1,臭素含有の予備試験をやってほしいという依頼はしたことが無い。と証言しているが、仙台地裁判決文47・48頁では、大阪府警から依頼したと記載されておることは明らかに矛盾している。

疑問2、当時、毒物の鑑定は非常に忙しかった、しかも1点だと思っていたのが4点も持ってこられたという状況の中でなぜ依頼もされない、しかも特定されていない毒物の分析までおこなったのか。これも矛盾している。

問  ではさらにそのGC/MSは,それが1回だけの量としてお聞きすれば いいのか,GC/MSとして複数回やったトータル量をまとめておっしゃったのか,これはいずれですか。
土橋証人  GC/MSとしてトータル量です。

問  複数回GC/MSの分析としてもなさっているわけですね。
土橋証人  いや。GC/MSは1回です。

問  1回に注入した量,とお聞きすればいいわけですか。
土橋証人  いや。1回は数マイクロしか注入しません。

問  残りはどうなりますか。
土橋証人  残りは,ですから数マイクロありますけれど,誘導出したもの残しておいてもしょうがないから,いっも分析終わったら放りますけど。薄層はもう全量使用してます。

問  今,放ります,とおっしゃったのは,余りは捨てるという意味ですか。
土橋証人  そうです。

問  それを取っておいて,再鑑定のために使う試料にしよう,ということは考えないわけですか。
土橋証人  
分解等しますので,置いておいても,正確な検査ができるとは考えられませんので,そういう考えはあまりしません。

問  そこまで手を掛けてしまったものは,保存しておく意味があまりないということですね。
土橋証人  はい。

疑問3、土橋技官は、再鑑定に試料を取っておくという考えは無く捨てると言うことを証言しているが、科捜研の職員しかも「日本鑑識科学技術学会」に所属しているが、犯罪捜査規範を無視して本当に捨てていたのか、むしろ証拠を隠滅したのではないのか。

問  昨日の御証言で,他の薬毒物の分析についても,証人としては宮城のほうで当然やっておって,ベクロニウム,スキサメトニウムについての分析の依頼が来たんだと,常識的にそうだろうと思っていたところ,薬物毒物の分析は特に宮城では行なわずに,即大阪のほうに依頼されてきたんだということが分かった,という話がありましたね。このことが分かったのは12月14日,Aちゃん,K君等の試料については12月14日の段階だったということでよろしいですか。
土橋証人  そうですね。そのぐらいだったと思います。

問  そうしますと,12日に受け取られて,14日にそういった,宮城では他の薬毒物の分析を特にやっていないということをお知りになるまでの間は,試料,そのベクロニウム等の筋弛緩薬の分析に使った残りはどうするつもりでしたか。
土橋証人  ・・・それは,残れば宮城に返すこともできますし。電話して相談することになります。

問  通常証人がなさる鑑定作業の中で,依頼された嘱託事項に答えるのに必要な量を
使って分析をした後,試料の残量が出れば,これをどうするかということをその依頼元に確認するわけですか。
土橋証人  いや。我々通常行なっているような署との,大阪の中では警察署との鑑定嘱託の関係ですけれど,宮城の場合はよその県でもありますので,確認したということです。

問  よその県なので確認したであろう,ということですね。
土橋証人  はい。

問  12月14日の段階では,まだK君とAさんの鑑定試料しか証人の手元には届いていない時期だったと思うんですけれども,その後,Sさんの関係,Kさんの関係,Aさんの関係と,さらなる嘱託がなされる際には,今証人がおっしゃっていた薬毒物の分析というのを,その部分は宮城のほうでもできるだろうからやってくれないかと,こちらはベクロニウム等の分析だけをやるからと,こういう話にはならなかったんですか。
土橋証人  ならなかったと思います。

問  それはなぜですか。
土橋証人  やはりこちらのはうがいろんな装置持ってるからではないですか。こちらのほうがきっちりした分析ができると判断したと思います。

問  そうすると,これも昨日の御証言では,鑑定嘱託事項にはうたってはいないけれども,その他の薬毒物の鑑定も大阪のほうでお願いするというようなことが宮城のYさんのほうから言われた,という話がありましたが,これは今のその時系列でいいますと,その3点目の12月20日にSさんの関係のボトルを受け取るよりも前のことですか,それとも後のことですか。
土橋証人  前のことです。

問  それなので,その後届いたものもすべて大阪のほうで薬毒物の鑑定をなさったと。
土橋証人  そうです。

問  さて,で,薬毒物の鑑定も併せてやることになったというのはよく分かったんですが,一方で,その鑑定においては,そもそも,鑑定試料がすべて量が尽きるまでできる限りの他の薬毒物の分析を行なう,という方針が最初から立てられていたんでしょうか。
土橋証人  我々が普通いわゆる薬毒分析をするものを十分に,分析デザインという言葉昨日使いましたですけれど,それで考えたところ,全量使ったということです。

問  分析デザインについては,細かい確認で恐縮ですが,その宮城のほうで他の薬毒物の分析やってなくて,これも大阪で併せてやらなければいかんという話になった後でそのデザインは確定するわけですわね。
土橋証人  はい。

問  で,そのデザインを描く段階で,これは全量使うことを前提に割り付けをしていったというふうにお聞きしていいわけですか。
土橋証人  ええ。全量使うのに割り付けしたんじゃなしに,こういう装置でこういうことをしようとすればなくなった,ということです。ですから,まだやりたい検査というのはたくさんあるわけです。しかし,優先順位で付けていくと,今回の分析になった,ということです。

問  それは,鑑定試料ごとにデザインを個別に検討なさってるということですね。
土橋証人  そうです。

問  そうしますと,今の御説明だと,結果的に全量がそれで消費されることになった,という説明になるかと思うんですが,そうなる,つまり大阪のほうで引き受けた分析をやっていくと鑑定試料は残らないことになる,というそのデザインが決まった段階で,そのこと自体は宮城の科捜研,あるいはYさん,だれでもいいですけど宮城のほうの担当者のほうに伝えておりますか。
土橋証人  伝えております。

問  それに対して,宮城のほうの担当者はどのような意見を述べましたか。
土橋証人  やむを得ないでしょう,ということです。

問  そうすると,一部残してほしいというような要望は宮城のほうからなかった,ということですね。
土橋証人  はい。

疑問4,全量消費は、宮城県警と話し合ったということは、協同して証拠隠滅を行ったことが明らかではないか。

問  そうしますと,これも理屈の話かもしれませんが,最終的にいろんな分析をしていくと鑑定試料が残らなくなるということは,まず証人,あるいはNさんのそのデザインを設計する段階で決まり,で,宮城のほうにも確認をして了承を得たということで最終的に決まった,とお聞きしていいですか。
土橋証人  はい。

問  大阪府警の科捜研の証人の上司等の了解というのは特に求めないで進んだわけですね。
土橋証人  そうです。

問  ちなみに,その宮城の担当者に確認をなさった際に,元々の鑑定試料を宮城県警に任意に提出なさった提出者の方が,その試料の処分についてどのような意見を述べておられたか,こういった情報は併せてお聞きになってますか。
T証人  いや。聞いていないです。

問  証人のほうから確認もなさってないですか。
土橋証人  していません。

問  そうすると,宮城の依頼元のほうは,12月14日ころには大阪のほうにお願いする,少なくともAちゃん,K君の試料については,残りが出ないことを知り得た,ということになりますね。
土橋証人  宮城の。

問  宮城の担当者の方は。
土橋証人  はい。そうです。

問  で,その後のSさん,Kさん,Aさんの試料についても,それぞれもう受け取る段階で,残りは出ないということをその都度宮城のほうには伝えたんでしょうか。
土橋証人  いや。それは覚えてないです。

問  ただ,当初に受け取ったものがそうであったので,その後も当然,残りは出ないという前提で,宮城のほうからそのことについての疑問の問い合わせ等はなかった,ということでいいですか。
土橋証人  はい。

問  証人が通常なさる,大阪府警からの嘱託に基づく鑑定においてなさるその消費の仕方と,今回の他府県である宮城県からの依頼とでの違いは,薬毒物の分析について行なうことが決まる前は,残れば残ったものをどうしますかと聞くつもりだった,というお話でしたが,大阪府警の中ではそういうことは特になさらないんですか。
土橋証人  しないですね。残れば黙って返しますし。相談なんかしないです。

問  そうすると,宮城の場合に相談するというのは,黙って返すんではないというのは,何か特別な意味はありますか。
土橋証人  いや。相談するというんでなしに,毒物分析をこちらでやると,それで全量消費になるということを,相談でなしに,そういうような電話でのやり取りですので。

問  結果的になされたやり取りはそうだったということですかね。
土橋証人  はい。ただ,宮城の捜査本部からじゃなしに科捜研について来ておりますので,科捜研のほうにそのように話をしたということです。

疑問5、大阪府警の毒物分析で残ったものは黙って返すと言っていながら、宮城県警は毒物分析をやると全量消費になるということも矛盾している。

問  直接話なさったのは科捜研の担当者ですね。
土橋証人  我々のところはもう,そういう真ん中に何も入らないで直,警察署とか捜査本部とかそういうところから来ますので。

問  証人のもとに届く様々な試料の中には,再度入手することが比較的容易な,いわゆる対照用の試料というものもあるかと恩うんですが,そういったものと,それから再度入手することが恐らく不可能,困難な,現場で採られた試料とで,その一部を残すべきかどうかということの判断が違うかどうか,この点はいかがでしょうか。
土橋証人  どういうことですか。

問  再度入手することが容易な試料であれば,ある人の血液とかですね,またもらいに行けばいい,というようなことであれば,それは全量消費してもまた手に入るかと思う.んですけども,そういった入手が可能な,容易な試料と,現場で1回限り採取された現場試料とで,試料の一部を残すべきか,それともそういうことを考えずに全部使っていいかという判断に違いはありますか。
土橋証人  あまりないんですけれど。再度入手できても,そのときに採った血液というのは,もうその血液だけですから。2回目のときは状態も変わってますし,それは同じ試料とは言えないと思います。

問  化学的にはね。そうすると,昨日から何度かお聞きしているんですが,証人は再鑑定の可能性への配慮は特にはなさらなかった,ということでいいんですね。
土橋証人  そうです。

問  犯罪捜査規範の186条というのを御存じですか。
土橋証人  
 聞いたことあります。

疑問6,「聞いたことがあります。」ではなく知っているということではないでしょうか。土橋技官が大阪府警に採用されたのは、分析等の技術者であることから採用されたもので、当然科学捜査研究所に勤務するようになれば、最初の教育で「犯罪捜査規範」を教育されることは基本的なことであることから、聞いたことがあるとは、しらじらしい証言としか言いようがないのではないか。
   現在の経歴(日本鑑識科学技術学会・日本法中毒学会・日本医用マススペクトル学会・日本薬学会環境・衛生部会等)

問  そこには,なるべくその全部を用いることなく,一部をもって行ない,残部は保存しておくなど,再鑑識のための考慮を払わなければならない,というぎふうにうたってあるわけなんですが,このルールとその証人の鑑定におけるスタンスとは。
検察官
   裁判長,犯罪捜査機関の効力が証人に及ぶのかどうか,その点についてまず論証しなければ,今の質問は不適当と考えます。少なくとも犯罪捜査機関の主体は警察官となっております。
裁判長
  御意見があれば。

主任弁護人
問  質問変えます。そのようなルールがあることは御存じですね。
土橋証人  はい。

疑問7,ここで検察官は、「裁判長,犯罪捜査機関の効力が証人に及ぶのかどうか,その点についてまず論証しなければ,今の質問は不適当と考えます。少なくとも犯罪捜査機関の主体は警察官となっております。」と土橋証人の鑑定試料の全量消費を正当化しようと詭弁を使っております。根拠は、刑事事件を担当する検察官が、犯罪捜査規範を知らないなどと言うことは、あり得ないからです。

 ※ 犯罪捜査規範
   第21条 警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
   第2項 
警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

問  それにもかかわらず,再鑑識のための可能性は証人の立場ではまった配慮なさらなかった,ということでよろしいんですね。
土橋証人  はい。やはり分析に必要だったからやっただけ,分析して,それがやはりそれだけの量がいるのでしただけで,十分な量があれば,これは返却はするべきだと思いますし。ただ十分な量がなかったということですね。例えば,Mちゃんの血清中の濃度は6.何ナノグラムだと思ったんですけれど,それでスキャンでの検出限界というのが,昨日選択反応の検出限界言いましたですけれど,大体3本ぐらい確認できるのが5ナノグラム。そのぐらいが検出限界だと我々は考えております。そうすると,その血液を半分に割って鑑定すれば,ベクロニウムは検出されないということになります。ですから,保存してあったものからも検出されない,というのは,今我々が持っているそういうLC/MS/MSというのが最も感度の良い同定法であると,それで検出されないということは,どの装置を使っても検出されないということです。ですから,たまたまこういうも甲は結果論ですけれど,1ミリリッター使ったから出てきたのであって,それが半分であれば出てこないということであります。するとMちゃんのベクロニウムは永遠に証明されないことになります。たまたま結果論ですが,そういうことになっていくわけです。ですから,やはり全量使って,生体性は全部使ってするということは非常に,私は重要なことだと思います。

問  今証人は結果論というふうにおっしゃったんですけれども,試料の一部を使って分析をした段階で目的が達せられれば,少なくともベクロニウム等の筋弛緩薬の含有の有無という鑑定嘱託事項に答える目的は達するわけですよね。
土橋証人  はい。

問  で,その余りを残しておいて再鑑定に提供するか,それとも証人が先ほど来おっしゃっている,他の薬毒物の鑑定を行なうか,どちらがより目的として重要か,ということになるかと恩うんですが,証人は後者を優先するというお考えなわけですね。
土橋証人  そうです。

問  他の薬毒物が混在していたのではないかということが後で争われると,またそれもやっかいなことになるので,やはり考えられるものを尽くして調べるんだという趣旨のご証言,昨日ありましたよね。
土橋証人   はい。

問  しかし,再鑑定等で後に分析できるような試料を残しておいても,その目的は達せられるんではないですか。
土橋証人  例えば,弁護人さんが鑑定するときに,自分の鑑定に出てこなかったものが何箇月かたってはかの人から鑑定で出てきた場合,やはりあんまり鑑定人としてやはり,大きな事件であればあるほど,社会的な風当たりとか,ミスであるとか,そういうことで突き上げられると思うんですよ。

問  今おっしゃった点は,鑑定嘱託事項に書いてあることを行なわなかったりすれば当たる批判かな,とは思うんですが,そうではなくて,鑑定嘱託事項は最低限きちっとした鑑定を行なっておれば,そういった批判自体がそれは不当なのではないですか。
土橋証人  いや。そういうことではないと思います。やはり科学者として,やっぱりほかのところにどうして目が行かなかったんだ,ということは必ず批判されると思います。それで,例えばベクロニウムだけやっていて,分析していても,昨日も証言しましたですけれど,なぜそうするとベクロニウム以外はしなかったんだという,こういう場で必ずそういう争いが毎回あるんです。必ず,優秀な弁護人であれば弁護人であるほど,ベクロニウム以外にはなかったのか,というような争いになってくると思います。ですから,他の薬毒物分析というのは必ず必要なんです。

問  ちょっと言葉を変えてその趣旨をお聞きしますと,そうすると,証人の鑑定の信びょう性なり,あるいは証人の鑑定人としての社会的な評価なりのためにこの薬毒物を鑑定したということですか。
土橋証人  そういう意味ではないです。そういう意味ではないですけど,そういうことあるということを言っていたんです。

疑問8,土橋証人は、全量消費の理由を「ベクロニウム以外にはなかったのか,というような争いになってくると思います。ですから,他の薬毒物分析というのは必ず必要なんす。」と証言しているが、宮城県警で依頼した鑑定の目的を無視し、土橋技官の個人的理由を使って全量消費を説明しているが、この様な証言を大阪府警、宮城県警が黙認したとすれば、大阪府警、宮城県警が組織的に証拠隠滅を黙認したと言うことではないでしょうか。

2012年8月29日 (水)

大阪府警科捜研の土橋吏員は証拠隠滅と偽証では。

大阪府警科捜研土橋吏員は、法廷において偽証を行ったのではないでしょうか。
同時に、証拠隠滅を行ったのではないでしょうか。

論告要旨P152
 ところで,大阪府警科捜研の土橋技術吏員は,A子の血清等の鑑定嘱託を受け,これらの鑑定資料を受領したが,鑑定資料が同時に4点も持ち込まれたため,宮城県警科捜研に対し,その後の鑑定嘱託に当たっては,ベクロニウム等鑑定対象薬物が含有されている可能性があるものを選別した上で鑑定嘱託をしてほしい旨を要請し,これを受けて,宮城県警科捜研では,Sに投与された点滴溶液の残溶液に臭化ベクロニウムが混入されていれば,同溶液中から臭素が検出されることになるから,同溶液について,臭素含有の有無の予備試験を行った上,臭素の含有が認められた場合に同溶液を大阪府警科捜研に鑑定嘱託することとした

これが検察の論告要旨です。

仙台地裁判決文P47~48
・・・・・・ところで,大阪府警科捜研は,当時多忙であったところを,前記のとおり12月12日に―度に大島事件及び高橋事件の各資料が持ち込まれたことから,宮城県警科捜研に対し,今後鑑定資料を持ち込む場合には,臭化ベロニウムの含有する可能性が高いものを選別してからにしてほしい旨依頼し,これを受けた宮城県警科捜研において,上記点滴ボトル内の溶液につき臭素含有の有無の予備試験を実施することとした。・・・・・・・

これが判決文です。

法廷での大阪府警科捜研土橋吏員の証言

問 では,大阪府警科学捜査研究所のだれかが,宮城県警科学捜査研究所の方に,鑑定嘱託をする試料について,臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことがありましたか。
土橋証人  いや,ありません。

問  では,大阪府警科捜研が宮城県警察科学捜査研究所に対し,鑑定試料をしぼってほしいという依願をしたことがありましたか。
土橋証人 次から次に試料を持ち込まれそうなので,しぼってほしいと言ったことはあるかも分かりません。

問  今,証人は鑑定試料についてしぼってほしいというようなことを言ったかもしれないと,そういう趣旨の御証言をされましたが,どうしてそういった依頼をしたかもしれないと言えるのですか。
土橋証人  平成12年の12月のころというのは,私どもの科学捜査研究所の毒物の鑑定というのは,非常に忙しかったわけです。それで,そういう忙しい時期に宮城県の科捜研から筋弛緩薬の鑑定嘱託がきました。当初,私は鑑定嘱託,鑑定試料が1点だと思っていたのが,4点も持ってこられたので,今後,試料があるならばしぼってほしいと,そのようなことを,多分,忙しかったから,言っていると思うからです。

このように土橋証人は臭素含有の有無について予備試験をやってほしい旨の依頼をしたことを「いやありません。」と否定したことは、偽証ではないでしょうか。検察の論告要旨、判決文では、大阪府警科捜研から依頼したと明らかにしているのです。

宮城県警本部長から鑑定嘱託された鑑定事項は、「各資料にベクロニウム若しくはスキサメトニウムが含有されているか、含有されている場合には、その濃度。」 「ベクロニウム若しくはスキサメトニウムが含有の有無。、含有されている場合には、その量。」 です。
ところが、宮城県警に提出した鑑定書で、資料処置では、「資料は全量消費した。各資料の容器は本書と共に返却する。」

つまり当時忙しかったと証言しておりながら、鑑定依頼された事項でない毒物等の分析も行ったと言って全量消費したのです。

毒物等の分析資料は何も法廷に提出されていないのです。

すなおに考えるなら多忙だったために、毒物等の分析をしなかったのが真実ではないでしょうか。科学者なら、自分の行った研究・実験等の記録を残しておき、絶えず研究過程・成果の評価を以後の研究に生かすため些細なことでもデータや分析の過程を残しておくのが科学者として当然なことであるからです。

(なお、土橋吏員は、現在の科学で明らかにされている物質の原子量、分子量は、世界中で同じだということを理解していないと思います。この点については、このブログの「ベクロニウムの分子量・・・・・・・」を読んでいただければ詳細が解ります。)

次の「犯罪捜査規範」第186条を無視した明らかに証拠隠滅としか言いようが有りません。

犯罪捜査規範抜粋  (昭和三十二年七月十一日国家公安委員会規則第二号)

(この規則の目的)
第一条  この規則は、警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(捜査の組織的運営)
第十五条  捜査を行うに当つては、捜査に従事する者の団結と統制を図り、他の警察諸部門および関係警察と緊密に連絡し、警察の組織的機能を最高度に発揮するように努めなければならない。

(警察本部長)
第十六条  警察本部長(警視総監または道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、捜査の合理的な運営と公正な実施を期するため、犯罪の捜査について、全般の指揮監督に当るとともに、職員の合理的配置、その指導教養の徹底、資材施設の整備等捜査態勢の確立を図り、もつてその責に任ずるものとする。

(捜査員)
第二十一条  警察官は、上司の命を受け、犯罪の捜査に従事する。
2 警察官以外の捜査関係職員が、警察官を助けて職務を行う場合には、この規則の規定に従わなければならない。

  第九章 鑑識

(鑑識の心構え)
第百八十三条  鑑識は、予断を排除し、先入観に影響されることなく、あくまでも客観的に事実を明確にすることを目的としなければならない。
2  鑑識を行うに当たつては、前項の目的を達するため、周密を旨とし、微細な点に至るまで看過することのないように努めるとともに、鑑識の対象となつた捜査資料が、公判審理において証明力を保持し得るように処置しておかなければならない。

(鑑識基礎資料の収集)
第百八十四条  捜査資料について迅速正確な鑑識を行うことができるようにするため、あらかじめ、自動車塗膜、農薬、医薬品その他品質、形状、商標等によつて分類することのできる物件で必要なものを収集し、鑑識基礎資料として分類保存しておくように努めなければならない。

(鑑識資料送付上の注意)
第百八十五条  鑑識のため捜査資料を送付するに当たっては、変形、変質、滅失、散逸、混合等のことがないように注意するとともに、郵送の場合には、その外装、容器等につき細心の注意を払わなければならない。特に必要があるときは、直接持参する等の方法をとらなければならない。
2  重要な鑑識資料の受渡しに当たつては、相互に、資料の名称、個数、受渡年月日及び受渡人氏名を明確にしておかなければならない。

(再鑑識のための考慮)
第百八十六条  血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たつては、なるべくその全部を用いることなく一部をもつて行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。

2011年7月13日 (水)

鑑定は、本当に大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所が行ったのでしょうか。

この事件で、宮城県警察本部長が鑑定嘱託した鑑定は、大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所において鑑定したとして、鑑定書が、法廷に出されておりますが本当に大阪府警科学捜査研究所が鑑定した鑑定書なのでしょうか。

文書の所属記号が、全て「薬物第○○○号」となっており鑑定人には個人名が記載されております。

ところが、大阪府警察文書管理規程によれば、文書には、「文書番号」、「所属記号」を付け外部に発する文書には公印を押印することになっております。

大阪府警察本部科学捜査研究所の所属記号は、「」となっており、科学捜査研究所長の公印は縦21mm横21mmの角印です。

従って、所属記号も入っていない、公印もない鑑定書は、本当に大阪府警察刑事部科学捜査研究所として、責任を持って行った鑑定の結果を記録した鑑定書なのでしょうか。

2007年10月15日 (月)

鑑定資料の全量消費の矛盾(3)

   鑑定資料の分析に要する時間については、分析に要する作業、分析作業の準備から分析・分析後の機器・機材の洗浄等一連の作業があるため、更に今回のように、他の毒物等の検出のための分析を考慮すると、1回に要する時間を特定することは不可能だということが分かりました。
 従って、大阪府警T技官の証言では1ミリリットルの資料から、50回の定性分析に必要な注入量がとれるとしていることから、鑑定資料の量がどの程度の分析が可能か計算してみると、約5200回の分析を行ったことになります。

平成12年12月12日大阪府警に搬入
    Kくんの鑑定資料   
        血清   約2ミリリットル             100回
        点滴溶液  約50ミリリットル       2500回
    A子ちゃんの鑑定資料
                血清      約6ミリリットル              300回
                尿        約8ミリリットル               400回
平成12年12月20日大阪府警に搬入
    Sさんの鑑定資料
         点滴溶液  約30ミリリットル    1200回
上記の鑑定報告書 (平成13年1月19日)

平成13年1月24日
   Mちゃんの鑑定資料大阪府警に搬入
                 血清  約1ミリリットル              50回
上記の鑑定報告書 (平成13年2月23日)

平成13年2月12日大阪府警に搬入
   Aさんの鑑定資料
                 点滴溶液    約7ミリリットル        350回
                 点滴溶液    約3ミリリット          150回
                 点滴溶液    約3ミリリットル        150回
上記の鑑定報告書 (平成13年3月23日)
                                                   合計  5200回

平成12年12月13日から平成13年3月22日までの間、年末年始土日を差し引くと69日が就労日数として、
      5200回÷69日=75.36回(1日の分析回数)

つまり、大阪府警科捜研の技官は、約70日間大阪府警科捜研の仕事を行わずに、1日約75回以上の分析を行えば、鑑定資料を全量消費したことになります。

しかし、鑑定資料の全量消費の矛盾(1)で記載しましたが、

判決文47・48頁の「・・・・ところで、大阪府警科捜研は、当時多忙であったところを、・・・」が事実とすれば、5200回にも及ぶ分析がなされていなかったことが明白ではないかと思います。

2007年8月21日 (火)

鑑定資料の全量消費の矛盾(2)

大阪府警科捜研で、鑑定資料を全部分析に使用したと言っておりますが、分析にようする時間は、かなり長時間の分析を行ったことになります。

現在、1回分析に要する時間を検証しておりますが、どうしても検体を受領してから鑑定書を提出するまでの時間では、全量を分析したということは、あり得ない時間になります。このことを、明らかにするため、現在検証中です。

2007年5月 6日 (日)

鑑定資料の全量消費の矛盾(1)

判決文74頁                                            (3)鑑定資料が全量消費されたことについて                           弁護人は、本件各鑑定により各鑑定資料がいずれも全量消費されたことをとらえ、そもそも、真実、前記(1)イ(エ)のような鑑定嘱託書で嘱託されていない他の薬毒物の検査が実施されたか自体疑わしいし、仮に実際に他の薬毒物の検査が行われた事実があったとしても、それは、再鑑定による追試を妨げる目的で、殊更に鑑定資料を全量消費したものであるから、いずれにしても、各鑑定書の証拠能力及び信用性は否定されるべきであると主張する。                                               しかし、土橋吏員の証言によれば、本件各鑑定のような事件性を有する事例においては、単に目的成分が検出されたというだけでは、被害結果が他の薬毒物により引き起こされた可能性も否定できず、後々他の薬毒物が検出されて因果関係が問題とされた事例も多々あるため、薬毒物による事件の鑑定において、薬毒物の含有の有無全般の分析を行わないことは致命的な欠点になり得るとの認識を有し、日ごろから大阪府警察から鑑定嘱託に基づく鑑定においては、目的成分を限定しない「薬毒物含有の有無」との嘱託事項で鑑定を行っており、大阪府警科捜研の他の技術吏員にもそのような指導をしていたところ、本件各鑑定の嘱託書では鑑定事項が限定されていたため、宮城県警科捜研のY吏員に問い合わせた結果、他の薬毒物の鑑定が未了であることが判明したため、鑑定事項を「薬毒物含有の有無」とすることを提案したが、その後Y吏員から、宮城県警側で相談した結果として、鑑定事項はそのままにしておいて、他の薬毒物分析も行ってほしいとの依頼を受けたことから、他の薬毒物分析を行うことになったことが認められるのであり、その経緯には、一応の合理性が認められ、首肯し得るのであり、特段不自然な点は認められない・・・・・

この様に、いとも簡単に鑑定事項に他の薬毒物を追加しているが、次の論告要旨との整合性が全く無いことを、裁判官はどの様に理解しているのでしょうか。

論告要旨152頁                                           ところで、大阪府警科捜研の土橋技術吏員は,A子の血清等の鑑定嘱託を受け、これらの鑑定資料を受領したが、鑑定資料が同時に4点も持ち込まれたため、宮城県警科捜研にたいし、その後の鑑定嘱託に当たっては、ベクロニウム等鑑定対象薬物が含有されている可能性のあるものを選別した上で鑑定嘱託をしてほしい旨を要請し、これを受けて、宮城県警科捜研では、Sさんに投与された点滴溶液の残溶液に臭化ベクロニウムが混入されていれば、同溶液中から臭素が検出されることになるから、同溶液について、臭素含有の有無の予備試験を行った上、臭素の含有が認められた場合に同溶液を大阪府警科捜研に鑑定嘱託することとした・・・・・・

土橋技術吏員は、同時に4点の鑑定資料を持ち込まれたことから、ベクロニウム等の鑑定対象薬物の含有されている可能性のあるものを選別して鑑定嘱託してほしいと要請したことは、明らかに鑑定嘱託の限定するよう要請していながら、裁判では目的を限定しないで鑑定を行った等と証言しているが、どちらが真実なのでしょうか。?

すなおに考えるなら、論告要旨のとおり、大阪府警科捜研の仕事をしている中で、他県から鑑定嘱託があったので、鑑定嘱託の目的をなるべく効率的に行うために鑑定資料をあらかじめ限定して持ってきてほしいと要請したのが当然であったのではないでしょうか。

警察には、犯罪の捜査に当たって、次のような決まりがあります。                                 犯罪捜査規範(昭和32年7月11日国家公安委員会規則第2号)             (再鑑識のための考慮)                                      第186条 血液、精液、だ液、臓器、毛髪、薬品、爆発物等の鑑識に当たっては、なるべくその全部を用いることなく一部をもって行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない。

このように、規則も守らないで再鑑定を不可能にした全量消費を行ったのは、本当に不自然ではないのだろうか。証拠隠滅と同様なことではないかと思います。

追加(2007・5・20)                                         判決文47・48頁                                            ・・・ところで、大阪府警科捜研は、当時多忙であったところを、前記のとおり12月12日に一度にO事件及びT事件の各資料が持ち込まれたことから、宮城県警科捜研に対し、今後鑑定資料を持ち込む場合には、臭化ベロニウムの含有する可能性が高いものを選別してからにしてほしい旨依頼し、これを受けた宮城県警科捜研において、上記点滴ボトル内の溶液につき臭素含有の予備試験を実施することとした。・・・・

裁判官は、当時多忙であった状況と、全量消費したことの矛盾を、なんと説明出来るのでしょうか。

こんな矛盾した判決で、有罪にして良いのでしょうか。