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2013年1月の記事

2013年1月31日 (木)

宮城県警に、ロット番号が「24973794」のマスキュラックス1本が眠っている。

ロット番号が「24973794」のマスキュラックス1本は、宮城県警に眠っているのです

 

                    (証人尋問調書・第26回公判調書39から40頁)
主任弁護人 ・・・そこでお尋ねしますが、この標品っていうのは、大阪府警で用いられている標品というのは、具体的にどうゆうふうにして入手され、どういう品質のものなんですか。
土橋吏員   メーカーから頂いたもので・・・・そのときの含有率とかですね。そういうものが書いてあるものです。
主任弁護人 市販されているものとは異なるものである、というふうに聞いてよろしいですか。
土橋吏員    ベクロニウムは市販されておりません。
主任弁護人 ですから、いわゆる市販されているものとは、まったく別のものであるというふうに聞いてよいわけですね。
土橋吏員    市販されているっていうのは。
主任弁護人  マスキュラックスとか、あのサクシンとか。
土橋吏員  それはもう製剤です。で、我々が持っているベクロニウムっていうのは、マスキュラックスも持っていますけど、今回の標品というのはベクロニウムそのものです。
主任弁護人 なるほどね。それはメーカーといいますと、いわゆるオルガノン社っていいますか。
土橋吏員  そうです。
主任弁護人 あそこから入手してるわけ。
土橋吏員     はい。

 

                      (仙台地裁判決文230頁)
 ・・・・そして,平成12年12月3日,半田教授,郁子医師,S婦長及びS主任により行われた在庫調査の結果,この時点でマスキュラックスが9アンプル存在していることが判明した(その内訳は,ロット番号が「2986869Y」のもの8アンプル,「24973794」のもの1アンプルであった。なお,同月4日,鑑定に使用するために,マスキユラックス1アンプル(ロット番号が「24973794」のもの)が領置されたため,同月9日に実施された実況見分の際には,マスキュラックスの在庫は8アンプルであった。)。

 

 この様に大阪府警科捜研で鑑定に使用した標品はベクロニウムで、オルガノン社から入手したと証言していることから、宮城県警で鑑定に使用すると領置したマスキュラックス1本は鑑定に使われていないので、今でも宮城県警にあるはずです。
 もし、ありえないことですが無いとすれば、何に使ったかを明らかにすべきです

 

補足(2013年2月22日)

 

 宮城県警でマスキュラックスを領置した時、注射用溶解液を持って行かなかったのは何故だろうか。

 

医薬品インタビューフォーム

 

「2011MUSCULAX.pdf」をダウンロード

 

 

 

 

2013年1月29日 (火)

警察の失態を知ってください。(ブログの初期の内容から)

私が、一番最初に掲載したのは、2006年8月26日でした、その頃から内容を見ていただく方法をお知らせいたします。

ブログの左に、「バックナンバー」という所をクリックしていただくと、過去の内容を読むことが出来ます。

最初の頃は、警察、検察、裁判所がいかにでたらめなことで、この事件を作り上げたか理解できると思います。

特に警察が重要な証拠を深夜だという理由で領置しないで、当事者の半田元教授に預けて行くということは、今考えてもいい加減な捜査をしていたことを、典型的にあらわしていると思います。

なお、私が途中から実名を掲載したのは、もし私が事実と違うことを掲載したなら、名誉毀損で訴えられることを意識して行っているものです。

2013年1月 8日 (火)

速やかに再審開始を。

 2012年12月20日、北陵クリニック事件の再審請求審の第三回目の三者協議が行われました。その際検察側から提出された「意見書」は、確定判決を覆すことが明らかになったことから、速やかに再審開始を。

仙台地裁での検察の論告要旨188~189頁
 ・・・・・・・・さらに,弁護人は,本件各鑑定において,スキサメトニウムは分解代謝物の含有検査がされているのに,ベクロニウムはその検査がされていないことを指摘し,それを不自然とし,本件各鑑定の信用性に疑問を投げかける(前同8)。しかし,土橋技術吏員は,スキサメトニウムカがクロニウムやパンクロニウムと比較して分解が早く進むことから,未変化体が検出されなかった結果を受けて更に分解代謝物の検査を行ったのに対し,ベクロニウムは,最初に未変化体が検出された上,ベクロニウムの代謝物と分解物は同一であり,あえて分解代謝物の検査を行う必要がなかったため,分析を行わなかったに過ぎず(土橋24回8,25回83~84),その理由は,実に明快かつ合理的であり,鑑定の信用性に疑念を抱かせる余地は全くない。・・・・・・

仙台地裁判決文70頁
 ・・・・しかし,①について時,土橋吏員の証言によれば,スキサメトニウムについてはベクロニウムより分解が早く進むことから,当初から分解代謝物のことも念頭におき,検出されなかった未変化体以外に,分解代謝物の分析をも試みたのに対し,ベクロニウムについては各鑑定資料から未変化体が検出されたため,それ以上に代謝分解物まで調べる必要性が認められなかったことから,その分析は行わなかったものであり,両者の扱いを異にした合理的理由が認められるから,これが不自然とは認められない。・・・・・

仙台高裁判決文7頁
 ・・・・・なお,土橋吏員の証言(第24回,第25回)によれば,本件各鑑定において,各鑑定資料からベクロニウムの未変化体が分離・検出されていることが認められるから,m/z258のプリカーサイオンが,本件各鑑定資料中に存在したベクロニウムの脱アセチル化した変化体に由来するものでないことは明らかである。・・・・・・

意見書16頁
 ・・・・・宮城県警科捜研が行ったべクロニウム標品の分析結果は,以上のとおりであって,この分析結果によれば,m/Z279及びm/Z557のほかに,m/Z258も検出できたのである。
 ところで,ベクロニウムをESI法によってイオン化した場合に検出されるm/Z557又はm/Z279のイオンは分子量関連イオンであり,他方,ベクロニウムは容易に加水分解しやすい性質を持つ化合物であり,その分解化合物のうち主要なものが3-OHベクロニウムである。そしてm/Z258は,この3-OHベクロニウム又は17-OHべクロニウムに由来するイオンである。・・・・・・

意見書17頁
 ・・・・・ベクロニウムの加水分解しやすいという性質を考えるならば,分析開始前に作成したべクロニウム輸液中の未変化体のベクロニウムが徐々に加水分解して,生成された3-OHベクロニウムを始めとする脱アセチル化体からm/Z258が検出された可能性を指摘することができる。・・・・・・・

 この様に、仙台地裁の公判で、検察の主張、土橋技官の証言、判決のいずれも鑑定書でベクロニウムがあったとする根拠を、ベクロニウムの標品および、鑑定資料から未変化体が検出されたから合理的であるとしていたことを覆しました。
 さらに、仙台高裁の判決文で「m/z258」が未変化体であると主張してきたことも、「脱アセチル化した変化体からm/Z258が検出された可能性を指摘することができる。」と覆しました。

 従って、確定判決で有罪の根幹であった大阪府警科捜研の「鑑定書」を、今回の意見書で検察が自ら崩したことから、再審を開始し真実を明らかにすることが裁判所に求められていると考えます。

2013年1月 2日 (水)

土橋鑑定は証拠・証明能力もないことが明らかになりました(概略)

土橋鑑定について内容を検討した結果 土橋鑑定は証拠能力も証明能力もないことが明らかであると思いその概略を理解していただくため掲載するものです。

 

1 鑑定とは
 今回の鑑定は、血清、点滴ボトル、尿(以後資料という。)から筋弛緩剤の成分であるベクロニュウムが検出されるかどうかを、調べるものであります。

 

2 鑑定の方法は
  液体クロマトグラフィーという分析装置と、質量分析装置を使って、
  ○ 資料の中に、ベクロニュウムの成分が含まれているか(定性分析)。
   ○ 資料の中に、ベクロニウムがの成分か含まれている量(定量分析)
    ○ 資料から検出されたイオンを質量電荷比(m/z)に応じて分離検出(質量分析)して、分子量関連イオンを検出する

 

    ○ 標品(北陵クリニックから持っていったと称されるマスキュラックス1本)を資料と同様に分析して、同様のデータが出たかを分析したのでした。

 

3 鑑定の結果
  鑑定書の記載から読みとれる鑑定手順は下記の通りであります。

 

 ① 標品は蒸留水で1mg/mlの濃度に溶解し、鑑定資料は前処理を施した上でLC/MS/MSの分析装置で分析を行いました。

 

 ②  標品のベクロニウムを質量分析したところMS1でm/z258のイオンがベースピークとして検出されたとしております。

 

 ③ 標品の分析終了後、m/z356についてその強度を示すマスクロマトグラムを表示したところ、保持時間約5、4分にピークを確認できた。また、m/z258をプリカーサーイオンとする全イオンの強度(電気量)を加算した全強度の時間変化(保持時間)を示すトータルイオンクロマトグラムを表示したところ、同じく、約5、4分保持時間の位置にピークを確認できたとしております。

 

 ④ MS1で検出されたベースピークであるm/z258をプリカーサーイオンとしてMS2でこれを開裂させた際のマススペクトルが図2下段である。プロダクトイオンとしてm/z258、356、374等が検出されたとしております。

 

 ⑤ 鑑定資料も同様の方法でLC/MS/MSによる分析を行った結果、同様の結果を得ることができた。よって、鑑定資料にはベクロニウムの含有が認められたとしたのでした。

 

4 弁護団の主張
 ① 土橋鑑定は、定性分析をLC(液体クロマトグラフィー)段階においても、MS(質量分析)段階でも一切行っていないのです。

 

 ② 土橋鑑定には、m/z258のプロダクトイオンのマススペクトルは表示しているが、肝心の標品と鑑定資料を質量分析した1段目の質量分析のマススペクトルの表示がないのです。
  
 ③ 土橋鑑定で観測されたイオンの値m/z258とそのフラグメントイオンだけとされているのです。
      しかも、標品及び鑑定資料からm/z258のイオンが検出した事実を示すマススペクトルは鑑定書に示されていないのです。

 

  ④ 土橋鑑定は、ベクロニウムの質量分析を行った場合にm/z258のイオンが検出されることを前提に行われているのです。
      これは、西川と土橋が「ESIーLC/MSによる筋弛弛緩薬パンクロニウム、ベクロニウムの分析」と題した講演要旨「日本法中学会第18回年会講演集」を前提としているのです。

 

5 鑑定の経過と結果のまとめ
(1)土橋鑑定には必要なデータ表示がなく再現性がないのです。
   土橋鑑定において示されているデータが極めて限られており、同分析を再現することが可能かとの疑問は第1審段階から指摘されていました。
   実験ノート等の提出もなく、どのような手順で分析を行ったのかを明らかにする客観的証拠は全く提出されていないからであります。
   土橋鑑定の内容がその再現性、客観性を担保するために不十分であることは、実験ノート等の不存在だけに止まらない。ベクロニウムの定性、定量に必要な基本的なデータさえ提示されていないのであります。
   定性のためのデータであるクロマトグラム、マススペクトルの提示は全くないのです。
   定量のためのデータ表示が全くないのです。
   本件のような精密な定量分析において検量線等のデータ表示がないことは、これを再現できないことを意味するのです。
   再現性のない結果だけが表示されている鑑定を公正であると評価することはできないことは、当然なことです。
(2)土橋鑑定が分析した化合物はベクロニウムではないのです。
   土橋鑑定に対する疑問は必要なデータを示してないと言う点だけに止まらない。結論そのものが誤っているからであります。
   ベクロニウムの質量が約557であることは公知の事実であります。
    これを質量分析したばあい、検出されるイオンはm/z557あるいはm/z279である。これは、2審・弁52ないし56により明らかであります。
    原審は、分析条件により検出されるイオンは異なるとしているが、この考え方は、質量分析とは相容れないものであります。
   ESI-LC/MS/MSにより化合物を分析した場合に、分析条件により変化するのは、LC(液体クロマトグラフ)の保持時間、そして、検出されるイオンの強度だけであります。
   検出されるイオンの値、すなわちマススペクトルに変化はないのです。
   前述の通り、弁護人が提出した論文ではESI-LC/MS/MSによりベクロニウムを分析した場合に検出されるイオンは、m/z557あるいはm/z279であり、フラグメントイオンとしてもm/z258のイオンは検出されていないのです。
   ESI法によるベクロニウムの質量分析においてフラグメントイオンである、m/z258のイオンがベースピークとして検出されるとする報告もないのです。

 

   よって、m/z258のイオンが、ベクロニウムの分子量関連イオンが開裂したものでないことは明らかである。m/z258のイオンは、質量約258あるいは516のベクロニウムとは別の化合物の分子量関連イオンなのであるのです。

 

 土橋鑑定が検出した定性・定量した質量258あるいは516の物質はベクロニウムではない。これを、ベクロニウムとして分析対象とした土橋鑑定のあやまりは明らかであります。

 

 

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